スルガ銀行が新生銀行と提携することを15日に発表、スルガ銀の不適切な融資は 1兆円にも上り、預金の減少が9260億円もあることがわかりました。
スルガ銀行の今回の提携公表の意味は、むしろ信用の回復に向けて、提携をアピ―ルすることにあったようです。
毎日新聞の経済プレミア記事よりお伝えします。
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スルガ銀、新生銀行との「資本提携」ではない
スルガ銀行の決算発表、15日の会見では、決算の公表中に報道陣に資料が渡されたが、新生銀行との提携については、「資本提携」の文字は見当たらず、期待されていたの資金面での支援ではないとのことでした。
しかし、渡された資料の最後には
「新生銀行を含めた第三者との間で資本提携を含めたさまざまな将来の選択肢について検討を行う可能性を排除するものではありません」
と書かれており、毎日新聞では、資本提携については協議がこの日までにまとまらなかったと見ています。
ノジマとの業務提携について
もう一つの資料は「ノジマとの業務提携に関する基本合意について」には何と記されていたのかと言うと、ノジマ側が同時に発表した資料には「株式の追加取得についても検討する」と書かれていたことが明らかになっています。
ノジマはすでにスルガ銀行の株式を4.98%保有しており、上の通り、資本提携及び株式の追加取得は、今後もあるということでしょう。
ノジマは「銀行でない」金融庁
神奈川県を地盤とする家電量販店、ノジマはスルガ銀行と営業の地盤が重なり、かねて提携に積極的とされてきました。
乗り気ではあっても、金融庁が銀行ではないことに異を述べたらしい事情が伝わっています。
新生銀行は相乗効果を期待
一方新生銀行は、レイクのカードローンでも知られているように、力を入れて扱っているのは、個人向けの消費者金融や不動産融資であり、個人向けローンを主力としてきたスルガ銀行とも扱う分野は同じです。
そのため提携による相乗効果が期待できるとして、工藤社長が早くからスルガ銀行との提携に名乗りをあげていました。
資力のあるところだったスルガ銀行にとってはよかったが、新生銀行にも負債が3500億円ということで、スルガ銀行との業務提携に起死回生を図りたい考えなのでしょう。
スルガ銀行の預金流出9260億円
スルガ銀行はシェアハウスをめぐる不正融資で信用が失われ、金融庁の行政処分以来、預金の流出がとどまらず、3月末の預金残高は1年前より9260億円減少。
今後も預金流出が続けば経営が立ち行かなくなります。
新生銀行との提携は「信用」面のアピール
スルガ銀行が真っ先に止めたいのはこの預金の流出であり、そのため、当面は新生銀行とノジマとの業務提携で「信用」を補完するのが狙いであるようです。
資本提携の話し合いを続けることで、危機を乗り切る構え、という見方で、逆に言えば資金援助により、立て直しの目処がついたというわけではなさそうです。
「資本提携は排除しない」
有国社長のコメントがあってしかるべき提携の発表であったわけですが、有国社長は、新生銀行とノジマ、二つの業務提携資料について説明は加えず、決算と提携発表の他、その日はデート商法の提訴に関して謝罪を述べるのみに終わりました。
「新生銀行とノジマと業務提携」という以外、有国社長から言葉を発することはなく、報道陣は仕方なく「資本提携の検討はしているのか」「信用補完は別に考えるのか」と質問しても、「資本提携は排除しないが、今回はあくまでも業務提携」と答えるのみだったと言います。
岡野家企業保有の株の問題
もう一つ提供に際して以前から言われている問題は、スルガ銀行創業家岡野光喜元会長他、岡野家のファミリー企業が保有する株式の問題ですが、提携先に売却をするという他、スルガ銀行が引き取るという話も出ています。
いずれにしても、提携の発表があったと言え、提携の内容もさながら、交渉はうまくいっていないという印象です。
提携先が見つかった以上、すわ倒産とはならないと思いますが、先行きが見通せない状況に変わりはないようで、今後の動向が注目されます。