積水ハウス不動産のサブリース契約の建物をめぐる不正が明らかになりました。
行ってもいないリフォーム工事を請求したとのことですが、どのような内容だったのでしょうか。
各紙の報道を元にまとめます。
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積水ハウス不動産で架空のリフォーム工事
積水ハウスの子会社で、名古屋市にある積水ハウス不動産中部で、サブリース契約のオーナーに対しての不正な請求がスクープされました。
伝えたのは、ユースクと呼ばれる中日新聞の取材班です。
中日新聞に対して「不正な工事が行われている」という情報が伝えられたのが元で発覚しました。
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積水ハウス不動産中部の長野県のアパート
名古屋市にある積水ハウス不動産中部と契約をしていたのは、長野県の80代女性のアパートオーナーです。
このオーナーは、積水ハウス不動産中部(以下積水ハウス不動産)とサブリース契約でアパート経営をしており、工事の対象となったのは、2棟のアパートです。
築何年のアパートになるのかは不明ですが、管理を行っていた、積水ハウス不動産が、リフォームを行ったとして、アパートオーナーに工事代金の請求を行ったことが問題となりました。
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積水ハウス不動産のオーナーの被害総額は
その場合の請求額は、中日新聞は少なくとも250万円と述べています。
ただし、工事はそれだけにとどまらず、発注された工事代金の総額は、約1300万円分。
産経新聞によると
改築工事の注文書の署名を勝手に代筆し計約1300万円分を発注、オーナーから代金を受け取っていたhttps://www.sankei.com/affairs/news/210218/afr2102180009-n1.html
ということなので、被害額はそれよりも大きなものとなりそうです。
NHKのニュースでは、損害額は1600万円とも報じています。
オーナーの80代の女性に必要のない支出をさせ、少なくとも1600万円余りに上る損害を与えていた疑いがあることが分かりました。
会社の調査では、このうち偽造された領収書が250万円分確認されていますが、工事は行われておらず、所長がその分の現金を不正に受け取っていたということです。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210218/k10012873211000.html
そして、さらに、これまでに行った工事と合わせると、”約2600万円の改築工事”とも記されているのですが、いくらアパートとはいえ、あまりにも高額なリフォームの金額です。いったいどういうことだったのでしょうか。
行われていないアパート改修工事
まず、今回調査対象になった、直近の1300万円分の工事は、実際には行われていませんでした。
その際の不正の手口は、積水ハウス不動産側が、女性の署名を偽造して、女性の名前で工事を発注。
オーナー女性からは、代金のみを受け取り、収入印紙がないままの領収書を複数渡していたということです。
積水不動産の諏訪賃貸営業所長が不正関与
そのような不正を行ったのは誰かというと、諏訪賃貸営業所(同県諏訪市)所長だった40代男性の名前が記されており、積水ハウス側では、その所長が一連の不正を行ったとのことです。
所長の名前は公表されておりませんが、本人は「(オーナーから)頼まれた」工事だと主張しているということです。
この元社員は別部署に異動していましたが、懲戒解雇となりました。
アパートのリフォームは必要だったのか
アパートオーナーは、これまでも工事を実際に行ったこともあり、それらを含めると、計約2600万円の改築工事となるということで、今となって、それが本当に必要なリフォーム工事だったのかどうかも疑わしいものとなってきています。
それを含めて、架空工事の件数はさらに増える可能性もあるとのことです。
また、記事内では触れられていませんが、同じ元写真が他に管理していたアパートに対してはどうだったのか。
積水ハウス側では、被害の全容把握を進めているということですが、この女性オーナーだけではなく、他のアパートオーナーにも不安が広がりそうです。