SBIホールディングスが、スルガ銀行との資本業務提携を視野に入れていることがわかりました。
SBIの「地銀連合構想」が始動、6日に島根銀行との提携が発表されたばかりですが、今後、スルガ銀行への提携も焦点であることを日経新聞が伝えています。
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SBIホールディングスがスルガ銀支援
SBIホールディングス(HD)が全国の地方銀行と資本・業務提携する「地銀連合構想」が始動しました。
昨日、島根銀行と資本業務提携を結んだことが発表されたばかりですが、SBIでは、スルガ銀行への支援も焦点となっていることがわかりました。
スルガ銀行の有国社長と嵯峨新副社長は、創業家岡野家との関係を解消する期限としてこの9月を挙げており、それが済み次第話が進む可能性があります。
SBIの地銀連合構想とは
地銀連合構想というのは、全国の地方銀行と連携して共同持ち株会社を設立し、経営を支援する構想ということで、「第4のメガバンク構想」と銘打たれています。
「人口減少や超低金利環境の長期化で金融機関の収益力が悪化する中、地銀再編の一角を担う存在になりそうだ」(産経新聞)と期待されています。
SBIが島根銀行と提携
SBIホールディングスが、6日に、島根銀行に25億円を出資、業務資本提携を結んだことを発表。
「地銀連合」の実現に向けた第一歩を歩み出しました。
島根銀への出資の内訳は、島根銀にはSBI本体が19億円、昨年1月に設立した地銀向けのファンド「地域銀行価値創造ファンド」が6億円を出資しています。
3年連続赤字の島根銀行
島根銀は全国の地銀の中でも特に経営が厳しく、2019年3月期の決算では、本業のもうけを示す「コア業務純益」が3年連続の赤字。
地域経済の縮小で経営が厳しい典型的な「限界地銀」とされていました。
SBIフォールディングスは、SBI銀行をはじめ、SBI証券、保険などの事業会社を持っているため、島根銀の顧客に、SBIグループの投資信託や生命保険などの販売を増やしたい考えでの提携だということです。
6日、松江市で記者会見した島根銀の鈴木良夫頭取は「単独で難局を乗り切ることは難しい。資本提携は幸いだ」と語りました。
スルガ銀行支援が焦点
この地銀連合構想の業務提携先には、スルガ銀行の支援も既に候補に挙がっているということです。
「SBIの北尾CEOはかねて支援に意欲を示してきている」(日経)そうですので、十分実現の可能性はあります。
新生銀行との提携は業務提携のみ
https://www.shinseibank.com/
スルガ銀行は新生銀行との提携を先に発表しましたが、それは業務提携にとどまるもので、資本提携としての支援には至っていませんでした。
その後、新生銀行との提携の報を受けて、ゆうちょ銀がスルガ銀との提携解消を発表しています。
金融庁がスルガ銀支援の理由
シェアハウス問題が発覚、業務停止命令を受けてからかなり時間が経ってからの提携解消であったわけですが、この提携解消の時期についても、さらにはその後の新生銀行との提携についても、金融庁の思惑がはたらいていたといわれています。
なぜ、金融庁が、一地銀のスルガ銀をそこまで後押しするのかというと、当時の森金融庁長官が「地銀の優等生」として、スルガ銀に優良銀行のお墨付きを与えてしまったからのようです。
なので、提携に関しても、さまざまな銀行へ打診を行ったと伝えられています。
岡野家との関係解消”9月”期限
スルガ銀行の有国三知男社長や嵯峨行介副社長は日経新聞とのインタビューで、創業家との関係解消やシェアハウス問題の解決のめどを、この9月を期限として挙げています。
ネックは言うまでもなく、岡野家関連企業との関係解消、つまり、スルガ銀行からの多額の融資や寄付を断ち切ることにあるわけですが、ここにきてSBIの構想にスルガ銀の名前が挙がっているのは、双方が提携を視野に入れていると思われます。
スルガ銀行としては、資本提携での支援なくしては再建は望めません。SBIの元での再建と再始動に大きな注目が集まることでしょう。