タワーマンションに住んでいて、地震や停電、火災が起きた万一の場合は、どうなるのでしょうか。
東日本大震災や、西日本豪雨の被害が伝えられており、家の購入時に災害リスクへの注目が高まっています。
高さのあるマンションならの場合はおおむね浸水の心配はありませんが、高さのあるタワーマンションならではの災害時のリスクとしてはどんなことが起きると考えられるのでしょうか。
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タワーマンションの地盤はだいじょうぶか
タワーマンションの場合、地盤が軟弱であるとされているのは、東京都のウォーターフロントと言われる地域に建てられたタワマンです。
首都圏では、東京
地震の揺れ幅が大きいタワーマンション
東日本大震災では、建物が崩れなくても高層階は揺れ幅が大きいことが報告されました。
建物それ自体は壊れなくても、揺れが大きく、長く続くために、家の中にある家具は倒れて散乱することが考えられます。
東日本大震災の際は、マンションの8階に住んでいた知人は、食器棚の中のものが全部外に堕ちてしまったそうで、そうなるとその部屋は歩行ができなくなります。
余震が続くことで「地震酔い」も
また、余震が続く場合は、揺れがなかなかおさまらず、居住者に「地震酔い」といわれるめまいに似た状態が続くことになります。
簡単そうに思えますが、病気の症状と同じで、敏感な人にとってはかなり不快な状態で、生活が困難になります。
人によっては、揺れが収まるまでの居住は難しいかもしれません。
余震は、長ければ数か月は続きそうです。
タワーマンションに停電が起きたら影響は?
地震に伴って必ずと言っていいほど起きるのが、停電です。
タワーマンションで地震のあとで停電が起きた場合に最も困るのが、エレベーターが使えなくなるということです。
そして停電となれば、同時に水道も電気で水をくみ上げることができないため、断水が起こります。
これは東日本大震災では、戸建てを含めて広いエリアで起こったことです。人々は容器をもって給水車に並び、それを自宅まで運ぶということになりました。
タワマンの場合なら、階段は使えても、たとえば食料や水を70階にある住まいまで運ぼうというのは、まず難しいでしょう。
電力の復旧まで1週間
『高層難民』の著者で、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は次のように言います。
東京都の被害想定では、電力の復旧まで1週間とされています。当然、エレベーターも動かない。地震発生直後の、行政の水や食料の配給はすべて地上で行なわれるわけです。高層の住人に物資を届けることはない。そうすると住人は自ら1階におりなければならないが、地上で配給を受け取り、また階段で高層まで上がるというのは現実的に無理でしょう。
タワマンの難民は10万人とも
そういう状況下で高層マンションに住む人は行き場を失い、その数は10万人になると推測されています。
避難所の配備が追いつく数でもないため、各自が自力で避難場所を確保しなければなりません。
大災害は何よりも火災
実は、その際の最も規模が大きい災害として心配されるものが火災です。
内閣府の中央防災会議が平成17年に発表した「首都直下地震対策専門調査会報告」では、想定される死者数が1万1千人とされていますが、そのうち、6200人が火災によると予想されています。
もし、高層階で火災が起きたとしたら、消防車は水をかけることはできませんし、電気がなく断水が発生したら、そこで水を使うこともできなくなります。
エレベーターなしでの救助は困難
また、災害時には同じような火災が一斉に起こりますので、救助の手は足りるのか。
そもそもエレベータが動かないところでは、火災に限らず、怪我であっても、救助が極めて難しいことが予想されます。
まとめ
災害の起きやすいところは、前に書いたように、ハザードマップで確認はできます。
しかし、タワマンという特殊な住居の場合に起きることは、それとは違いますし、例証もなく、専門家にもまだ把握されていないこともたくさんありそうです。
購入時には、単なる耐震設備の有無に限らず、災害時のチェックをどのように考えるべきかから始めないと、タワマンが安心した住処にはならないかもしれません。
そして、命に直結する災害時のことを第一に考えるならば、平時に住みやすい、住みにくいというだけでなく、タワマンの「価値」は根本から揺らぐものとなるかもしれません。
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