スルガ銀行の株主総会、シェアハウス被害者ら200人余りが参加、怒号以上に、株主とスタッフがもみあいになる場面も見られたといいます。
スルガ銀行の現在の問題点、株主が是正を求めるところは何なのでしょうか。
毎日新聞他の株主総会の報道から、大荒れの3時間22分をお伝えします。
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スルガ銀行株主総会 もみあい場面も
スルガ銀行は26日、静岡県沼津市内で定時株主総会を開きました。
今回は新生銀行との提携に先駆けて、新取締役の人事などの決定がなされることが前もって伝わっていたものです。
有国三知男社長の謝罪で始まったが
デート商法に謝罪する有国社長
議長を務める有国三知男社長が、頭を下げ、株主や関係者への謝罪を述べたようです。
また、「経営の継続性から(業務)改善計画の実行をしっかり務めたい」と決意も表明しましたが、大部分はヤジが多く、聞き取れないほどであったといいます。
以下は、要点を先に述べ、騒然とした総会の様子と、そうなった要因は最後に述べます。
株主総会参加者と時間
今回の参加者は556人(昨年は406人)
うちシェアハウスの被害者である物件オーナーの参加は200人、被害弁護団も参加。
総会の時間は3時間22分(昨年3時間15分)でした。
株主総会の本論内容
株主総会での主な質疑応答は以下の通りです
株主からの質問
株主からの質問:
―――シェアハウスの被害者救済は代物弁済にするべきではないか
スルガ銀行側の答え:
元本カットのみならず、他の解決策はあるのかないのか、法的な解決になるよう検討したい。
―――社長が退任するべきではないのか
1年間業務改善計画の策定や水筒などを先頭に立ってやってきた。経営の継続性の観点からも引き続き担いたい
―――創業家への融資担保設定をしているのか
455億円の融資残高がある個別の担保設定状況を管理するのは難しい。担保設定があるものもあればないものもある
―――創業家の保有株式の処分については
今までと違う対応を視野に検討したい
―――新生銀行、ノジマとの業務提携の中身はどうなっているのか
協議内容について守秘義務違反になるので答えを差し控える
―――今期の業績予想他は
今期の純利益は105億円。ニッチ向け住宅ローンを中心に残高を回復させる事業計画になっている。
総会終了後の株主側の反応
「再発防止への真摯(しんし)な姿勢を感じない」
「反省の気持ちは伝わった」「経営再建に期待している」
「ほぼ怒号の応酬で総会といえたものでなかった」
「経営陣の対応や説明も曖昧で、見る価値はない」
「株主の発言に耳を傾けず、自己中心的な銀行だと改めて痛感した」
いちばん最後のコメントは、シェハウス被害者の方のものです。
シェアハウス被害者の反応
今回も株主総会も、シェアハウス被害者とその弁護団が参加しましたが、有国社長は「検討したい」とはいったものの、シェアハウスオーナーへの新たな具体策は示されませんでした。
株主総会を混乱させたのは、まずはシェアハウス被害の問題でしょう。
退陣を求められる有国社長
有国社長が、総会の最初に話し始めようとすると「ちょっと待ったー」として、「有国社長、あなたは565億円の損害賠償を求める株主代表訴訟を起こされている。そこに立つ資格はない」
「その通り」「有国(社長)、やめろ」「退場しろ」との声がそれに続いたといいます。(毎日新聞プレミア)
「不安と怒りの表明」被害弁護団 河合弁護士
株主総会の雰囲気と、被害者らの所作について、被害弁護団の河合弁護士は
「彼ら被害者は、株主総会を混乱させるために乗り込んだのではない。巨額の借金に日々さいなまれ、解決されない不安と怒りの表明だ」
と取材に釈明。
被害者に対しては、岡野光喜元会長は、一度も姿を現したこともなく、また、有国社長もこれまで謝罪をしたことがありません。
有国社長自身が、被害者の言い分を聞くなど、対話の姿勢を見せていれば、あるいは、株主総会ももう少しスムーズに進んでいたかもしれません。
弁護団のオーナー救済の進展は
一方で、 シェアハウスオーナーの弁護団は26日、スルガ銀行の株主総会後に沼津市内で会見。
共同団長の山口広弁護士は、オーナーが物件を手放して債務をなくす解決策について「銀行側と具体的な詰めの作業をしている」と明かしました。
山口弁護士はまだ、「文書合意はできていない」ものの
「代物弁済とするのか、一定の和解的な解決とするのかは、新しい取締役の下で決断することになる」
と説明。
総会の質疑では、有国三知男社長は「まずは元本一部カットの話し合いをさせていただきたい」と答えています。
毎日新聞が、株主総会のこの後の様子と内容を続きの記事で公表するとしていますので、わかることがあれば、引き続きお伝えしたく思います。