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川崎市の浸水被害の住民説明会 ゲートを閉めなかったことに批判

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川崎市が浸水に関する住民説明会を開いていたことがわかりました。

以前から話題に上がっていた、川の水門を閉じなかったことへの質問が相次いだようです。

川崎市の住民説明会の様子をお知らせします。

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武蔵小杉のタワーマンションが浸水被害

武蔵小杉のタワーマンションが10月12日の台風の大雨の影響で、地下室に浸水、電気系統が水に浸かったり故障したりしたため、停電や断水が起こりました。

高層階に住む住民の方は、停電でエレベーターが使えないとして近隣のホテルに滞在するなどした方も多かったようです。

また武蔵小杉の投資マンションのオーナーは、それによって家賃を返金せざるを得ない事態に陥りました。

川崎市の責任を問う声も

台風の被害が住民の方に大きな出費を強いたことになりますが、一部では川崎市の責任を問う声も聞かれました。

というのは、今回の浸水被害の原因は内水氾濫というものであったからです。

内水氾濫で排水が逆流

多摩川に向かって流れようとしている水が、川の増水によって逆流、町の排水管から多量に水があふれ出たということが大きな原因でした。

それは、川崎市側の適切な対応があれば防げることだったのではないか、という不審の念が残ったのは、逆流を防ぐ適切な措置として、水門のゲートを閉めていればよかったという意見を述べた人がいたからです 。

ゲートを閉じず「あり得ない判断」

意見を掲載したのは東京新聞、述べたのは、「水害列島」の著作がある公益財団法人リバーフロント研究所の土屋信行技術参与です。

川の水位が高いのにゲートを開けていれば、逆流するのは当然。本当に閉じなかったのであれば、あり得ない判断だ。大雨によって住宅地が冠水する恐れがあっても、逆流による洪水を防ぐことを優先すべきだった 公益財団法人リバーフロント研究所の土屋信行技術参与

 

川崎市「判断は難しかった」

川崎市はこれに対し

「水門を閉めれば雨水が多摩川へ排出できず、街中にあふれる可能性もあった。多摩川の水位も刻々と変化し、タイムラグもある。判断は難しかった」

また、

「当時は大雨警報も出ていた。ゲートを閉じれば(市街地に)雨水をためることになっていた」

と説明しました。

閉まらなかったゲート

しかし、この「タイムタグ」部分について、のちに、このゲートは閉めようとしても閉まらなかったことがわかりました。

ゲートを閉め始めてから、閉め終わるまでに12時間がかかり、その間、水は逆流を続けていたというのです。

なお、通常は、このゲートは1分あれば、閉まるということです。もし12時間前に水門が閉ざされていたら、本当に被害は防げていたのでしょうか。 

だったとしたら、とても残念なことです。

ゲートの状態と多摩川の水位状況

12日午前 雨が続いているためゲートを閉めず 川の水位は3.49m
同日午後3時45分 マンホールで逆流を確認  
同日午後10時15分 ゲートの閉門作業を開始したが閉まらず 川の水位は観測史上最高の10.81m
同日午後10時30分 ゲート閉門継続  
13日午前10時50分 ゲートが完全閉門  

このゲートが閉まらなかった要因については、水圧の影響や、漂流物が挟まったなどが考えられるということです。

増水で川の中の状態は見えなかったと市側は話しているということです。

 

川崎市が住民説明会

そして、これらの状況も併せて、川崎市は14日に区別の住民への説明会の機会を設けました。

初回は400人が参加し、2時間にわたって、質疑応答や市側が住民への説明を行いましたが、やはり、水門の件での批判の声が聞かれました。

住民の意見の声

 「明らかに河川水位が上がっているような状況の中で、ゲートを閉めないで開けっ放しでいるというのは、どういうことなんだ」

 

「水門を閉めていたら逆流は防げており、こんなにひどい浸水にはならなかった」

 

「2年前の台風でも浸水があった。対策はしていたのか」

 

 「操作手順が間違っているから、操作手順に従ったことで間違いが起きている。これをまず変えた方がいい」

行政評論家の大原氏

これについて、行政評論家の大原みはる氏は、現代ビジネスのコラムで、次のように書いています。

長い文章なので要旨をまとめると

--水門を閉めなかったことは妥当な判断か

(閉めるべきだったかどうか)この主張のどちらが正しいかを検証することは難しい。実際に採らなかった選択肢について、仮定に基づく結果(仮に水門を閉めていたら浸水しなかったかどうか)を正確に導き出すことなど不可能だからだ。

--被害を最小限に防ぐための事前の備え(インフラ整備)が不十分だったのではないか

川崎市は現地の浸水対策についてはそれなりの対策を打っていて、決して無策だったとも言い切れない。けして怠っていたわけではない。

 

--これまでの具体的な改善として挙げられるのは

今回問題となったタワーマンションエリア(横須賀線新駅付近)に限らず、より多摩川に近い東急線新丸子駅、南武線向河原駅付近を含めて、浸水対策の重点地区に指定し、豪雨時に雨水を一時的に溜める雨水貯留管の整備や下水の流路の改善などの対策を行ってきた。

川崎市への訴訟の可能性は

以上を述べた上、大原さんは、川崎市への訴訟を考える人もいるかもしれないとしながら、何十年に一度の台風被害にどれだけ投資をするべきかを考えても、「川崎市があらかじめ採るべき対策を怠ったとして責任を問うことは難しい。責任の所在を追及したり損害賠償を求めたりするよりも、可能な範囲での対策を考えたほうが建設的」と結論付けています。

訴訟をするかどうかはともかく、なぜ今回のような水害の被害が起きたのかということは、詳細に検証され、今後の対策につなげていくべきでしょう。

さらに、今回被害があった武蔵小杉の11棟のうちの2棟に限ったことではなく、さらに行政側だけではなくて、マンション側でも対策すべきところはないかもできるだけ調べて、武蔵小杉だけではなくて、広く情報を共有していくのがいいと思います。

また、今回の災害の前からも、川崎市の人だけではなく、日本全国の注目を集めている武蔵小杉、災害対策も新たな課題として、再開発とタワーマンションの成功例として後世に残していっていただきたいと願っています。

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