カミンカス操ら地面師と呼ばれる詐欺グループが所有者になりすまして、積水ハウスに土地を転売、55億円をだまし取ったという積水ハウス地面師事件、誰もが「あの積水ハウスが」と驚いたものですが、ここへ来て「警察内部に『内通者』」という見出しが見られました。
その週刊現代の記事を元に、これまでの事件の流れを振り返ります。
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「積水ハウスの地面師事件、警察内部で「内通者説」とは?
週刊現代の記事は「積水ハウスの地面師事件、警察内部で「内通者説」が囁かれ始めたワケ」というタイトルのものでした。
しかし、この場合の内通者というのは、「警察内部にいる内通者」という意味ではなく、積水ハウスの関係者の中に、事件の手引きをした者がいるのではないかという推測が、警察内部でささやかれているということです。
地面師詐欺事件これまでの「内通者」説
そもそも、この事件では、元々の内通者というのは、2種類の説がありました。
・社員と知り合いだった不動産業者が地面師グループに参加
・地面師グループは警察から内部情報を得ていた
ひとつずつ記します。
地面師と積水ハウスの社員が知り合いだった
一つは、 地面師グループの一人、生田剛容疑者が、積水ハウスの社員と知り合いであり、そのつながりで、いわゆるコネを持っていたことです。
もっと正確に言うと、積水ハウスの社員と知り合いであった不動産業者である生田容疑者に地面師グループが目をつけて、仲間に引き入れたということであったようです。
もっとも、その積水ハウス側の社員に関しては、土地の情報提供として、話を社内に持ち込んだだけであり、地面師の詐欺ということを知っていたわけではないとされてきました。
むしろネットなどでは、騙された積水ハウスの担当者の心境を案じる声が聞かれたものです。もちろん、大きな案件であり、とても社員一人の決定ではできるものではなく、誰か特定の一人の責任ということではありません。
警察内部に地面師との内通者説
もう一つは、一部の週刊誌が、地面師と警察内部の人物にコネクションを持っており、いわば警察の中に内通者がいたという説です。
連絡役の地面師の中には、携帯電話に、刑事の名前と電話番号を複数控えていたとも言われています。
カミンスカス操容疑者は、 その人物から 何らかの事前の情報を得て、海外逃亡を果たしたとも言われていました。
そういった、事実かどうかは不明なものも含めて、「内通者の可能性」はこれまでも取りざたされてきたものです。
しかし今回取り上げられた「内通者」は、それとは違って新たに沸き起こる疑問によって浮上したものです。
「積水ハウス相手に55億詐欺」の根幹の疑問
その疑問というのは、いくら名うての地面師とは言え、なぜ、積水ハウスほどの大手企業を相手に、これほどまでに大きな詐欺がやすやすと成り立ってしまったのかということです。
これは地面師事件の最初の報道に誰しもが感じたもので、むしろ新しい疑問というよりは、最初の問いに立ち返るものとも言えます。
「なぜ積水ハウスが詐欺に?」新たに浮かぶ5つの疑問
その謎に関する疑問点をあげてみると
・なぜか代金の支払いに普通使われない「預金小切手」が使われていた
・真の所有者が複数回の連絡をしたにも関わらず、「嫌がらせ」として取り上げられなかった
・なりすましの本人確認が本人のみの「確約書」であり、外部の近隣らの確認も省かれた他、郵便物、納税証明書といった書類もなされないままだった
・契約の際の中間業者が、生田容疑者の会社から別会社へ途中で変更されたにも関わらず難なく了承された
・十分な審査の前に、社長の決裁が先になされたので、誰も疑いを差し挟む余地がなかった
簡単に言いますと、大きな取引であったのに、従来なされるべき手続き等がそれまでとは全く違っており、 それがひとつだけではなく、以上のように複数見られるという点がまったく謎であるということなのです。
そして、それらが「異例」であればあるほど、何かの力が内部に働いていた、すなわち発言力を持つ「内通者」のような人物がいたのではないかと推測されるというのが今回の考えです。
積水ハウスの調査委員会が記した「調査報告書」がある
これらの謎は、昨年1月に積水ハウスの調査委員会が記した「調査報告書」を元に浮かび上がってきた疑問です。
事件の核心を握る内部資料であるにも関わらず、 社内調査を目的として作成されたものである」という理由で、これまで公開はなされておりません。
積水ハウスの関係者は「経営陣にとって都合の悪いことが書かれているため全文公開に踏み切れないのではないか」と言っているそうです。
しかし、 このような話が出ているということは、警察の取り調べでは、すでに明らかになっていることもあるのかもしれません。
続きがわかり次第またお伝えしたく思います。