レオパレスは破産をするのかという懸念が広まっています。
レオパレスが赤字を報告したのは、今回で2期連続となり、それも803億円という巨額の数字を見れば、そう思われるのも致し方ありません。
現在、レオパレスは破産を防ぐための対策を様々行っていますが、主に不動産の売却での資金確保にとどまり、あくまで一時的なものと思われます。
レオパレスの破産の可能性は?
賃貸大手のレオパレス21が、アパートの施工不良が発覚後、全棟調査、改修工事と進んだところで、またしても赤字計上となってしまいました。
さぞ、アパートの改修にお金がかかったのかというと、アパートの改修は、実は1割しか進んでいません。
調査に関してもある程度出費はあったようですが、資金繰りが上手く行かなくなったのは、やはり新規の契約が取れなかったことに一番の理由があります。
それと賃貸事業にシフトをしようとしても、アパートの収益が逆ザヤ、つまり、それ自体が赤字に陥ったことです
それでは、決算の赤字の金額はというと、これが803億円、しかも2期連続の赤字です。
一度赤字になっても次に取り戻せれば、再び経営が軌道に乗りますが、そういう状況ではありません。
このまま、資金に行き詰まれば、アパートの改修は当然進まなくなります。
コロナのためもあって、現在は、改修工事はストップしているわけですが、資金が枯渇すれば、破産するのは目に見えています。
この資金は、レオパレスが順調なときは、アパートの新規契約の売上から、確保できていました。ところが施工不良の報道後に、レオパレスは、そのブランド価値を落としてしまい、イメージが悪くなったため、レオパレスでアパートを建てたい人もいなくなってしまった。
そのため、資金が枯渇した状態です。もちろん、資金なしでは業務そのものが成り立ちませんので、このままではレオパレスは破産する可能性が出てきたといえます。
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これまでのレオパレスの問題です。
レオパレスの破産を免れる対策
なそこで破産の前に、なんとか資金を確保して、業務が継続できるようにしなければいけないわけですが、レオパレスがそのためにしたことは次のようなことです。
・手持ちの不動産の売却
・1000人の希望退職で社員を減らす
・アパートの回収を延期
・レオパレス店舗や事務所のかずを減らす
このうち大きなものは、やはり不動産の売却です。
レオパレスは、今回ホテルやマンション18棟の物件を売却することを発表しました。
レオパレスが資産を売却することが報道されたのは、前回のホテルの売却に続いて2度目になります。
レオパレスがホテル売却のニュース
レオパレスの売却のニュースは以下の通り
レオパレスが売却したホテル
2019年の10月4日に売却が伝えられたもの
不動産の名称
ホテルレオパレス札幌、ホテルレオパレス仙台、ホテルレオパレス博多。
10月末までに手続きが完了、譲渡先は公表してません。
他に賃貸住宅など計15棟
売却益
ホテルが52億円、賃貸住宅が25億円ということだそうです。
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2020年の8月に売却予定となったもの
直近の売却の内容は以下の通り
不動産の名称
名古屋市にある「ホテルレオパレス名古屋」
賃貸マンション「レオパレス博多」
レオパレスRXの東京、愛知、京都、山口、福岡など18物件
売却益
売却価格は36億6,100万円、売却先は非公開
2つ目の売却益は最初のものに比べると小さいですが、これによって、レオパレスは36億3,400万円の減損損失を計上する見通しだということです。
レオパレスその他の破産対策
レオパレスの2020年3月期の連結最終損益は、803億円の赤字とされています。
これまでの施策としては、従業員の1000人削減を行っています。
また、オーナーへの経費打ち切りも報じられましたが、これについては詳しいことは伝わっておりません。
いずれにしても大変苦しい状況であることは間違いありません。
7月22日には株主総会が行われ、その席では株主への謝罪と共に、アパートの補修が遅れることも伝えられました。
オーナーの中には、改修を優先しろとの声もあったようですが、レオパレスの会社自体が存続できるかの瀬戸際であり、理解を示すオーナーもいました。
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レオパレス業績悪化の理由まとめ
なぜ、ここまで業績が悪化してしまったのかというと、元々の発端である、施工不良の発覚後に、アパートの新規契約が取れないということが一番大きな問題です。
やはり、新しくアパートを建てるということに勝る収益はありません。
次の問題は、言わずと知れたコロナの影響です。
他の企業の多くも収益が減ったとしても不思議ではありませんが、レオパレスの場合は、意外なことに、コロナで外国人が日本に滞在できない、そのため、外国人の入居者が減少したことによる減収があります。
アパーとの新規契約が取れずとも、賃貸事業を主力にしようとしていたところで、頼みの入居者が減り、再び8割を割る逆ザヤとなる現象が起きています。
8割を割るということは、アパートの賃料収入はあっても、経営は赤字だということで、第二波と言われる、現在の日本のコロナ事情が改善するのはもちろんのこと、外国のコロナの流行もピークを過ぎて出国が自由にできるということにならなければ、賃貸アパートの入居者の増加はのぞめないということになります。
そのため、アパートの改修費用、報道の度に、これがたいへんだと言われてきましたが、支払えないとなれば、改修もできず、施工不良のあるアパートは空き家のままとなり、悪循環が改善されません。
赤字が赤字のままになってしまいますので、物件を売却してでも乗り切らないといけないということになるのでしょう。
いずれにしても、資金確保ができている間は破産にはなりません。しかし、売却益を得られる資産には限りがあります。
これらの対策はやはり一時的なものです。最終的に破産を免れるのには、スポンサーを得ての資本提携が必須とされています。
アパートオーナーのできる対策は
レオパレスは業績が良好であったときも、収益性の低いサブリースのアパートに関しては、家賃減額を行ってきました。業績が悪くなれば、減額を受けるアパートも増加すると言われています。
アパートの賃料が下がったら、管理会社の変更も考えましょう。