カミンスカス操被告が10日、東京地裁で懲役11年の判決を言い渡されました。
積水ハウスに虚偽の土地取引で、55億円をだまし取った事件の主犯格と言える人物です。
判決はともかく、ここへきてカミンスカス操被告が裁判長に手紙を書き、そのために判決が遅れたという話が伝わっているのですが、本当のことなのでしょうか。
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積水ハウス地面師事件とは
建設大手の積水ハウスに虚偽の土地取引を持ちかけた地面師と言われる詐欺グループが55億円をだまし取った事件は、世間を大きく騒がせました。
人々の関心を大きく引いたのは、地面師という集団の詐欺グループがいるということと、そのやり口です。
報道の当初は、ネットではその奇抜さから、往年の映画『「スティング」を連想するといった意見が多くありました。
また、よく知られた大手である積水ハウスが、55億円もの大金をだまし取られたということも大きな衝撃でした。
地面師事件というのは、不動産関係者にとっては、決して珍しくはない事件ですが、55億という損害額に関しては、これまでにはない規模のものだったといえます。
積水ハウス地面師事件あらまし
カミンスカス被告は今回の事件で何をしたのかというと、発案は別の人物としても、積水ハウスに土地を売った”張本人”といえます。
舞台となったのは、品川区五反田の旅館跡地であり、その所有者は旅館の女将とされる人物です。
カミンスカス被告は、その旅館女将の偽物に成りすました、羽毛田正美被告の土地の売買を手助けする不動産コンサルタントの肩書で、積水ハウスとの契約に同席しました。
そして、契約は進み、55億円の土地代金を受け取ることにまんまと成功させたのでした。
カミンスカス被告「偽物とは知らなかった」
今回の判決のポイントは、カミンスカス被告の弁護側が、地主が偽物とは知らなかったと無罪を主張したのに対し、裁判長が次のように
本物の地主と思っていたとすれば、被告の供述には不自然、不合理な点が多々認められる――守下実裁判長
としてこの訴えを退けました。
また、カミンスカス被告が、「犯行の重要な役割を積極的に果たした」「取引の場で地主役に付き添い、偽物と発覚しないよう手だてを講じた」とも判断。
その上、「事件の中心的存在で、少なくとも1億円の分け前を得た」とも述べたのです。
それらを理由に下された判決が、今回の懲役11年というものでした。
カミンスカス被告が”裁判長に手紙”?
無事に判決が出たというニュースではあったのですが、その一方で信じられないような話が伝わりました。
ところが、カミンスカス被告が、5月の時点で「裁判長に手紙を書いた」という話が出ているのですが、これは本当のことなのでしょうか。
カミンスカス被告が書いたという手紙の内容
この手紙の内容は下のようにヤフーニュースで伝えられています。
「裁判長、私は無実です。私は最後に逮捕され、捕まった時にはすでに他の被疑者が私を主犯格、犯人であるような設定になっていました。私はなりすましの羽毛田さんと一緒にいましたが、羽毛田さんが裁判で証言していることは全くの嘘で、私の知らない話ばかりです。もう一度話をする機会を頂けないでしょうか」--https://news.yahoo.co.jp/articles/39285c13027d0091d8732896ef46447f1804b62c
カミンスカス被告が書いた手紙の内容は上記のようなものだったというのです。
裁判長が判決を先送りに
それを読んだ裁判長は、「裁判長は判決を先送りにして、カミンスカス本人を法廷に呼び、非公開の場で話を聞くことを決めた」そうなのです。
このようなことが本当にあるのかどうかは疑問です。
本当だとするなら、公判を待つ拘置所内に勾留されているすべての容疑者たちは、裁判長に自分の無罪を訴える手紙を書くことができることになって、判決を延長させることが可能になってしまいます。
なんとも疑問な話なのですが、ニュースサイトが上のように述べている以上、本当に起こったことのようなのです。
カミンスカス被告が手紙を書いたとしても、裁判長にどのように手紙を渡したのかなど、その後のことは記されておりませんのでわかりません。
いずれにしても上記のような判決が出たことになるので、仮にそのようなことがあったとしても、カミンスカス容疑者の主張は通らなかったとも言えます。
事件の主犯、内田マイクとカミンスカス被告の判決が出ても、55億円の行方がどこに行ったのか、そしてそもそも詐欺が成り立ったのには、別な背景があるのではないかなど、この期に及んでも依然、疑問が残るばかりの事件なのです。