東京五輪後の地価はどう推移するのでしょうか。オリンピック開催後は地価は下がるとこれまで言われてきたのですが、基準地価はむしろ上昇。
そしてここへきて、五輪後の地価相場はむしろ上がるという意見も出てきました。
東洋経済誌から内容を要約します。
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東京の地価はどうなる?
これまで言われてきたことは、「オリンピックが終わったら大きく値下がりし、不動産市場は不況になる」ということでした。
しかし、マネーコンサルタント頼藤太希さんは、地価は下がらないと言います。
・不動産価格は下がらず、むしろ上がる
・理由は外国人労働者と旅行客の増加
それがなぜかを解説します。
日本の人口減少はどうなる?
日本全体の人口は、確実に減少します。住宅の数に対して人口が少なくなるので、切実な問題となっているのが、空き家問題です。
東京においても、マンションの空室問題がNHKのクローズアップ現代などで取り上げられました。
おおむね空き室となるのは、高齢化した住民が引っ越したり、亡くなったりすることが多いためと伝えられています。
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賃貸住宅は需要増
一方、古くなった分譲マンションの空室が増えているのは間違いないものの、都心の賃貸住宅の需要は減ってはおりません。
空室については、不動産情報サイト「住まいサーフィン」を運営している沖有人さんも、空室はむしろ減っていると言っており、「空き室が増えた」はデマではないかというのです。
理由は外国人の労働者増
2019年現在、日本の人口は1億2600万人ほどで、46年後の2065年には8700万人程度になるとみられています。
しかし、頼藤さんは東京都の都心の人口は減少しないというのです。
もちろん東京でも高齢化は進みます。それではその分の減ってしまった人口を補っているのは何かというと、日本で暮らす外国人の労働者たちです。
なので、空き室問題も起こるが、賃貸需要は減らないという現象が起きているようです。
要するに、高齢者の住んでいた古いマンションは空室が増えるが、比較的新しい中古や新築、賃貸マンションの需要は減っていないのです。
外国人労働者は過去最多に
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況をみると、2018年末の外国人の労働者数は過去最多の146万人だそうです。
要するに人口が146万人増えたも同じことです。
これからも人手不足のために、企業は積極的に外国人労働者を雇用し続けるとみられており、東京は”人口増”が加速してきました。
そして、この後は東京五輪があることで、更なる変化もあるというのです。
東京五輪が外国人を増やす
日本国内に置ける外国人数の増加を急激に推し進めるのが東京オリンピックだと頼藤さんは推測します。
オリンピックが東京を世界にアピールし、開催後は東京でビジネスをしたいという外国企業や、働きたいという外国人が増えるのです。
オリンピック後も観光客が増加
オリンピックの時には、外国人旅行者が増えることは必須ですが、オリンピックに向けて旅行地としての日本のアピールも盛んにされているので、五輪後も外国人旅行者が増えることが十分予測できます。
訪日外国人旅行者は18年にはは3千万人を突破。2020年には、4000万人に達するペースであり、2030年には6000万人になると言われています。
外国人向け再開発で地価が上昇
そして、日本の地価を押し上げているのは、これらの外国人旅行者だということも、これまでの地価の推移に伴って、必ず公表されてきました。
基準地価2019年は地方は、0.3%上昇しましたが、外国人観光客を迎えようとする町がいずれも再開発を進めるため、不動産の取引が活性化していることが大きな要因です。
基準地価2019年 地方圏の商業地が上昇 28年ぶり0・3%
浅草、ニセコエリア、長野で地価上昇
公示地価については、東京の商業地が 4.7%上昇、これは外国人が泊まるホテルや店舗の再開発が進む浅草がトップ。
浅草は土地バブルとまで言われています。
全国のトップはスキーリゾートで外国人に人気の北海道のニセコエリア、倶知安(くっちゃん)町内の地点で、住宅地(50・0%)、商業地(58・8%)ともに1位の上昇。
長野県松本市で商業地の地価が27年ぶりに上昇したのも、市街地にある松本城を観光する外国人客のために、ホテル建設が進んでいるためだそうです。
[公示地価]地方の住宅地27年ぶり上昇!東京トップは浅草 観光客急増
五輪後に地価は下がるのか疑問に
観光客で地価が上がる、そして、そもそも賃貸住宅の需要は減っていない、さらに、五輪後に来訪者の他にも外国人の労働者の居住が増えるとなれば、果たして五輪後に、地方はともかく東京の地価が下がるでしょうか。
これまではいつも「五輪後に下がる」と聞いてきましたし、それが高騰するマンション価格の先に見える”希望”でもあったわけですが、なんだか一気にあやしくなってきてしまいました。
終りに
地価が下落しないというのは、悪いことではありません。
むしろ、不動産市況が活性化して街が再開発されるということは、その逆で喜ぶべきことに間違いありません。
いずれにしても、訪問者にしても、居住者にしても外国人の増加という要因は、これまで日本にはない新しい現象です。
国内の人口の増減だけでは、容易に判断ができない事態となってきました。住宅の取得と、地価の上下の動向は、それを踏まえて視野を広げた上で注意深く見ていく必要がありそうです。
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