大和ハウスの不適合住宅が、これまでの発表の倍の4000棟になったことがわかりました。
大和ハウスが、18日に外部調査委員会による最終報告書と再発防止策を発表した中で明らかになったものです。
毎日新聞他の報道よりお伝えします。
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大和ハウス 不備4000棟に拡大
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大和ハウス工業が全国で計2000棟超、約7000世帯の戸建て住宅と賃貸住宅について、柱や基礎で仕様と異なる施工をする不備があったと発表したのは4月12日。
それ以後、施工不良物件の調査を進めていましたが、昨日その最終報告書が終了し、それによると、不適切な基礎を使った賃貸アパートや戸建て住宅が、新たに約1900棟見つかったということです。
新たに見つかった物件を加えて、不適切物件は従来の公表数から約2倍に増え、違反は合計で、39都道府県の3975棟、約1万2千世帯となりました。
施工不良の箇所は基礎部分
1885棟、いずれも基礎構造の仕様が不適合との報告で、詳しくは「建物の基礎部分で国に届け出た方法と異なる設計や工事をしていた」というものです。
前回見つかった不備のある建物は、柱の下にある基礎の仕様が不適切とされたものが、戸建てで889棟、賃貸アパートで990棟ありました、
今回、それにさらに1885棟、同じ基礎部分に不備が見つかったものと思われます。
大和ハウス施工のマンションにも欠陥
今回の調査は、最初に不備の見つかった賃貸アパートと戸建て住宅が対象ですが、今月11日には、マンションの施工不良も見つかっています。
大手なだけに戸建てやアパートだけに限らないため、今後が懸念されます。
ずさんな管理でブランド力の低下
大和ハウスは問題発覚後、社長直轄の法令順守部門を設けるなどの再発防止策も発表しました。
しかし、業界大手のずさんな管理体制が明らかになり、ブランド力の低下は避けられない状況です。
大和ハウス芳井社長が謝罪
芳井敬一社長が大阪市内で記者会見し、不適切物件の増加に対し
「申し訳ない。システムの不備とはいえ精査が行き届かなかった」
と謝罪しました。
新たな施工不良発見の経緯
社長が会見で語るところでは、4月に不適切な物件2000棟超があると公表した後、社内から他にもあると連絡を受けたといいます。
元々、大和ハウスの施工不良は、内部通報、社内で気が付いた社員の指摘によるものでした。
そこで、新たに建築した物件の再調査をしたところ、1885棟で国の認定を取得していない基礎を使っていたことが新たに判明したというものです。
これによって、件数の合計は3955棟にふくらみました。
施工不良の判明が遅れた理由
なぜ、最初の調査で分からなかったのかというと、4月時点では対象物件を抽出する方法で、データの母数に漏れがあったという説明ですが、やや疑問も残ります。
最初の内部通報から、調査までが1年半もかかっており、なぜもっと早い対応が取れなかったのかにも、疑問が残るところです。
入居者への今後の対応
新たに判明した物件の所有者や入居者には、18日から説明を始めました。
今後、第三者機関も交えて引き続き安全確認はするものの、現時点では、基本的に引っ越しや建て替えは必要ないとのことです。
なお、希望があれば転居費用などの補償に応じるとのことなので、これについては、大和ハウス工業オフィシャルサイト等でご確認ください。
大和ハウス、問題の原因は? 外部調査委員会
同日、外部調査委員会がまとめた最終報告書も発表しました。
調査委は、建築基準法に基づく認定制度をハウスの設計者などがしっかりと把握していなかったことが要因と述べ、「あまりにもうかつに集団的な誤信を起こした」と批判。
調査委は問題が起こった原因として、設計者に国の認定制度を守らせる体制が整っていなうえ、本社と現場の情報共有が不足していたなどと指摘しています。
中国の巨額の横領事件の調査報告
また、別件の問題、中国の持ち分法適用会社で発覚した巨額の横領事件についても、同時に調査が進められたようで、その結果も報告されました。
不正はパートナー企業から派遣された役員によるもので、大和ハウス出身役員の関与はないと第三者委は結論づけています。
この件は、中国の合弁会社で234億円が持ち逃げされたという事件ですが、回収不能という判断になり、130億円の損失計上が行われました。
下の記事に記しています。
大和ハウス建築基準法違反アパートと戸建て補修費用他20億円の損失
大和ハウスの再発防止策
再発防止策として大和ハウスが公表しているものは次の2点です
・大和ハウスは再発防止策として、法令順守や品質保証を推進する社長直轄の部署を10月にも設置
・従業員に認定制度を理解させるための検定制度も導入
社長の直轄部門として法令順守と品質保証を目的とした独立部署を設置するほか、今回の問題の原因となった「型式適合認定」制度に関する社内資格制度などを導入する方針に転換。
本社と事業所間のコミュニケーション不足が問題の一因となったことから情報共有の強化などにも務めるということです。
大和ハウスの最終報告書に関するニュースは以上です。