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武蔵小杉住民が川崎市に損害賠償請求の要望書を提出

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武蔵小杉住民が要望書を川崎市に提出したというニュースです。

10月の台風19号による浸水被害で、武蔵小杉のタワーマンション11棟のうち2棟が被災、停電や断水が起きた件で、12月5日、武蔵小杉の被災住民が川崎市に、第三者委員会による被害の検証と賠償を求めるとして、まとめたものです。

この後は、裁判となるのでしょうか。また、住民はなぜ、川崎市に賠償を求めたのでしょうか。

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武蔵小杉で起きた浸水被害

 

10月12日、武蔵小杉のある川崎市では、川崎市で台風19号により多摩川の水が排水管から逆流。

多摩川の氾濫はありませんでしたが、内水氾濫と呼ばれる状態が起きました。

つまり、排水管を通って多摩川に流れるべき水が流れなくなり、雨が降り続いたため増水が続き、排水管の出口から溢れたというものです。

中原区他3区、92ヘクタールが浸水

 

川崎市側の発表だと、中原区、高津区、多摩区の計約92ヘクタールが浸水。

住宅約2500戸で半壊や床上浸水となりました。

武蔵小杉のタワーマンションで停電

タワーマンションの被害については、かねてから伝えられている通り、浸水で地価の電気設備が損傷。

停電に断水、それによってトイレやエレベーターが使えない被害となり、住民の中には外にホテルに部屋を取り、やむなく滞在する人も多数おられました。

武蔵小杉の資産価値の低下

また、そのような実質的な被害の他にも、武蔵小杉の資産価値の低下を心配する声も聞かれ、一部ではマンションの売買価格が下がるといわれています。

一時的にはともかく、家を売りたい人にとっては心配になるところです。

自然災害か人災か

これらの事態を引き起こしたものは自然災害、つまり、雨量の増加による街中の冠水と、それによるマンションへの浸水だと思われていました。

ところが、その際に川崎滋賀、多摩川に流れ込むはずのゲートを閉めなかったことが明らかになり、自然災害ではなく”人災”ではなかったかという声が出始めました。

これについては、公益財団法人リバーフロント研究所の土屋信行技術参与という方が、下のようにコメント

川の水位が高いのにゲートを開けていれば、逆流するのは当然。本当に閉じなかったのであれば、あり得ない判断だ。大雨によって住宅地が冠水する恐れがあっても、逆流による洪水を防ぐことを優先すべきだった

と批判を述べる人が出ました。

それを読んで疑問に思った人も少なくなかったに違いありません。

川崎市は「判断は難しかった」

一方、川崎市は、住民の問いについて

川崎市はこれに対し

「水門を閉めれば雨水が多摩川へ排出できず、街中にあふれる可能性もあった。多摩川の水位も刻々と変化し、タイムラグもある。判断は難しかった」

「当時は大雨警報も出ていた。ゲートを閉じれば(市街地に)雨水をためることになっていた」

と説明しました。

また、このような災害時には、市が作成した「操作手順書」というものがあり、「操作手順書に従いゲートを閉めなかった」ということも明らかになっています。

川崎市は、その後も住民向けの説明会を開くなどして、このゲートの対応への理解を求めていました。

住民説明会の内容は下の記事に

ゲート閉めなかったのは市の過失

しかし、被災した住民たちは、これを市側の「過失」であるとして意見が一致。

5日に、第三者委員会による検証と賠償を求める要望書を福田紀彦市長宛てに提出したというのgあ今回の報道です。

中原区の住民が記者会見

中原区で理事長を務める協同組合の事務所が浸水した柳沢芳信さん(62)は市役所で記者会見して次のように

「なるべく訴訟は起こしたくないが、市の対応を見極める。まずは非を認めてほしい」

ただし、この場合の非を認めろというのは、川崎市が損害賠償に応じることになります。

被害に遭った全体が2500戸ですので、その一部だとしても、大変な数と金額の賠償額となってしまいます。

川崎市へ損害賠償請求の裁判に?

現在は、住民が要望を提出して、それに対する市側の回答を待っているところであるわけですが、今後はどうなるのでしょうか。

榊淳さんは今回の事態について

武蔵小杉の浸水問題について当初から発言を続けている住宅ジャーナリストの榊淳さんは

「川崎市側は非を認めれば、すべての被害を補償しなくてはならなくなる。最終的には訴訟になるでしょう」

と、訴訟になるとの見通しを述べています。

武蔵小杉の被災タワーマンションの責任は

さらに榊さんは、そのうちの今回被害に遭ったマンションについては

「被災したタワマンの1棟は、いまだに完全復旧しておらず、保険でも全額をカバーしきれない。今回、住民側の動きが興味深いのは、責任をどこにもっていくか。デベロッパーが悪いとなれば構造に欠陥があったとなるが、市が悪いとなれば資産価値の下落にも歯止めがかかる」

と指摘、というより、住民側の考えを代弁して述べています。

要するに、デベロッパーが悪いということになって、企業イメージに傷がつくとなると、それは同時にマンションの悪い点を広く公表するような事態となってしまいます。

なので、マンションそれ自体とは関係のないところを訴えた方が、資産価値アップにつながるだろうというの言うのが、榊さんの見方なのですが、今回の被災住民は、マンションの住民の方ばかりではありません。

タワーマンションの場合は、住まいであるマンションの部屋それ自体は無傷ですので、それに比べれば、全体としての被害は、戸建ての被害の方が切実です。

被害としては、まず住宅の損壊の方がはるかに大きく、被害額もそれに準じたものとなるのでしょう。

川崎市が、この要望について今後どのように回答するのか、引き続きの報道を待ちたいと思います。

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