湯沢町のリゾートマンションが再び注目を浴びています。
コロナによるリモートワークの普及などの生活の変化で、移住を考える人が多くなったと伝えられているためです。
NHK放送の「シブ5時」の放送内容からまとめます。
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湯沢町のリゾートマンションに移住者
バブル期に建てられたリゾートマンション57棟が、今もそのまま残る湯沢町、これまでは”負動産”の象徴として何度か取り上げられてきましたが、コロナ下の今、新たな形での活用が注目されています。
湯沢町のリゾートマンションとは
湯沢町というのは、新潟県南魚沼郡湯沢町のことです。
日本アルプスのリゾートタウンで、多数の温泉とスキー場がある町として知られています。
新潟県に上越新幹線が開通したのは、1982年11月15日のこと。
その頃に相次いでリゾートマンションが建設されました。
越後湯沢のリゾートマンションに移住者
しかし、バブルの破綻と共に、その多くが、入居者がいないまま、価格が暴落、空き室ばかりのマンションが残されたままとなっていました。
これまでも湯沢町のマンションが低価格で売り出されているというニュースは、繰り返し伝わってきています。
しかし、今回は、そのようないわゆる負動産の話ではありません。そのリゾートマンションを利用した町おこしをしようという、そのようを伝えるのが、今回のテレビ番組の内容でした。
そのきっかけは、なんと今世界中を騒がせている、新型コロナ。
コロナ禍におけるリモートワークで、地方移住への関心が高まっているためです。
リモートワークで移住に関心が
昨年、6月の内閣府の調査では、リモートワーク経験者の4人に1人が地方移住に関心があると回答しました。
また、テレワーク経験者の3人に2人は「仕事より生活を重視したい」と意識を変化させていることも、調査で明らかになった点です。
これらの動向を受けて、 人口減少が著しい地域では 移住者を呼び込もうとする自治体も現れました。
今回テレビで紹介された新潟県湯沢町もそのひとつです。
湯沢町に移住した人の様子は
シブ5時では、実際に湯沢町に移住された方の様子が放送されました。
今回テレビでインタビューを受けたのは、IT企業に勤務するAさん。
湯沢町の築30年のかつてのリゾートマンションに、去年11月、新型コロナでのリモートワークを機に、首都圏からの移住を決意されたといいます。
湯沢町に購入したマンション価格
マンションの価格は50万円、管理費と積立金は併せて月2万円だそうです。
1LDKですが、共有部分の設備はリゾートマンションだけあって、サウナ付きの大浴場があります。
移住を決めたAさんは、やはり金額に引かれたようで
「50万円なので不都合があるのかと思ったら、汚くもないし住めるなという感覚。首都圏内で買ったらとても今の金額では買えない」
と話しています。
もちろん、最大の理由はこの部屋でリモートワークができるということが一番の理由でしょう。
湯沢町のリゾートマンションは10万円から
アットホームで見てみると、最安のマンションは10万円からあります。
他にも、ジム付き、プール付きの物件で380万円、4LDKで440万円と格安の物件が揃っています。
とにかく、リゾートマンションですので、普通のマンションとは違って、見た目も豪華なことは言うまでもありません。
現在は、問い合わせが2倍に増加、価格も需要が多くなるにつれて、上昇の動きを見せています。
移住された方の感想
今まではせわしなく暮らしていたが、ここに来て、そうではないことに気が付いた。水の音に癒される。
湯沢町では、家族向けの移住施設も提供していくといいます。
「リゾートマンションは強み」湯沢町役場
移住者を増やし、街を活性化するうえで、「リゾートマンションは大きな強み」と町役場の職員は話します。
人口8千人、 町民全体の2割がリゾートマンションに住む移住者です。
移住者への公的援助を充実させる湯沢町
湯沢町役場では、移住を促進、無料で最長1か月滞在できるという移住の体験プログラムも実施中です。
移住した人が通えるような、保育園から中学校まで、効率の一貫校もあり、さらには、東京までの新幹線の通勤定期代を10年間月5万円補助するとのことです。
移住希望者と地元企業とのマッチングまで、至れり尽くせりの施策が考えられている印象でした。
空き室となっている保育園にサテライトオフィス
他に、空き家となっている2階建ての保育園のビルには、サテライトオフィスとして、企業の誘致も進んでいます。
賃料は年間31万円台。準備のための費用も最大200万円を提供するということです。
IT企業の管理者は、湯沢町で雇用を募集するという考えを話しており、単なる移住というよりは、雇用を生み出す企業を迎えての本格的な町起こしともなりそうです。
長嶋修さんのコメント
最後に、不動産コンサルタント長嶋修さんのコメントが紹介されました。
長嶋さんは、全国的にリゾート型住宅の需要が高まっていると報告した上で、移住者が購入するときのの注意ポイントとして、以下の2つをあげています。
・大規模修繕の計画
・修繕費用の積み立て
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大規模修繕と修繕積立金
マンションは、建設当初から大規模修繕の計画が組み込まれています。
周期的に外壁の塗装など、それまでの積立金から15年前後の周期で修繕が行われるのが通例です。
それらの計画ができているかどうか、そしてその前提で、その費用をねん出する修繕費用の積み立てが行われているかどうかということのチェックが必要です。
積み立てが行われていなければ、修繕はできず、そうなると、一括して費用負担をするか、それができなければ、マンションは廃墟化するばかりになってしまいます。
購入前に、上記の2つを必ず確認してくださいとのことでした。
終りに
湯沢町はこれまでも何度もマスコミに取り上げられてきました。今回のような希望の持てる施策が工夫されるのはたいへん好ましいことです。
とはいえ、築年の古いマンションの問題点は、東京都内にも起こることで、それは地方都市においても変わることはありません。
全部のマンションを活性化させようというのは難しいと思われますが、比較的築年の新しいマンションに集中して移住者が済み、管理組合に皆で協力し、資金を出し合って、マンションを維持していこうという試みが行われるのが望ましいです。
成功すればこれからの地域活性化と移住のモデルケースとなる可能性もあります。
バブル期の負の遺産を、できるだけ活用する方向で湯沢町にはこれから頑張っていってほしいと思います。