レオパレスオーナーの二次被害を避ける
シェアハウス問題の時には、シェアハウス被害弁護団以外にも、互助や、サポートを申し出る団体というのが、現れましたが、正式なもの以外の中には、最初から詐欺目的もあり、シェアハウスオーナーの中には、数百万円をだまし取られたという人もいます。
レオパレスのオーナーさんにも、くれぐれも同様の被害に逢われないように、注意を呼び掛けておきたいと思います。
レオパレスの問題で一番大きな問題は、何度も書いていますが、界壁の問題ではないと思います。少なくても、界壁の問題は、レオパレス側が補修に応じているわけですから、今すぐに裁判で争う必要はない。
レオパレスと他の投資の問題は、やはりサブリースであって、こちらも、契約として成り立っている以上、訴訟での解決も難しいのです。どんな団体だろうが、どんな有能な弁護士だろうが、覆すことができないものはできません。その上で、お金がかかる、費用が掛かるというものには、用心をしていただきたいのです。
国が施工不良の補償をしてくれと訴える是非
また、業者がこういう悪徳業者でした、建物に欠陥がありました、ということを広く公表したり、その事実を国に訴えたりすることそれ自体は、被害を防ぐために、むしろ第三者にとって有益なことです。
しかし、自分が建てた建物と契約について、国に補償や救済をしてくれと申し出るということは、果たして効果があることでしょうか。同時に、だれか他の人や団体が、それを代わりにやってくれるということに、本当に意味はあるのでしょうか。
欠陥住宅は国が補償するのか
私の父が建てた戸建て実家も、一種の「欠陥住宅」であるということが当初からわかっていましたが、家は、あくまで個人の資産であり、個人の持ち物です。
例えば、それについて「国に監督責任がある、家を建て替えてくれ。その分の金を出してくれ」というのは、言い分として通るとは思えません。
個人ー業者レオパレス間のトラブル
欠陥住宅の業者に当たって、ひじょうに残念な気持ちはよくわかりますが、やはり、この場合個人のトラブルであり、建てた業者との間で話すしかないのです。
なので、「国交省に働きかけるということを、団体でやりましょう」と言われ、それを依頼するように、さらに、そのための費用がかかると言われたとしたら、安易に参加をしない方がいいと思います。
「LP オーナー被害者の会」の意見は反映されたか
また上の、被害者の会会見で、被害者の会代表が「おととい公表された第三者委員会の報告書で、 「レオパレスが安全よりも利益を追求したことが公表されたことについては「我々の意見が反映された」と評価しました。」とあります。
しかし、第三者委員会は、そもそも公平な立場であり、事実を公表したまでで、それ以外の人の意向が反映したものではありません。また、被害者の依頼で第三者委員会が発足したわけでもないのです。
国交省の対応が迅速な理由は法改正
また、国交省が、今回対応が早いとされていますが、それは、レオパレスの被害者のためではなく、国交省が、野党議員に、建築基準法の改正の前に対応するように求められたからです。
新しい建築基準法が界壁を条件付きでなくしてもいい、というものであるため、それが施行されてからでは、レオパレスの法令違反の意味があいまいになってしまう。なので、国交省もその前に対応しようということで、どこかの団体の圧力が利いたわけではありません。
それだからこそ、今回石井大臣が、「原因究明と再発防止策が国側の責任」であり、救済しろとの要望には応えないというの表明となったのです。意見が反映するなら、今頃は、国が補償しましょうというはずです。
レオパレスの問題は界壁よりサブリース
レオパレスのアパートの所有者の皆さんは、施工不良の件で大変心配されていると思います。けれども、レオパレスの問題のポイントはそこではなく、サブリース契約の方です。
施工不良で直接破産する人はいませんが、家賃減額で破産する人は少なからずいると予想されています。
今回の問題で最も心配されるのは、今回の施工不良の問題で、レオパレス経営が悪化、入居率も低下、結果、家賃減額が早まる恐れがあり、2018年と、2026年頃がピークと言われていた、アパート経営の破綻が早まるということです。
というより、もうレオパレスのアパート自体が一部で投げ売りとなっており、誰かが安く売り始めれば、レオパレス21以外のアパートも含めて、価値が低下してしまいます。
落ち着いたころには、サブリース契約の問題が、早めに重なることとなり、オーナーにとっては2重の痛手です。