積水ハウス事件

阿部会長、積水ハウス社長は地面師の詐欺取引を”知っていた”と告発

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積水ハウス地面師事件、首謀者とされている内田マイク被告と、主犯格とされるカミンスカス被告の公判の様子は前の記事でお伝えしました。

それら地面師と言われる詐欺グループが虚偽の土地取引を進めたことはわかっています。

一方、ここへきて新しい証言を週刊文春が公開、それによると、阿部会長はこの取引が虚偽であることを知っていたのではないかという疑いが浮上しました。

記事の内容をご紹介します。

地面師事件の不正を実名告発

積水ハウスが被害を受けた地面師事件に関しては、これまで何かおかしい、異常な取引ではないかとの声が内部の関係者からも、調査報告書を読んだジャーナリストからも度々上がっていました。

しかし、今回は部外者の憶測ではなくて、積水ハウス内部にいた人の告発です。

積水ハウスの不正な取引とは

結論を先に書くと、積水ハウスの現阿部俊則会長は、「契約相手が偽の地主であることを示す内容証明付きの告発文の存在を知っていた」ということです。

どういうことかというと、積水ハウスの当時の社長は、相手が本物の土地の所有者ではないと知っていて、土地取引を進めたということであるようです。

そんな話はにわかに信じられませんが、何しろこの”証言”をしているのが、元積水ハウス不動産部長の黒田章氏、土地取引にも携わった一人となれば、聞き捨てならない話です。

地面師事件のあらまし

地面師事件の土地取引の部分をおさらいすると、取引された土地は東京五反田の海喜館、JR五反田駅から徒歩3分、600坪の旅館跡地です。

所有者である旅館の元女将は、これも今回文春が実名を書いていますが、故、海老澤佐妃子さん。

積水ハウスの東京マンション事業部次長に、海老澤氏の知人と称する紹介業者が「この土地を買わないか」と持ち掛けてきたのが最初です。

この紹介業者はI氏で、地面師の仲間として一度逮捕されていますが、不起訴になったようです。

そして、このI氏と事業部長に個人的な「不適切な関係があったのではないか」ということも調査報告書には記されています。

地面師側からというと、このI氏は最初から積水ハウスの事業部長と知り合いであり、そのためにI氏を地面師グループが仲間に引き入れたとも言われてもいました。

もちろん、最初から土地取引は虚偽であったわけです。

そして、その土地の所有者に成りすましたのが、羽毛田正美被告と、その”不動産コンサルタント”カミンスカス操被告ということは、もはや周知のことです。

阿部社長の視察後、社長案件に

五反田の土地の売買契約は、そうして積水ハウスの中に入ってきたのですが、そうなって間もなく、当時の社長であった阿部氏が現地視察。

話があったのが3月、視察が4月の18日ということです。

その後、この取引は「社長案件」となり、社長の意向ということで、話は進みました。

海喜館の海老澤氏から内容証明郵便

しかし、その後5月10日に、本社に内容証明郵便が送られてきました。

この、内容証明郵便というのは、普通の郵便とはまったく違い、きちんとした書式で記されて十分記録となるものです。

差出人は土地の所有者である旅館女将である海老澤氏ですが、内容証明郵便で送ろうというのには、この時点であるいは弁護士などの助言もあったのかもしれません。

内容証明便の内容は「自分が不動産の所有者だが、仮登記がなされて驚いている。売買契約はしていないから、仮登記は無効である」というもので、3通目に至っては海老澤氏の印鑑登録証のカード番号が添えられていたといいます。

旅館女将の本人確認がなされない

印鑑登録証の番号の照会をすれば、羽毛田被告ら地面師側の提出したパスポートや印鑑証明は皆偽造されたものですので、それだけでも確認は取れたかもしれません。

また、印鑑証明ではなくても、現地の近所の人に写真を見せるなど、他の方法で本人確認はいくらでもできたはずです。

そして、この4通の内容証明便が、積水ハウスにどのように扱われたのかが、今回のスクープの主題なのです。

不審を感じた積水ハウスの不動産部長

今回”証言”をする黒田氏は、この内容証明便のことを知らなかったといいます。

積水ハウスの土地取引が進んでいく間に、関西の不動産会社の社長から「取引はだいじょうぶか」、「土地取引が不適切」だということを東京総務部に来て告げた他の土地ブローカーもおり、黒田氏は仲介業者に対して不審を感じるようになったと言います。

とうとう黒田氏は「手付の14億を流してもいいので、取引をやめた方がよい」と三谷常務に通告。しかし、取引はそのまま進められました。

「阿部会長は内容証明便を知っていた」

そして、契約が終了したのちの6月5日、阿部氏は「あの件はどうなっている?」と聞いてきた。「ネガティブ情報が複数あり、心配しています」と黒田氏が返すと、阿部氏は「変な手紙が3,4通届いているだろ」といった――

黒田氏はその時点で、内容証明便のことを知らなかった。おそらく知っていたら、黒田氏は、捺印はしなかったかもしれません。

そして、阿部氏の言っている「変な手紙」が何なのかも判然としなかったそうなのです。

しかし、上のやりとりを見ると、阿部氏は、明らかに、阿部氏は「私が本人だ」という内容の内容証明便が届いたことを知っていた。

そして、黒田氏が内容証明便の存在を知らなった理由はというと、「不動産部の判がなければ会社は資金を動かせない」ために、不動産部には、その話は伏せられていた、黒田氏の弁だと「蚊帳の外に置かれた」ということなのです。

 

結局、その後、五反田の土地取引は地面師によるものだったことが判明、黒田氏は責任を問われて、積水ハウスを退職。

それも阿部社長に、マスコミに地面師事件が報じられて「これ以上お前に会社にいてもらうわけにはいかない」と言われ、黒田氏は「阿部氏の言葉に絶望し」と退職の理由を述べています。

積水ハウス側は、この黒田氏の告発を受けて、「(土地売買の決済、つまり代金支払いのあった6月1日時点で)阿部も内容証明便の存在を知らなかった。阿部が『詐欺の恐れがありながら売買契約を行った事実はない」」と否定。

阿部氏に善管注意義務違反

しかし、多くのマスコミは「阿部氏に善管注意義務違反があった」という意見をこれまでに繰り返し述べてきました。

「この取引が変だ」というときに、誰もが思っていることは、上の積水ハウス側の回答にある通り、阿部会長が「詐欺の恐れがありながら売買契約を行った」ということでしょう。

積水ハウスのこの地面師事件の調査報告書を作成した和田勇会長は、この点を含めて、「現経営陣の責任を問うため」経営陣全員の解任を求める株主提案を行うとしています。

その積水ハウスの株主総会は、4月23日に開かれる予定です。

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