タワーマンションの維持費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。
武蔵小杉の例でわかるように、タワーマンションは停電の際、非常用発電機が備えられています。
タワーマンションには必須の設備ですが、これらの防災を含むタワーマンションのあらゆる設備は、月々の管理費を高くすることになりかねません。
防災を含めたタワーマンションの維持費用の相場について考えます。
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武蔵小杉タワマンの停電に不安感
テレビ朝日www.tv-asahi.co.jp目次
台風19号の被害で、武蔵小杉のタワーマンションが停電。
窓の明かりが消えた様子は、タワマンの住民だけではなくても、十分不安になる風景でした。
ただし、タワーマンションではこのような場合に備えて非常用発電機というものがあり、それが作動したマンションは、停電やエレベーターの停止も防げることになります。
非常用発電機は必須だが高額
停電時の点灯はタワーマンションには必要なものですが、費用はというと、この非常用発電機は1機が数千万円から1億円もするそうです。
さらには、普段の点検や手入れはもとより、15年ごとに新しいものに取り替える必要があるので、その都度負担をするようになります。
このような特殊な費用は、戸建はもちろん通常のマンションの場合は、それほど必要がないものです。
タワーマンションであるから、災害時ばかりでなく普段から費用が必要なものというのは、他にもあるのでしょうか。
タワーマンションにかかる費用
タワーマンションにかかる費用は、大まかに言って修繕積立金とそれ以外があります。
大規模修繕費用が問題に
特に大規模修繕費用は、10億円以上と言われ、タワーマンションにかかる費用の中でも一番大きなものです。
これが、近年、問題視されています。
大規模修繕というのは、建物のメンテナンスの費用で、その中でも高額なのは外壁の塗装と建物の外側の補修の費用です。
高額な特注品のゴンドラ
塗り替えの他にも窓と建物のつなぎ目のシーリング剤の補修などは、高いところでの外壁工事となります。
そのため屋上から、各建物の形に合わせた特注品のゴンドラと言われる、特殊な足場を吊るす費用がかかります。
大規模修繕の相場は約130万円
戸建でも外壁塗装は、よく足場だけで50万円もかかると言われますが、タワーマンションの場合は面積が広いので、それだけで数億円単位の費用となってしまいます。
このような大規模修繕にかかる費用は、1戸あたり約130万円が相場で、仮に1千戸のタワマンであれば、15億円から19億円がかかる計算になるそうです。
ゲストルームやフィットネスジムの共用施設
他にタワーマンションでかかるものといえば、豪華な共用部分の施設があると、そちらにもお金がかかることになります。
来客があった時に泊まれるゲストハウスなどはとても便利ですが、自分で購入した部屋の他にも、もう一つ部屋があるのと同じことで、それも皆で分担して維持するということになるのでしょう。
中には身内が少ないので、来客などないという人にとっては、無駄な費用負担ともなりかねません。
最近ではトレーニングジムがあるというタワーマンションも見かけます。
トレーニングの部屋それ自体はもとより、置いてあるマシンについても当然お金がかかっているわけです。
「プリウスとポルシェの違い」
不動産評論家の牧野知弘氏は、一般のマンションとタワマンを車に例えて、
一般のマンションは日本車のプリウスとすると、タワーマンションはポルシェであり、高級外車のメンテナンスにはそれなりにお金がかかるのが常識です
と言っています。
タワーマンションは、基本的な部屋と廊下や階段、エレベーターというだけではなくて、それ以外のオプション品もたくさんついているわけですね。
タワマンに住むとすると購入費用も高いが、それ以上にこれらにかかる費用を負担し続けるという、余裕と覚悟がなければ、タワーマンションは買えないことになります。
タワーマンションの防災に関する関心や知識が深まったのはたいへん良いことなのですが、被害のあったマンションについては、対策が万全でないことも明らかになりました。
地下の電源設備に浸水を防ぐための止水板や、エントランスの入り口にシャッターなどを設置するということになると、この点でも費用が必要でしょう。
所有者にとっては、被害を受けた上の費用負担はさらに頭の痛いことかもしれません。
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