スルガ銀行が債務者の自宅を競売にかけたというニュース、ADRの交渉を行っていた債務者の物件が次々に競売にかけられているというのですが、シェアハウス投資のように全額免除とならない理由を東洋経済が報じています。
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スルガ銀が債務者の自宅を競売に
スルガ銀行からアパートマンション投資の際に融資を受けた債務者男性の自宅が、ローン返済に行き詰まり、競売にかけられたというニュースが東洋経済で報じられました。
通称アパマンローン、社会問題となったシェアハウス投資とは別に、スルガ銀行が融資をしたのが、中古アパートとマンション投資の案件です。
スルガ銀行アパートマンション投資にも”被害者”
これらは、シェアハウスとは別に扱われており、「カボチャの馬車」のシェアハウスを購入した人は、ローンが全額免除となったのに対し、それまでと変わらず返済が求められていました。
かぼちゃの馬車の問題は大きく取り上げられましたが、アパマン投資は、不正の条件が変わらないにもかかわらず、返済の便宜からは取り残されていたのです。
自宅のローン延滞で競売に
自宅が競売に掛けられたというのは、どのような人なのか年代や職業は明らかになっていませんが、購入した物件ではなく、現在住んでいる物件だそうです。
つまり、投資のために購入した物件と、自宅の債務と、2重のローンを抱えており、融資額は約3億6000万円、そのどちらも支払いが滞っていたのが原因のようです。
被害者弁護団の弁護士は、投資分はもちろん、自宅についても、延滞は解消するので、自宅は競売から外してもらいたいということをスルガ銀に申し入れましたが、スルガ銀行の回答は
「期限の利益を喪失したものについては一括で返済してもらうほかない」
というものだったと報じられています。
ADR交渉をしていた債務者たち
競売というところに追い詰められた被害者たちは、河合弁護団とは別の弁護士を通してスルガ銀行とADR交渉をしていた債務者62人で、現在の被害者弁護団とは、別にADR交渉を進めていた人たちです。
ADRで代物返済を求めていたと思われますが、その交渉が昨年10月、不調停に終わることとなりました。
その際、スルガ銀行が62人の保有する物件を順次、12月後半から競売に申し立て始めたといいます。
現在これらの債務者たちも、河合弁護士の弁護団に依頼していますが、弁護士を切り替えるその間のことだったということです。
スルガ銀 被害者を”狙い撃ち”?
河合弁護士の弁護団によると
弁護団は「前の弁護士の手を離れ当弁護団に合流するまでの、わずか2カ月間の間にスルガ銀行は債権回収に動いた。狙い撃ちされた債務者たちは狼狽している」と憤る。
多くは、投資物件そのものが差し押さえになり、シェアハウスには全額免除の”英断”を下したスルガ銀行も、アパマン投資には、厳しい姿勢を貫く構えです。
ただし、債務者たちは、一方がチャラになり、自分たちだけが取り立てを食らっているというのは納得がいかないので、交渉が続いているのです。
シェアハウスとアパマン投資の不正内容の違い
そもそも、シェアハウス投資とアパマン投資では、スルガ銀行の不正の内容に大きな違いはあったのでしょうか。
販売会社による賃料保証が破綻、調べてみると、預金残高の書類が書き換えられていたというのは、シェアハウス投資の不正とほぼ同様といえます。
しかも、契約の際は、販売会社の担当者に同行したスルガ銀行の担当者2人が自宅に来て、自宅で契約になったというのですから、結託があったことが十分推測できます。
ただし、スルガ銀行側はこれらに対し
「シェアハウスローンとアパマンローンの不正融資は質を異にしているため、同じスキームでの解決策は受け入れられない」
としており、それが、今回の対立を長引かせている原因となっています。
スルガ銀が強硬姿勢の理由は
スルガ銀行が、シェアハウス投資には寛容で、アパマン投資には厳しい姿勢を続けている背景には、アパマン投資の融資額の大きさにあります。
アパマン投資はシェアハウス投資の4倍、債権額にしては、約5200億円に及びます。
これを全部、弁護団の言うように物件を引き取ってもらう形で借金を帳消しにする「代物弁済」で処理しようとすれば、銀行自身にとってもかなり苦しいこととなりそうです。
自宅や物件が差し押さえになり、投資社の負担が大きいこと、さらにスルガ銀行が時効を主張する可能性があるおそれから、弁護団は2月4日、東京地裁に調停を申し立て、今後も交渉が続くこととなりそうです。
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