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積水ハウス会長辞任後の内紛と地面師事件とのつながり 報告書が鍵

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積水ハウスが、地面師と呼ばれる詐欺グループに五反田の旅館跡地の土地取引を持ち掛けられ、55億をだまし取られた事件は記憶に新しいです。ここへきて当時の和田勇会長が17日、4月の株主総会に向けて経営陣の刷新を求める株主提案をしたと発表しました。

和田氏が渦中の調査報告書の内容を自ら明かし始めました。地面師事件と積水ハウスの内紛の関わりについてお伝えします。

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積水ハウス和田勇会長が株主提案

地面師事件の後まもなく解任された和田勇会長は、そのままマスコミ向けに語ることはありませんでしたが、ここへきて株主提案をすることが発表されました。

株主提案の内容は 株主提案は14日付、内容は現経営陣を全て刷新、和田会長自身を含む11人を再度取締役候補にするというものです。

積水ハウスの取締役任期は2年間、4月に改選となるため、それに向けての株主提案だということです。

一見地面師事件とは何の関係もない積水ハウス内のいざこざのようですが、実はそうではありません。

地面師事件で辞任した和田会長

和田勇会長は地面師事件の前までは、積水ハウスの会長職にありました。

ところが積水ハウスが五反田の土地売買で、55億円を地面師グループに騙し取られるという不祥事を起こしました。

この土地取引に関わったのが、現在の阿部俊則会長、当時の社長です。

和田会長は、なぜ55億円もの大金が騙し取られてしまったのか、その調査を依頼。

調査対策委員会は当時社長だった阿部氏について「経営上、重い責任がある」と指摘したため、現在の阿部俊則会長の不手際が明らかになったため、和田元会長は当時の阿部社長の辞任を求めようとしました。

すると、逆に阿部社長が和田会長の方に解任動議を提案。和田会長の方が解任に追い込まれるという結末となったのです。

和田元会長はこれを不服として、今回また、阿部会長ら現職の経営陣を辞任させ、自分とその関係者を再び取締役につけるということが狙いです。

地面師事件で55億損害の責任

積水ハウスの経営者として誰が適任かを決めるのには、地面師事件の責任の有無がポイントとなっています。

そして、詳細の事件の内容を記した上で、阿部俊則会長に「地面師事件の責任がある」と証明するものが、和田氏が依頼した調査委員会の調査報告書というものです。

和田勇氏が語る調査報告書の内容

この内容は、現経営陣によって、今まで隠されてきいました。

積水ハウスへの株主代表訴訟で、裁判所調査報告書の提出を求めたにも関わらず、現経営陣はそれを拒否。その内容はいったいどのようなことが書かれていたのか。

前の記事でもお伝えしましたが、今回は和田勇会長の談話から核心部分を抽出します。

まず和田勇氏は、土地売買の取引先のことについて下のように言及しています。

阿部君が決済した稟議書に綴られていた取引先は、元国会議員の妻が役員を務めるペーパーカンパニーです。
著しく信用の劣る会社と積水ハウスのような上々企業が取引をすることなどあってはならないこと。--週刊現代2/17号

ここ言われている会社は 、土地売買の仲介に入った生田剛氏が実質的な経営者であった、イクタホールディングス というところです。

その会社の登記が十全ビルというところにあり、そのオーナーが元「最後の大物フィクサー」と言われている人物。

地面師事件において、この辺りのところも未だ明らかになっていないところであるのです。

いずれにしても、それに阿部会長があっさりと決済してしまったことに過失があるというのが、和田氏の最初の主張です。

積水ハウスのずさんな取引の不審

他にも、取引の不審な点は多々あります。

・地面師の偽物の地主の本人確認が完全ではなかった
・取引の途中で本物の地主が繰り返し連絡をしたのに取引が勧められた
・決済当日に現場に警察が来たにも関わらず、49億円が支払われた

和田氏はこれらの報告を読み、次のように言います。

一連の経過を調査報告書で読んだ時点で、私は「不正取引」だという疑念を持ちました。少なくとも騙されるはずのない事件だった。

そしてそれらの事実を記載した上で、報告書は阿部氏の責任について下のように結論付けました。

本件取引の全体像を把握して、誤った執行にならないよう防ぐ責任は業務執行責任の最高医者にあり最後の砦である。業務執行責任者として、取引の全体像を把握せず、重大なリスクを認識できなかったことは、経営上、重い責任がある。

おそらくはこれを表に出せば、辞任せざるを得ないのが目に見えていたため、阿部会長は調査報告書の公開を渋ったのかもしれません。

地面師事件の真相の謎

それにしても気になるのは、地面師の背後にいるという大物フィクサーの存在です。

これを読む限りでは、地面師事件は、単なる詐欺事件ではないのかもしれません。

網走刑務所で事件を主導したと言われる内田マイクはいったいどのようなつながりを持ってこの事件に関わったのか。

また、土地取引を進めた積水ハウス内の人物は、どこまでを知っていたのか。

仮にトップが交代したところで、真相は永久に闇の中となってしまうのかもしれません。

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