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東京の新築マンション、価格が高過ぎるのに「質」が良くない理由

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人気の高いタワマンだけではなく、新築マンションは一般的に質が良くないという指摘を見かけます。

むしろ中古の方がいいというマンションウォッチャーもいるくらいなのですが、本当でしょうか。専門家の意見を集めてみました。

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タワーマンションを買うのは年収1500万円クラス

タワマンを買うのは地元民ではなく、ニューカマー。

もう少し細かく言うと、地方出身者で成功を収めた年収1500万円のクラスの人たちだそうです。

業種を言うとIT関連や不動産関係。なぜか、彼らが好んで湾岸に住みたがるということなのです。

「タワマンは見栄っ張りが買う」

大手でディベロッパーの担当者から「タワマンは見栄っ張りが買うので、虚栄心をくすぐる広告となるよう注文があった」と、住宅ジャーナリストの榊淳司さんが明かしています。

うーん、地方に住んでいる私からすると、地方出身者の気持ちもわかるので、東京に移り住んだ人が、「東京で成功したぞ」と窓から外を見渡しながら、街を制覇した思いになるのは、良いことではないでしょうか。

豊洲はいろいろな人が、買うのはどうか疑問を述べてはいるのですが、「ブラタモリ」で見た通り、あれだけの眺めであれば、誰しもが一度は住んでみたくなって当然だと思います。

パワーカップルがターゲットの武蔵小杉と豊洲タワマン

最近話題のタワマンと言えば、まずは、武蔵小杉。どんな人が住んでいるのかというと、共稼ぎのパワーカップルと言われる人たちです。

そして、さらに直近では、駅近4分のタワーブランズ豊洲。こちらもターゲットはプレファミリー、DINKS、と呼ばれる同じくパワーカップルというものでした。

託児所なども敷地内に作られる予定ですが、それは、あくまで今後の利用ということで、今現在はバリバリ働いている二人組という想定だそうです。

なお、1500万円の収入、というのは、一人の収入での想定ですが、もちろん2人合わせてなら、さらに楽に買うことができるでしょう。

 

新築マンションの「質」が落ちている?

しかし、問題は、マンションの価格よりも質の方です。

榊さんも書いていますし、他のマンションウォッチャーが書いているのも見かけますが、タワマンも含めて新築マンションの「質」が悪いというのは聞き捨てなりません。

いかにもニューカマーが住みたいという、ある種のピカピカ感はともかく、何が問題かというと、設備・仕様の点で、以前のマンションに比べると明らかに質が落ちているということらしいのです。

新築マンションのどこが問題か

たとえば、このクラスのマンションだったら、これまでなら当然キッチンにあるべきディスポーザーがない、引き出しがソフトクローズでないといった細かい設備の点。

そして、それだけでなく、面積の点でも部屋や空間が狭くなっており、天井高が低くなり圧迫感がある、廊下のスペースが狭いなどが、挙げられています。

まとめると

設備や仕様の難点

・キッチンにディスポーザーがない
・引き出しがソフトクローズでないなど設備面

・天井高が低くなり圧迫感がある

・柱が、部屋の中に食い込んで出っ張る「インフレーム」

・廊下は、外ドアの前に窪みのある従来のスタイル「アルコーブ」がないなどの面積面

土地代が高いため、同じ面積にできるだけたくさんの戸数を入れようとすると、必然的にしわ寄せが起こります。

結果、出来上がったマンションは、見栄っ張りにアピールするような派手派手しさは前面にあるけれども、通好みの行き届いた設計がない、いわば高級感が足りないということなのです。

 

タワマンは壁が薄い?

そして、その中でもびっくりしたのは、タワマンの壁が薄いという次のくだりです。

タワマンの場合、建物全体の荷重負担を軽減するため軽い素材を使います。だから防音性に何がある。隣の音の生活音が聞こえることもあるほどです。(住宅ジャーナリスト 榊淳司)

レオパレスのアパートで読んだばかりの、壁の薄さを思い出すような記述、タワマンと言えども、そんなものなのかというがっかり感を覚えます。

上に上に、と積み上げる特殊な構造と技術ですから、ある程度は致し方ないのかもしれませんが、この点はタワマン特有の仕様ということで、他のマンションとは違うと知っていた方がいいですね。

知って買うのと、知らないで買うのとでは、そのあとの意識に違いが出てしまいます。

 

新築マンションの質が落ちた理由

それではなぜ新築マンションの設備や仕様の質が落ちているのでしょうか。

どうやら、建築費や土地代が値上がりしているため販売価格が高くなってしまうということが主な原因のようです。

価格は下げたくないが、同じ価格で提供しようにも、これまで以上にコストがかかる。しかし、マンションの価格自体は、むしろこれまで以上に高騰しており、これ以上値段を上げては買う人がいない。

なので、価格を抑える、というより従来通りの値段にするには、デベロッパーは目立たないところで、建築費を下げるほかはなく、それが目立たないところで予算が削られるということになってしまうらしいです。

 

中古マンションの方が設備が良い

結局そうなると、仕様の点では、中古マンションの方がはるかに良いということになり、従来なら新築を探すべき買い手が中古マンションの方に流れているというのです。

ノムコムのサイトでは、新築よりも、築10年超のマンションには、優良なマンションがそろっているとして、

その理由を下のように上げています。

1. バブル崩壊後の長引く不況で企業が良質な土地を手放した場所にあるものが多く、立地がいいこと

2. 東日本大震災の復興需要や東京五輪に向けた建築ブームが起る前で、土地の価格も建築コストも今よりも低かったため、今の新築と比べて設備や内外装仕様などの質がよいこと

中古マンションの価格も上がっている

もちろん、中古が新築に比べて安いというのなら、問題ありませんが、2017年には、中古の流通量の方が、新築マンションを上回ってしまいました。

そのような流れで中古マンションの価格すら上がっているというのですから、買い手にとってはますます痛い話です。

つまり、マンションは、新築も中古も高い今は「買い時」ではない。

しかし、逆に、マンションを売りたいという人にとっては、格好の売り時と言えそうです。

マンションの高騰については、 いつまでがピークかは判然としないものの、バブルはいつかは破綻するというのがこれまでの例であり、ピークもいずれは下がるもの。

これを過ぎると、新築マンションは下がらないまでも、まずは売れないということになりそうです。

急がないという方は、今少し動向を見てからの方がよさそうです。

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