住宅ジャーナリストの榊淳司さんが、新築マンションの値引きをするケースと、新築マンションを値引きさせる交渉方法について夕刊フジに書いていました。
ポイントをついたそのものずばりの内容です。要約してお伝えします。
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売れない新築マンション
新築マンションが売れないというのは、最近さまざまに耳にするところとなりました。
価格は以前高止まりであって暴落の様子はないものの、売れていないということは、関係者が一様に漏らすところとなっており、間違いのない事実であるようです。
中には売れなくても、「住友不動産方式」、つまり、値引きは一切せずに高値のまま年数を10年かけても売るというところも増えてきました。
しかし、すべての販売会社がそれで持ちこたえられるわけはありません。榊敦司さんも、「売主としては1日でも早く全住戸を売ってしまいたい」のが本音だと言います。
マンション販売のかき入れ時は3月上旬まで
多くの企業は3月末が決算なので、特に新築マンション市場では例年1月と2月はいちばんの書き入れ時であるといいます。
買い手の方もライフスタイルが変わる節目の一つが4月であるため、多くはそれ以前に買いたいということで、売買が盛んになるのが3月上旬までのこの時期です。
ネットでもやたらと住宅関係の記事が多くなっています。戸建ての方は特に「消費税前に」というおすすめ文句がつきますが、買い手の方は、何しろ一生の買い物のため、文字通りの売り文句に煽られず、慎重に決めたいものです。
「ほとんどの会社が値引きを行う」
今回、いかにも心強いのは、榊さんが「ほとんどのデベロッパーは値引きを行う」と書いている点です。
前の記事でも書きましたが、住友不動産は値引きをしない事で知られているので、それ以外の会社です。
値引きをする日しても、売る側がわざわざそう言ってくることはまずありません。
マンションの値引きをする会社とはどういうところでしょうか。そして、値引きをさせるには、どうしたらいいでしょうか。
マンションの値引きを行う場合
販売元が値引きを行う場合というのは、物件が「定価で売れない場合」だそうです。売れているなら、売り手としては値引きをする必要はありません。
しかし、上に書いたように、新築マンションが売れていないのは事実なので、建てる前から完売したというようなところを除いて、ほとんどの物件にその可能性があると考えておいたほうがいいです。
マンションが「定価で売れない」のはどこで見る?
そのマンションが売れているかどうかを知るにはどうすればいいかというと、榊さんは、物件のホームページを見ればおよそ見当がつくといいます。
「モデルルーム使用住戸特別価格」や「総額1000万円キャンペーン」など、堂々と値引きを公言しているものから、大々的な宣伝文句など、文字通り「売りに出ている」雰囲気をつかむことです。
榊さんはこれを「販売サイドに焦りがみられるかどうか」だといっています。
ネットなら各物件のホームページだそうです。ネット以外にも地方のマンションなどであれば、チラシや新聞広告などが繰り返し入っているなどすれば、販売は不調であると見当がつけられます。
それら「焦りが出ている」と判断される物件は、値引きを行う可能性、あるいは既にひそかに行われている可能性も高いのです。
マンションの値引き交渉はこうする!
榊さんが言うには、値引きの交渉は難しくないと言います。
「○○○○万円ならすぐに契約します」とズバリ購入希望の金額を伝えればそれでOKだそうです。
また、ローンの仮審査も先に済ませておくのも良いようです。
値引き交渉でやってはいけないこと
逆に値引きの交渉で、やってはいけないことは、購入の意志を明確にせずに値引きを持ちかけること。これでは具体的な金額の提示には至りません。
あくまで「買う買わない」ではなく、値段の交渉ですから、上のように「いくらなら買う」の「買う」が明確であるところから話を始めるのがいいようです。
マンションの売り買いは「担当者x客」
他にも、榊さんの挙げる値引きのコツとは、いわゆる「良い客になる」ということのようです。
結局売り買いは、担当者と購入希望者の一対一の関係です。値引きをするかしないかはその関係をベースに決まります。
感じの良い客なら、値引いてもいいかというのが人情です。要は相手にそう思わせられたら、値引き成立です。
「良い客になる」コツ
その際に榊さんの挙げるコツとは
・販売サイドに「この客に売りたい」と思わせる
他のモデルルームで得た知識をひけらかしたり、妙に知らないフリをするのもNGだそうです。
・クレーマーにならない
トラブルになりそうな相手なら「売らない方がマシ」なのだそうで、販売員としては、誰が買ってもいいわけですから、手間がかからない方がいいわけです。スムーズに取引が済みそうな印象を与えるのが良い客というものでしょう。
マンション販売員との交渉も場数
こうなると、買い手の方も、あたかも良い客であることを売り込む営業モードであることが必要ですが、とにかく、最初に「○○円なら買う」と言うことが、まずは大切なポイントです。
案外勇気の要りそうなことですし、○○円で落ちるならともかく、話の内容によっては、その場で上がったり下がったりするかもしれませんが、このあたりも場数を踏むことが大切です。
積極的に新築マンションの内覧に
うちの夫などは、人と話すのが苦手なため内覧にさえ二の足を踏みますが、買わないかなと思うようなところも含めて、いろいろな場所を積極的に内覧に行って、観察眼を養うことがまずは大切です。
また、そこで、面倒くさがらずに営業マンとは積極的に言葉を交わすことです。交渉も要は慣れだと言えます。
まとめ 「値下げ=お得」とは限らない
また、榊さんが言うのには、何よりも注意すべきは、値引きを引き出したからと言って「お得」とは限らない。
「単に市場価格まで下げただけということもあるので気をつけたい」
というのにも、気を留めておきましょう。
というのは、今はマンション価格がバブルで一時的に上がってしまった余波がまだあります。「高すぎる」というのは、本当の値段を既に上回ってしまっている。
なので、値下げをしたという場合は、それが本当の相場の価格であるかもしれないのです。
勘が良い方なら感じるかもしれませんが、売り手側が気前よく値下げをするということは、元々の値段が高いからに他なりません。売り手側の身銭を切った「値下げ」ではないとも言えます。
このような物件の購入で一番難しいのは、不動産の本当の値段がよほどの経験者でない限り買い手側にはわからないことが多いという点です。
まずは、観察眼を養う、そして、価格の推移もしばらく見てから買いに出るというのがいちばんよい方法かもしれません。
いずれにしても、上に記した値引きの交渉術は、ぜひお試しになってみてください。
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