スルガ銀行がシェアハウス投資を巡って不適切な融資を行っていた問題で、当時の副社長が約3年前に、関連する融資をやめるように指示をしていたということがわかりました。
読売新聞の報道を元にお伝えします。
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3年前にシェアハウス融資の中止を指示
2015年2月頃、シェアハウスの販売などを手掛ける不動産業者の実質的経営者について資質を問題視するという文書がスルガ銀に届いたといいます。
それを読んだ当時の副社長であった岡野喜之助副社長からの指示で、行員はいったんは新規融資を停止。
しかし、業者は社名を変え、担当者はまた同じ相手と取引を再開したといいます。
一連の経緯は、外部の弁護士でつくる第三者委員会や金融庁も把握しているとみられ、第三者委が月内にもまとめる報告書に盛り込まれる見通しです。
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岡野喜之助副社長とは
岡野喜之助副社長は、創業家で事実上のオーナー、岡野光喜会長の実弟。
16年に急逝していますが、2018年3月期に5億6500万円の「退職慰労金」が支払われたとされています。
なお、その折の、岡野光喜会長の報酬額は1億9700万円、米山社長は1億6800万円であったことも、物議をかもしました。
スルガ銀関係者は
「喜之助氏はかぼちゃの馬車を運営するスマートデイズ社の不正を見抜き、一時は出禁扱いにした。会長に物が言える数少ない1人だったが、急逝で全て先送りされた」
と悔いています。
3年前に停止されていたら、被害はここまで広がることもなかったでしょう。
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金融庁は地銀の検査厳しく
8月8日、銀行のガバナンスが行き届かず、行員の不正を防ぎきれなかったとして、金融庁はあらためて、不適正な融資や行員の不正を防止できるガバナンス(企業統治)が行内で機能しているかどうかを確認する検査に入りました。
地銀の検査は従来、地方の出先機関である財務局が実務を担ってきたが、今回は金融庁内に専門チームが作られました。行政処分が目的ではなく、不備を改善させる、指導としての役割であるようです。
全国の地銀105行と、統合した地銀の持ち株会社が対象です。
また、検査においては、社外取締役についても、調べられ、役割がきちんと果たされているかどうか、「なれ合い」となって、黙認や容認が多くなっていないか、これからは厳しいチェックが入りそうです。
同僚も黙認
スルガ銀や東日本銀では、支店内で不正融資が続発。不正に気づいた多くの同僚らが見て見ぬふりを重ね、本社の内部監査部門も含め、銀行ぐるみが不正を黙認していた趣があります。
既に不正が蔓延してしまってからでは、停止をしていては業務そのものが成り立たなくなってしまったのでしょう。
低金利の時代に銀行の経営そのものが厳しいため、起こっている問題が多くあります。
これからは利用者の方も、業者だけでなく、融資を行う銀行に対しても注意が必要になるのかもしれません。