シェアハウス不正融資問題での一部業務停止命令が12日に終了したスルガ銀行、有力な提携先としてりそなホールディングスが注目されていましたが、りそなHDの東和浩社長が、スルガ銀行への支援を否定しました。
他の銀行との交渉の話はどうなったのか、スルガ銀行の提携を巡る動きをお知らせします。
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りそなHD、スルガ銀支援否定
再建を目指すスルガ技巧の提携先として有望であり、交渉が進んでいるとみられていたりそなHDが、今日22日、提携を否定しました。
りそなホールディングスの東和浩社長が22日、不正融資問題で経営状態が悪化しているスルガ銀行(静岡県沼津市)の再建支援を巡り、「いま話ができるのは検討していないということだ」と否定した。堺市で記者団に語った。
スルガ銀はりそなHDと水面下で資本も含めた提携を交渉していたとみられるが、東氏は業務提携を締結する可能性についても「とにかく検討していない」と強調。
りそなHDが有望と見られていたが
これまで、スルガ銀行の特異なビジネスモデルやそのノウハウは、国内リテールビジネスの強化を図るりそなホールディングスのリテールビジネスをさらに多様化させる可能性として、有力な提携先と見られてきました。
しかし、りそなHDの経営陣は、スルガ銀の引き受けには慎重で、「資本を含めた提携は難しい。あくまで業務提携の域にとどまる」(りそなHD関係者)と話していた通りで、今日東社長が、否定を述べるに至りました。
真っ先に提携を断ったゆうちょ銀
スルガ銀行が経営支援をしてくれる提携先を探し始めたのは、昨年9月、第三者委員会の調査報告書が公開されたのちのことです。
打診を受けた金融機関は有力地銀を中心に、かなりの数に上り、ゆうちょ銀行、静岡銀行や横浜銀行などにも話があったようです。
そのうち、ゆうちょ銀行は、これまでスルガ銀行と10年以上に渡って業務提携を行ってきたということなのですが、スルガ銀行との経営統合のメリットがなく、真っ先に断りを入れたようです。
静岡銀行や横浜銀行は?
静岡銀行や横浜銀行は、エリアがかぶる銀行でもあり、店舗統廃合により大胆な経費削減が可能になるため有力候補と見られていました。
しかし、他の金融機関を含めて、スルガ銀行のスポンサーになることにはリスクも伴うため、いずれも早い段階で提携に進むことはありませんでした。
新生銀行は返済で提携困難
実際に名乗りを上げたのが、新生銀行。
スルガ銀行と同じく、個人ローンを柱としているところですが、公的資金をいまだに完済できていないことから、単独での引き受けは難しいとされています。
提携のネックは岡野家との関係
やはりネックになるのが、岡野家やファミリー企業との関係です。
岡野家のファミリー企業がスルガ銀の株式を15%を所有しており、それを買い取らないことには、スルガ銀行と岡野家との支配と資金の流れが継続されてしまうためです。
スルガ銀株5%取得のノジマ
家電のノジマがスルガ銀行の株式を5%取得したと話題になりましたが、関係者によると買収の提案もあったようですが、株の取得を「純投資」というにとどまっており、りそなHD、ノジマとも、今のところスムーズに話が進んでいるとはいいがたいようです。
株主総会も延期
スルガ銀行は、予定していた株主総会を延期。経営陣を刷新のはずが、現取締役で訴訟対象の八木健氏も、まだスルガ銀行内で現職のまま。
そもそもも提携の交渉が進まない状態では、経営再建に向けた具体策が示せず、株主の理解を得られないと判断されたようです。
スルガ銀、預金流出が止まらず
スルガ銀行の預金流出は、年4~9月に6700億円、10~12月も1872億円ととどまらず、金融庁が、水面下で主要な地銀に協力預金するよう働きかけを行ったものの、改善には至っておりません。
預金がこれ以上流出されてしまってからでは、提携の交渉もさらに行き詰まりを見せそうです。
りそなHDとの交渉はなくなり、他との提携も「暗礁に乗り上げた」状態。
スルガ銀行の再建への道のりが遠いことをうかがわせます。