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スルガ銀行5月に新融資再開も岡野家との関係切れず提携交渉難航か

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スマートデイズ社運営のシェアハウス「かぼちゃの馬車」の不正融資問題で、金融庁に一部業務停止命令を下されたスルガ銀行が、4月12日に業務停止命令の期限を迎え、5月中旬には融資を再開すると公表。

自力での再建は難しいとして、提携や支援、売却など様々な話が出ています。その時に問題になるのがやはり、創業家岡野光喜元会長とその関連企業との資本関係です。朝日新聞他の報道時期を元にお伝えします。

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スルガ銀行5月に業務再開

スルガ銀行は昨日、金融庁からの命令で業務を呈していた不動産投資向け融資を、5月中旬に再開すると発表しました。

金融庁からの停止期間は12日で終了したわけですが、再建へ向かってもまだ問題が山積みであると言われています。

未達の業務改善計画

スルガ銀行は、金融庁に命じられて業務改善計画というのを公表しましたが、多くは達成できていません。

それらの課題も、同じく5月中旬の決算発表までに、解決するということで、遅れの理由に、現在4社と言われる提携候補先との交渉を上げています。

つまり、交渉のために業務改善命令の課題が達成できないということなのですが、その項目の中には「脱創業家」ということも含まれています。

そして、逆に、創業家、つまり岡野光喜元会長とそのファミリー企業との関りが断たれた状態でなければ、提携もうまくいくはずがないということなのです。

提携か売却か

また「提携」という言葉で語られてはいるものの、単独での事業継続は困難であり、「解体して事業を切り売りするしかない」(金融関係者)ということで、「売却」と報道しているコラム記事もあります。

現在のところ、名前が挙がっているのは、家電量販店のノジマ、りそなHD、SBIHD、それと早くから名乗りを上げていたのが新生銀行です。

 

岡野家との関係

帝国データバンク横浜支店の内藤修情報部長は

「創業家との関係が解消されないと、スルガのイメージは悪いまま。売却交渉はすんなり進まないだろう」

と話していますが、悪いのはイメージだけではなく、その資本関係の方にありそうです。

岡野家関連企業が15%の株を保有

「創業家との関わり」は具体的には、岡野家のファミリー企業がスルガ銀行の大株主であるということがまず挙げられます。

岡野家の複数のファミリー企業で、15%を保有しているということで、今現在筆頭に上がっている提携先のノジマが5%未満ということですので、割合の差は依然大きなものです。

当初、この株を、ファミリー企業側は売却するとしていたわけですが、今はまだ保有されている状態のようです。

岡野家ファミリー企業への融資488億の行方

もう一つは、岡野光喜元会長含め、ファミリー企業に流れたお金についてです。

これまでの報道では、岡野会長個人へ69億円、岡野家関連企業への融資額が488億円が、融資または美術館事業の「寄付」などとして流れていました。

一時は1200億円で金融庁からクレームが入って次からは抑えられたというくらいで、それまでは無制限の状態であったようで、トータルではいくらになるのかも不明です。

上に判明している488億円といっても、その一部でしかないわけですが、それら関連企業への資金は返却されるとのことでしたが、その報告も今のところは出ていません。

そもそも業績が不振であるから、それらのお金がスルガ銀から流れていたわけで、返却が可能かどうかも危ぶまれます。

そして、スルガ銀行頼みの経営であったファミリー企業との金銭的な関係が切れるのかは、今後の提携の条件としても必須のことです。

スルガ銀株の売却と融資分の回収も

スルガ銀は昨年11月末に公表した業務改善計画で「創業家一族企業に株式売却と融資の全額回収を進め、創業家との資本関係を解消する」としていました。

しかし、昨日12日の一部業務停止命令の解除を受けた適時開示でも、「解消に向けて取り組む」ということで、資金の返却も株売却もいずれもなされていません。

これからも関連企業に資金を調達し、それら企業が大株主であるままの提携や売却などはありえないでしょう。

全融資の調査も5月に公表予定

スルガ銀行は、5月中旬までの決算発表までに、これらの業務改善計画で提示したことを解消させるとも表明。

これまでの融資約3万8千件すべてに、改ざんなどの不正がないかも調査中であり、その結果も5月中旬に合わせて公表するとしています。新規の融資は、その公表後に少人数の専門チームで再開する方針ということです。

また、2019年に開くとしていた臨時株主総会は、提携先との協議に人事が含まれるとして、見送る予定だそうです。

スルガ銀行の本店のある静岡県内の企業からは地元重視への回帰を期待する声も上がっており、沼津市発祥の銀行としても、期待に応えてほしいところです。

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