日経新聞が「暴かれた無責任施工の実態」としてレオパレス21の界壁問題、それとサブリース契約との絡みについてを特集記事を掲載しました。
レオパレスのアパートオーナーの実名とLPオーナーの会の団体名を挙げてのかなり詳しい内容です。要約してお知らせします。
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レオパレスの界壁問題「日経アーキテクチュア」
レオパレスの界壁問題、それとサブリース契約と訴訟との絡みを、日経xtech/日経アーキテクチュアが特集しました。
日経アーキテクチュアは、日経BP社が運営する総合情報サイト、そのコラムを日経新聞オンラインが掲載したものです。
詳しい内容となっていますので、要旨を要約します。
レオパレスの界壁問題の発端
今回掲載の界壁問題の発端は、岐阜県のアパート。
所有者の親族である那須弘樹氏という方だそうです。
アパートを建設してサブリース契約締結
アパートが建ったのは1995年、レオパレスになる前の MDI(エムディアイ)が販売したゴールドネイルシリーズでした。
ゴールドネイルシリーズは現在調査の優先対象物件となっているタイプのアパートです。
アパートの工事代金は4800万円。建設資金には銀行ローンが借りられ、サブリース契約を締結。賃料は月額41万円という契約でした。
翌年には家賃減額の申し入れ
アパートの完成の翌年96年になると、レオパレスが最初の家賃の減額を申し入れました。
その後も何度か減額を繰り返し、最終的にレオパレスが提示した金額は、当初の41万円から23万円にするというものでした。
さらに那須氏に対して「後に解約を通告してきた」と記事にはあります。
LPオーナー会に相談後、物件調査へ
那須氏は、LPオーナー会の前田和彦代表に相談。
前田氏は、それまでも界壁が存在しないアパートが1例あったことを理由に物件調査を提案。
前田氏の提案の理由は、レオパレス21の建設業許可取り消しを求めることにあったといいます。
レオパレス相手の裁判は21例
同様にして、今も21例の民事訴訟が係争中です。
民事訴訟の内容は、プロパンガス、ブロードバンド、アパート備え付けの家具家電の費用を「不当に払わせた」というもの。
家賃減額に関しては、7人のオーナーが、5件別々の提訴を行って係争中です。
訴訟の内容は、その他が全て、ガスや家電の費用等なのですが、最終目的は、減額された家賃に変わるものとして、そちらの訴訟が行われたものという印象です。
なお、これらの訴訟は、個人で行っているものもありますが、他は、数十名、あるいは百人を越える集団訴訟で、その窓口は上にでたLPオーナーの会です。
「和解」は最初の一例のみ
さらに、記事の中では述べられていませんが、レオパレス側が、アパートの界壁がないことの最初の発覚後、アパートの調査を年単位で遅らせたのは、それ以上の発覚を恐れたからかもしれません。
というのは、家賃減額と家電等の費用など契約内容をめぐる訴訟に対しては、レオパレス側は「和解」に至ったものはないのですが、界壁の不備に関しては、所有者に和解金を支払う形で和解しています。
「ガイアの夜明け」の放送内容に従うと、「界壁がない」ことがわかった最初のアパートの所有者は、兵庫県の西木さんという方で、西木さんは、その時、家具・家電の費用をめぐって、レオパレスを提訴、係争中でした。
レオパレスが、和解に応じたのは、裁判の記録に「レオパレスに建築基準法違反」という言葉を残さないためでした。そのため「先方(西木氏)の和解枠組みを100%受諾する」としたのです。
西木さんの例は下の記事に
レオパレス界壁問題「ガイアの夜明け~マネーの魔力3」放送内容
他のオーナーの救済は?
日経新聞の記事の通りに読むと、西木さんが界壁がないのを発見した1例目です。
なので、この時は、界壁の施工不良はまだ世間に明らかになっておらず、レオパレスはそれを裁判記録に残したくないために、西木さんに和解金を支払いました。
しかし、今回の記事の那須さんに関しては、そのような記述はありません。
そして、結局、同様の界壁の不備などの施工不良は2万棟に及ぶものということがわかりましたが、これに関しては、裁判や和解ではなく、レオパレス側はアパートの改修をするということで、決着させることとなっています。
サブリースの家賃減額は不当ではないのか
では、レオパレス問題の根本であるサブリース契約で、家賃減額を受けた他のオーナーらは、その損害額を請求できないのでしょうか。
今回、建築アーキテクチュアの記事は、家具・家電のメンテナンス費用についての訴訟に関しては
建物や備え付けの家具・家電のメンテナンス費用を不当に払わせたとして、損害賠償を求める裁判も発生している。原告側で勝訴判決が出れば、他のオーナーも続くとみられる。
と書いています。これらの裁判は今だ係争中で、判決はまだ出ていないからです。
そして、サブリース契約については、以前から言われている通り、契約としての不備はないため、訴訟で請求するのは難しいと言われています。
レオパレス訴訟のこれまでの裁判は敗訴
これまでの裁判のデータでは、2016年11月、オーナー129人が、「家具・家電の費用を不当に払わせた」費用の返還を求める訴訟では、一審で原告が敗訴、つまりオーナーの訴えは通りませんでした。
さらに、2017年3月、家賃減額をめぐる訴訟、これはオーナー1名がレオパレスを訴えたものですが、一審で敗訴、やはり訴えは通っていません。
その人たちはこのあとも争うのかもしれませんが、残りの200人弱が同様に家賃減額とアパートの備品をめぐって、係争中ですが、今のところは裁判に「勝った」ものは見られていません。
レオパレスにとっても、レオパレスオーナーにとっても依然として厳しい状況が続くことは疑いのないところです。
オーナーの中には、アパート経営を順調に続けておられる人ももちろんいます。しかし、一方で家賃が減額されて、ローンが破綻した人もおられるかもしれません。
順調にアパート経営を続けているオーナーが居る一方で、レオパレスが多くの人を苦境に陥れたのは事実だと思いますが、レオパレスの経営悪化で、さらなる影響が出てしまう可能性も十分にあります。
サブリース契約をめぐるこれらの裁判の行方はどうなるのでしょうか。続報があり次第またお伝えしたく思います。
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