武蔵小杉のある川崎市の住民が、これまでにも、浸水について検証を重ねてきましたが、川崎市を提訴することとなりました。
求める賠償金額は、慰謝料と住宅の修繕費用などあわせて2億6900万円余りということです。
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武蔵小杉浸水で川崎市を提訴
2018年の台風被害に関して、川崎市の住民が、川崎市を相手に浸水被害の賠償を求める訴えを起こしました。
台風直後から、武蔵小杉周辺の川崎市が広範囲に浸水、タワーマンションの被害が取り上げられたのは、記憶に新しいところです。
訴えを起こしたのは、川崎市内の被害が起きたエリアの住民など70人余り、求める賠償金額は、慰謝料と住宅の修繕費用などあわせて2億6900万円余りだということです。
武蔵小杉の浸水は「人災」か
台風被害でなぜ市が訴えられるのかというと、川崎市が多摩川に通じる排水管の水門を閉じなかったことで大規模な浸水被害を招いたというのが、市民側の訴えの内容です。
台風それ自体は自然災害ですが、浸水は「人災」であるという意見がこれまでにも見られました。
「内水氾濫」の浸水は防げたか
というのは、浸水の原因は「内水氾濫」というもの。
つまり、多摩川に向かって流れようとしている水が、川の増水によって逆流、町の排水管から多量に水があふれ出たということが大きな原因でした。
川崎市のゲートの開閉の適切さ
その際、川の増水の加減を見てゲートを適切に閉めるようにしていれば、浸水は起きなかったというのが住民側の主張です。
これについては、専門家側にも「閉めるべきだった」という意見と、仮の結論で責任を問うのは難しいという意見とがあります。
訴訟に至るまでには、住民たちは、まずは要望書を提出しています。
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武蔵小杉住民が川崎市に損害賠償請求の要望書を提出
それに対して川崎市側は、「当時は大雨警報も出ていた。ゲートを閉じれば(市街地に)雨水をためることになっていた」と説明。
ゲート閉門までに12時間の空白
その他にも、ゲートを閉め始めてから、閉め終わるまでに12時間がかかったという検証もあります。
浸水当日12日の「午後10時15分 、川の水位は観測史上最高の10.81m」であったにもかかわらず、ゲートが閉門をしたのは、13日の午前11時近く、「その間にゲートが閉められていれば」と思うのも当然です。
これについて詳しくは下の記事に
川崎市住民代表のコメント
訴えを起こした住民らの代表の川崎晶子さんは
「多摩川は決壊しなかったのに街には水があふれ、多くの人の暮らしがめちゃくちゃになりました。2度と同じことが起きないよう市は謝り、償ってもらいたい」
と述べています。
これに対して、市側は、去年、「水門の操作は手順通り行われていた」と発表。
今後の裁判についても同様にに応じる方向です。
被害を受けた住民の方にとっては、台風と浸水による損害は甚大です。
川崎市と武蔵小杉だけではなく、川沿いの地域においては今後も同じようなことが起きる可能性は十分にあります。
注目を浴びている事例ですので、裁判で詳しく検証を重ねていくのが良いと思われます。
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