基準地価が29日に発表され、昨年は、0.4%の上昇だったのに対し、3年ぶりに、0.6%下落したことがわかりました。
地価が下落した原因は、新型コロナウイルスの感染拡大で訪日客が激減したことと報じられています。
地価の動向についてまとめます。
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基準地価2020 0.4%3年ぶり下落
朝日新聞は、29日の基準地価の発表を下のように報じました。
国土交通省は29日、土地売買の目安になる7月1日時点の基準地価を発表した。住宅地、商業地、工業地などを合わせた全用途の平均は前年より0・6%下がり、3年ぶりに下落した。昨年は0・4%の上昇だった。新型コロナウイルスの感染拡大で訪日客が激減したことなどが響き、都市部の商業地を中心に上昇基調が一転した。
前回の発表の時には、地価上昇の原因が、これも、「訪日客の増加」と報じられていました。
基準地価2019年 地方圏の商業地が上昇 28年ぶり0・3%
不動産価格については、今のところ目立った下落はないとされていますが、今後の影響がないとは言い切れません。
コロナでも不動産価格は下落しないというのは本当か 朝日新聞のコメントまとめ
なぜ訪日客の増減が地価に影響するのか
なぜ、外国人訪日客の増減が地価に影響するのでしょうか。
地価というのは、売買がされないと上がっていきません。
極端に言えば、一件も取引がない町があったとすると、去年と同じ状態ということになって値動きは生じませんが、物件数がたくさんあって、買い手が増えれば、希少価値が出たところの地価は、互いに競争して上がっていきます。
訪日客がゼロで需要減
今年は、新型コロナの影響で、訪日客はゼロに、また国内でも外出自粛が相次ぎました。
新型コロナによって、訪日外国人客がほぼいなくなったほか、外出自粛や休業要請で国内の経済活動も停滞。感染がいつ収まるのか分からない先行きの不透明感もあり、各地の地価が軒並み悪化した
「先行きの不透明感」の影響とは、新しい土地を買って、そこに需要を見込んだ利用ができなくなったということです。
日本で一番地価が高い銀座も地価下落
前の年に日本で一番高だった東京の銀座も、過去3年間で上昇を更新していましたが、今年は下落となりました。
1平方メートルあたり4100万円と全国の最高価格だった東京・銀座2丁目の明治屋銀座ビル周辺は、外国人客の激減で売り上げが減り、地価も前年の3・1%上昇から5・1%下落に転じた。
東京五輪延期の影響も
そして、開催を見越していた東京五輪の延期の影響も大きかったようです。
浅草は半年で11.1%下落しました。
浅草では、東京五輪・パラリンピックに間に合わせ、ここ数年でホテル建設が進んだ。だが、外国人客が激減し、閉館や開業延期を余儀なくされたホテルが相次いだ。駅近くの商業地の基準地価は1平方メートルあたり160万円。コロナの影響がほぼなかった1月時点の公示地価と比べると、半年で11・1%下落した。1月時点の地価は半年前より15・4%の上昇だった。
以上、2020年の基準地価の下落についてお知らせしました。