こんにちは。ななみです。
私たち夫婦は住み替え先として印西市を考えているところです。千葉県印西市が制作したPR動画が話題になった一方で、人気とは正反対、印西市の千葉ニュータウンを「住んではいけない町」とする専門家の意見もあります。
いったいどちらの意見を取るべきなのでしょうか。あらためて、印西市の住みやすさ、そこに住む実際のメリットデメリットを調べてみました。
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住みよさランキング1位の印西市
「住みよさランキング」というのは、週刊東洋経済を出版する東洋経済新報社が行っている調査です。
そこで6年連続1位というのですから、人気の高い町であることには間違いありません。
印西市の場所と地図
印西市は千葉県の北西部、東京都心から約40kmの住宅都市です。
人口は現時点で、14万人を超えています。
住み替え先は千葉ニュータウン
そして、印西市の6割が住んでいるというのが、郊外型の大型団地、千葉ニュータウンというところです。
印西市の他の地区は、緑の多いいわゆる田舎ですので、住みやすさを調べるとすると、まずは、この町のデータを見てみましょう。
千葉ニュータウンの最新データ
これから印西市に住み替えを考える際に役立つニュータウンに関するデータを集めてみました。
住まいが割安な町14位
週刊東洋経済の集計で、「新築マンションが割安割高な駅」の集計を見てみると、千葉ニュータウンは、千葉ニュータウン中央の駅名で、14位です。
新築マンションの割合は全体の19.47%と高く、マンション価格は70㎡で、2709万円。賃料は11万円台と、20位までの間を見ても最も安い値段になっています。
ちなみに、この1位は、同じ千葉県の柏市となっています。
新築戸建ての価格は2千万円台から
一方、新築戸建の価格はというと、3千万円以下でも買えそうです。
若い世代に人気なのは、まずはこの価格にありそうです。
「勝てる町ランキング」郊外部門では4位
千葉ニュータウン、駅名では印西牧の原は、郊外では、第4位です。何がいいかというと、地価上昇率がほとんどの町が横ばいなのに比べて、わずかながら0.5%と状粗油傾向を見せています。若い女性が人口比率で11%、また、10年後の人口増加率が32%台とこれも、5位に入ります。
これらの総合で、未来のある町として、4位という結果になっています。
他の、町の長所としては、東京都心から約40kmという利便性。大型商業施設、大学や企業の研究開発機関があり、金融機関のデータセンターがある。年少人口(0~14歳)増減率が全国10位と高い、自然豊かな環境で、子育てにも適していることなどが挙げられます。
千葉ニュータウンの最大の難点は
一方、千葉ニュータウンの最大の難点は、というと、約40kmの距離の東京都心を結ぶ鉄道北総線にあります。
千葉ニュータウンの開発の失敗
実は、千葉ニュータウンは、最初に開発が始まったのが1968年のことでした。当初の計画人口は、現在の人口14万に対し34万人、日本最大のニュータウンになるはずだったのです。
ところが、開発の妨げになることがいろいろ起こったため、当初の計画は遂行しませんでした。日本最大のニュータウンは失敗に終わった、その最大の理由は、都心と千葉ニュータウンを結ぶ唯一の鉄道「北総鉄道」の運賃の高さにあるようです。
開発時の計画内容
1968年の新聞記事をみると、見出しが「計画進千葉ニュータウン 日本一へ着々」というもので、想定できる人口が34万人、日本最大のニュータウンが千葉県印旛村に作られるというものでした。
しかし、その記事のサブタイトルにも「足の確保に難」とあるように、当時から交通は不便であったようです。
北総線は、初乗りは310円、都内までが今も1000円かかるため、この運賃の高さが千葉ニュータウンの発展を妨げた大きな原因とされています。
運賃を下げたくても、何しろ人口が少ないため利用客も少なく、収益が上がらないため、運賃はこれ以上下げられない状況にあるようです。
新幹線開通も断念
当初は印西市に成田新幹線が通る計画でした。北総線ではなく、成田新幹線が通勤のための新幹線として使われる予定だったのです。それが通っていれば、ニュータウンから東京まで20分、新宿まで25分となって、十分通勤の利便性がうたえるものでした。
しかし、建設反対が多く、用地買収が進まなかったと言います。74年に工事が始まりましたが、84年に中止が決まったといいます。
大学も撤退
また、東京電機大学が、千葉ニュータウン内にありましたが、これも撤退。現在はセミナー施設だけが残されるのみとなりました。
撤退の理由は、学生が田舎に行きたくないという理由で、入学者が減ることを大学側がおそれたようです。いわゆる都心回帰という傾向が、学生の場合は顕著なのですね。そのために北千住に本キャンパスを移転ということになったわけですが、その際の学生の数は1200人で、このような撤退が町に与える影響は少なくないと思われます。
まとめ
1960年代の開発当初からの鉄道事情のため、交通の不便を併せ持つことになってしまった印西市の千葉ニュータウン。
その点から、印西市を「住んではいけない町」の筆頭にあげる住宅ジャーナリストも居ます。しかし、ランキングは依然として高いままで変わってはいないのです。
必ずしも東京に通勤するのではなく、周辺においてのみ生活するという場合は当面の不便はないかもしれません。将来性は現在の数値では、低いわけではないということを書き添えておきます。
そもそもが郊外型住宅団地の場合は、どこも多かれ少なかれ衰退すると言っても過言ではありません。どちらの意見を取るかは、実際に足を運んでみて、各家庭が個々の事情で選択するしかないようです。