レオパレスが4年ぶりに黒字を確保したというニュースが入ったのが11月。
ただし、今後9割を超える入居率との予想も、コロナの外国人の入居制限で、再び危うい見通しとなっています。
レオパレス直近の最新情報について、決算説明会の内容からお伝えします。
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レオパレス 4年ぶりの最終黒字
レオパレス21のニュースが入ったのが11月12日のこと、21年9月中間連結決算の報告でした。
それによると、前年同期は175億円の赤字だったのに対して、最終利益が6億円の黒字となり、施工不良前から数えて4年ぶりの黒字となったのです。
レオパレスアパートの入居率が約81%に
黒字の要因は、施工不良以来落ち込んでいた入居率の回復です。
4~9月の平均入居率が約81%と、逆ザヤの分岐点となる、8割を上回ったことで、収益がアップ。
しかし、これで、レオパレスも安泰かというとそうではありません。
宮尾文也社長の説明だと、その部分は
経常利益につきましては、マイナス 13 億円となりましたが、これは主に、話がありました新株予約権の借入金の支払利息 22 億円を引きましたもので、それに補修工事の関連損失引当金の戻入れが 33 億円あり、これを特別利益に計上したことで、最終純利益ではプラス 6 億円の黒字化となりました。―https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2022/2Q/kessan_faq.pdf
この黒字に関しても特別利益の計上での上方修正の結果であり、何とか黒字の確保にこぎつけたという印象です。
レオパレスの債務超過は変わらない
年間の純損益予想はというと依然として、15億円の赤字という数字です。
そのため、今期末は27億円の債務超過になるという点では、会社の危機を脱したとは言えません。
フォートレスの支援を受けて、前回の債務超過は脱しましたが、問題は、上場廃止となる期限が、23年3月期末という点にあります。
レオパレスの入居率の予想
入居率の推移はというと、逆ザヤを脱したのちの見通しが、レオパレス側の予想では、来年度前半が、85%、そして、さ来年度は90%を超えるというものです。
それらの数字は、レオパレスのHPでグラフで示されているものですが、レオパレスの計画だと、22年度 4月から9月までの平均が 80.69%だったのに対して、2023年度3月には、90.56%になるという見通しです。
それにより23年3月期末には、129億円の連結純資産を回復できるというのですが、これについては、「あまりに楽観的」であるという指摘があります。(『選択』12月号)
昨20年7月時点のニュースです
レオパレス入居率再び逆ザヤ、株6割下落 22日株主総会と最新ニュース
アパートの賃料単価の値下げ
さらにレオパレスの心配は、入居率だけではありませんで、「賃料単価が下がっている」点でも懸念が残ると言います。(同)
これについての宮尾社長のコメントは
今期においては、特に期初から、入居率をちゃんと下げないように底固めをしようという考えから、賃料単価を、特にエリアごとに物件を選んで下げたといったことが要因ではございます。平均的に言うと、私どものアパートの賃料というのは、共益費を別にするとだいたい 5 万もいかないところですので、その点で言うと、言ってみれば 1,000 円程度ぐらいがいいところかと思います。―https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2022/2Q/kessan_faq.pdf
外国人の新規入国停止
そもそも、レオパレスの収益の落ち込みは、施工不良ばかりではありませんで、新型コロナの影響による、外国人の入国の制限にありました。
上の予想は、11月12日時点のものですが、困ったことに、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」の流行を懸念した政府が、11月29日に、外国人の新規入国を原則停止する方針を発表しています。
これにより、レオパレスの入居率が再び下落する可能性は大きいです。
債務超過で上場廃止の懸念
そもそも、高めの数字を設定したのも、レオパレスの債務超過がなお続いているところにあります。
万が一、債務超過が23年3月期末までに解消されない場合、レオパレスは上場廃止となってしまう恐れがあります。
90%超えというこれまでにはない入居率をあえて予想として公表したのも、債務超過に対する不安の払しょくのためだったのかもしれませんが、11月の時点でも先行きは不透明だったといえます。
さらに、入国制限が決まりグレー色が一層強まった感がありますが、これが一体いつまで続くのか。
直接に入居率に直結する問題であるだけに、新型コロナの今後の影響が心配されるところです。
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