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レオパレス施工不良アパートで「特別損失434億円」経営不振に?

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賃貸アパート大手「レオパレス21」のアパートに施工不良が見つかり、1万4400人を超える数の入居者が転居を迫られている件で、レオパレスは、それ以前にアパートの全棟を調査すると記者会見で発言しましたが、調査に着手した物件は、総数4万棟のうちのわずか35%に過ぎないとわかりました。

そのため、最終的な費用負担額は見通せておらず、当初は心配ないとされていたレオパレス21の経営が、経営不振に陥るのでは、との心配が出てきています。

また、それに伴って、レオパレスのアパートのオーナーの賃貸経営への影響は言うまでもなく、サブリース業界全体への波及も浮かび上がっています。毎日新聞の報道を元にお伝えします。

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レオパレスアパート調査済みはわずか35%

レオパレス側が法令違反の物件が1324棟あったという調査結果を発表しました。4万棟のうちの、1300棟なのかと思いきや、調査済みであるのは、わずか35%にしか過ぎないということがわかりました。

2月5日放送の「ガイアの夜明け」においては、LPオーナーの会では、会員の所有するアパートは、ほとんど調査がされていないにも関わらず、レオパレス21のホームページでの公表では、98%以上のアパートが「調査済み」とされていたことも報道されていたのです。

レオパレス問題物件一覧は下の記事に

レオパレスの界壁調査の流れ

レオパレスは、2018年5月、屋根裏や天井裏の界壁(かいへき)(各住戸間の仕切り壁)の未設置物件があると公表。

未調査のアパートの全棟調査を行うと約束しましたが、調査は進まず、今月7日、全国のアパート1324棟に施行不良があったことを公表。

その会見の際、レオパレス側が、不備のある個所を補修するとして、入居者に転居を求める意向を明らかにしました。

テレビ番組「ガイアの夜明け」が2月5日に、界壁問題を大きく取り上げたためでした。

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レオパレス社長「工期短縮のため」と説明

レオパレス21の深山英世社長は、施工不良は「コスト削減のためではなく、工期の短縮や現場作業員が使用する材料を誤解していた」と説明しています。

しかし、界壁が未設置の物件は、サブリースの家賃未払いで訴訟に至ったオーナの所有するアパートにすでに見つかっており、それは2011年のことでした。

そのため、レオパレス側の述べる未設置の理由については、疑問な点が多いとみられています。

レオパレス21のアパート施工不良の主な箇所

 

これまでに見つかっている施工不良は、主に界壁の未設置というものです。

それを含めて、現時点で判明しているものは下のようなものとなっています。

・屋根裏の界壁の未設置…火災の際の延焼を防ぐ、遮音等の役目

・部屋の界壁…遮音効果に欠ける部材

・外壁…グラスウールではなくて発泡ウレタン 建築基準に適合しない資材が使われている 

・天井…二重であるべきボードが1枚のみ

レオパレスの特別損失「434億円」で経営状況は?

当初、レオパレスの現在の入居者の転居費用を含めた補修の費用は、それほどでないと言われていました。

なので、当初は経営に差し支えることはないとのことでしたが、ここへきて、それも疑わしくなってきました。

というのは、補修費用だけではなく、入居者の引っ越しやアパートの改修費用は考えられるとしても、補修が行われるまでは、入居者を入れることはできないため、空室になった問題物件の賃料をオーナーに払い続ける必要が出てきたと伝えられています。

それらの総額は、434億円との見積もりで、レオパレスは、その金額を特別損失として計上、8年ぶりの赤字に転落する見込みとなりました。

レオパレスアパート調査残り65%で損失加算の恐れ

レオパレス側は「昨年末時点の現金預金は892億円、自己資本は1069億円で十分な水準」と説明し、財務面で問題はないと主張。

しかし、ただし、残り65%の全棟調査はこのあと6月までかかる見通しで、さらに施工不良が見つかれば、上記の数字の434億円との見積もりが、さらに膨らむ恐れがあります。

アパートオーナー違法物件で損害賠償請求か

サブリース契約の件は、既に集団訴訟となっており、他にも、今回の施工不良の件で、入居者から「違法物件なのに高い家賃を払わされた」として、損害賠償を求められる可能性も出てきました。

何しろ全棟で4万件の物件です。35%で1千件以上の施工不良なら、今後、不備が見つかるアパートの棟数が、数千棟に及ぶことも考えられます。

サブリースと不動産投資全体に影響懸念

スルガ銀行の後の今回の施工不良発覚は、不動産がらみの不祥事続きでもあり、賃貸アパートなど「貸家」の着工数は前年比5.5%減の7年ぶりの減少。

地銀の頼みの綱と言われた、個人向け融資も下降が避けられず、レオパレスだけの問題ではなく、賃貸不動産を巡る関連業種全体が影響を受けることになりそうです。

-レオパレス