土地売却

なぜ土地を国は引き取らないのか 土地の放棄が無理な理由

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要らない土地を国に返したい、売れない土地を国に引き取ってもらいたいという要望が増えています。

それを受けて、審議会が、所有権の放棄について、検討してくれているかと一時は、思われましたが、実は、そうではなさそうだということもわかってきました。

諸外国の中には、土地を国が引き取るとしているところもあります。

それなのになぜ日本では、要らない土地を国に返すことができないことになっているのでしょうか。

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土地の所有権放棄の流れ

「要らない土地を国に返す」、このような要望があることを世に知らしめたのは、2014年に行われた裁判です。

保有する山林を、自身は放棄をしたい、その際は国が引き取るべきである、とする一市民による国に対する画期的な訴えでした。

裁判の判決は「山林の保有が負担になると考えて国に押し付けようとした、権利の濫用に当たる」というもので、所有権の放棄は認められませんでした。

この訴えを起こした人は、司法書士で、このような判決はある程度分かった上で、実験的な裁判としての問題提起を行ったものと思われます。

2014年のこの裁判を皮切りに、土地の所有権放棄については、どのような経過になったのかを示します。

土地の所有権放棄の審議

その裁判の前後から、地方ばかりか、首都圏でも空き家や空き地が増加、土地を手放したいとする要望が多く聞かれるようになりました。

2019年になってから、政府が土地の所有権放棄を含めて審議を始めるというニュースが入りました。

もっとも、審議の中心的な課題は、所有権の放棄ではなく、所有者不明土地への対策と、そのための相続登記のあり方です。

相続登記をしないで放置された土地が、所有者不明土地を増加させる要因となっていることがわかったからです。

所有者不明土地の厳しい現状

しかし、所有者不明土地は、九州の面積に匹敵するといわれるくらいに、日本全国にあまりにも多くなり過ぎていて、実際のところは、対策とはいっても即、役立つようなものではなく、所有者不明土地を減らすことは到底無理だということも同時にわかりました。

しかし、その審議を通して、土地の所有権についても話し合われた結果、2019年の12月3日には、土地の放棄ができそうな気配になりました。

法律改正の中間試案として、「担保が設定されていないなど一定の要件を満たせば、個人に限って土地の放棄ができるようにする」というように新聞に発表されたからです。

そこで期待を持った人も少なくなかったと思います。

しかし、1月に入って、審議会の委員である京都大学教授の潮見佳男教授は「原則として土地所有権は放棄できない」と説明。

つまり、政府がいろいろ検討しているのは、相続登記の義務化だけであって、放棄ができる土地は極めて部分的なもので、私たちが自由に土地の売り買いをするように、その選択肢に、「土地を国に返す」というようなものは到底ない、というのが現在の見通しなのです。

なぜ土地を国に返せないのかの理由

それでは、土地を国に返すということはどうしてできないのでしょうか。

何か国にとって都合の悪いことがあるのかというと、実は大ありなのです。

土地を国に返すと荒れた土地が増える

皆さんは、荒れ放題になった空き家や空き地を見たことがないでしょうか。

国に土地を返したとして、多くの土地が返却されてしまうと、自治体が管理できない状態になり、町が荒れ放題になる恐れがあります。

町以外でも、山林などは、放っておいてもよさそうに思われがちですが、実はこちらも最低限の管理は必要なのだそうです。

町はともかく、山林などでは、管理をしないと道がふさがって通れなくなってしまうことも度々起きます。

放っておいては、人の住むところにも雑草や木がはびこってしまい、いつしか住めない土地にもなりかねません。

なので、国としては、管理が必要なエリアの土地には、所有者がいないと困るのです。

土地を国が引き取ると税収が減る

次に、固定資産税の問題があります。

例えば、一つの土地から、年10万円の固定資産税が入る場合を考えてみましょう。

もし、土地の放棄が認められ、「うちも放棄したい」と言って、100人が土地を放棄したらそれだけで1000万円が税収から消えてしまいます。

田舎の町や村の自治体ならば、それだけでつぶれかねません。

なので、その土地が使われていようがいまいが、とにかく誰かが底を持っていて、税金がきちんと徴収されるということが、国にとっても、そして、その土地に住んでいる人たちにとっても大切なのです。

税収が減ってしまったところは、自治体の財政破綻と同じく、住民サービスが減ったり、市の施設が閉鎖になったりと、住んでいる人にとっても不都合なことが多く起こります。

住民に新たな負担も

逆に、国の財政事情を考えて、土地を国に返したとしても固定資産税に匹敵する金額を支払い続けるということになったとしたら、皆が喜んで払うかというと、そうはなりません。

今のところは、土地や不動産を持っていない低収入の人は、固定資産税は支払わなくていいので公平です。

しかし、固定資産税の徴収が減ってしまえば、他の方法で自治体が税収を工面する必要があります。極端な話、別な税金、あるいは税金と同じような費用が上がりかねません。

たとえば、あるときまでは必要なかったゴミ袋が、有料になる、つまり、ゴミの回収が有料になってその分の負担が上がったりするのと同じことです。

その場合は、固定資産税を持っている人だけではなく、他の住民にも負担が及ぶことが考えられます。

ならば、資産を持っている人に関しては、とりあえず、自分の持ち物なのだから、自分で管理して税金も払ってくださいというのが、一番穏当な方法であるでしょう。

まとめ

私自身も土地を所有しているときは、とにかく土地を手放したいと思って、土地を手放すことで、もっと広い範囲、地域や自治体、国へも影響が及ぶということには考えが至りませんでした。

私の場合は低価格でも、何とか土地を売却することができましたが、今度は自分の実家以外の配偶者他の不動産が3つ残ることになります。

有料でも国に引き取ってもらえることを期待していましたが、この分ではおそらく無理そうです。引き取ってもらえたとしても、その場合は、固定資産税の前渡しなど、有料の処分となるのも間違いありません。

ならば、放置、という便宜上の放棄の方法も、これまでなら取れたのですが、相続登記が義務化されれば、それはできなくなります。

できることは、土地や空き家はできるだけ、つてをたどって、売却をすることです。

土地が低価格であっても、人口減で売れなくなり、やがて有料の処分となるよりは、ずっと良いのです。

皆様におかれましても、相続予定の土地、または既に所有の土地も、もて余す前に、売却を依頼してみてください。

ネットでは、地方では探すのは難しい買取もあります。空き家やボロ家など、訳あり物件でも対応してくれますので、ぜひ査定に出してみてください。

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