孤独死をする人が増えています。
単に死ぬときに一人であっただけの孤独死であるだけなら問題ありませんが、亡くなった人に身寄りのない孤独死の場合、葬儀代は誰が負担すればいいのでしょうか。
孤独死の葬儀代の負担についてお伝えします。
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孤独死で身寄りのない人の葬儀代
孤独死で最も問題になるのは、亡くなった人に身寄りがない場合です。
法律ではどうなっているのかというと、これまでは身寄りのない人の葬儀代は、次のように決まっていました。
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生活保護法での孤独死の葬儀代の定義
すなわち、生活保護法では、身寄りがない人が亡くなり、残された現金では葬儀が出せない場合、知人や近隣住民などで自発的に葬儀をする人がいれば、生活保護の葬祭扶助(原則として、都市部では20万6千円まで)を出せると規定。生前に生活保護を受けていたかどうかに関わらず、遺体の搬送や保管、火葬、読経などの費用が、この額の範囲で認められる。多くの場合、上限に近い金額が使われている。
つまり、生活保護法では、知人や近隣住民などで自発的に葬儀をする人がいれば、国から20万6千円が支払われるということです。
叔父の場合、火葬や搬送の費用が7万円ほどでしたから、安価な散骨葬や永代供養墓などへの埋葬費用を合わせても十分な額と言えます。
孤独死をする人の近所づきあい
ところが、都市部においては、隣の部屋に住んでいる人とも付き合いがないということが当然のような地域もあります。
そもそも隣とお付き合いがあるような人なら、亡くなっても知人や友人に気が付かれないということも起こらないでしょう。
孤独死をする人は、友人も近隣とも付き合いのない人が大半で、それゆえ、親族以外の人が葬儀を出すなどということは、まずあり得ません。
孤独死をした人の葬儀を出す人が居ない場合
誰も葬儀を出す人が居ない場合はどうなるかというと、自治体が火葬する義務を負うことが墓地埋葬法で決められており、その費用は全額が自治体の負担となるということなのです。
民生委員に依頼して申請
朝日新聞の調査では、自治体では、自治体ではない誰かが葬儀を出してくれれば、上記の生活保護法の通り、国から20万6千円が支払われることになりますので、その方がいいのは当然です。
そのため、約9割にあたる計38自治体が、民生委員などに依頼し、葬儀の執行者として葬祭扶助を申請してもらっていたというのです。
「(葬祭扶助の)申請書に名前だけ書いてもらう。葬儀に立ち会ってもらうこともない」(東京の複数の区)
あくまで便宜上、執行者の名義を借りるということです。
生活保護だと、自治体は費用の4分の1だけを負担し、残りは国の支出となるという分担になっていました。
しかし、孤独死が増加している今、これまでのようにするだけ、国の負担が大きくなってしまうばかりです。
そこで、厚労省保護課は「依頼しているなら、自発的とはいえず、墓地埋葬法に基づいて自治体が全額負担するべきだ」と主張しています。
旧厚生省の通知に民生委員の指摘
しかも上のような取り決めの元になっているのは、旧厚生省の1963年の通知であって、ただし、それには民生委員は補助の対象にはなっていないことが明らかになりました。
すなわち
「民生委員が市町村等の依頼により行ったときは、葬祭扶助の適用は認められない」
という記載が実際にあるというのです。
実態が、それとはかけ離れてしまっており、ほとんどの自治体の担当者は、この通知の存在を「知らなかった」といいいます。
鈴木忠義教授「実情に合う見直しを」
長野大の鈴木忠義教授(社会福祉学)は
「いまの時代、特に都市部では近隣住民らが自発的に葬儀をするとは考えづらく、国のルールには限界がある。民生委員を活用するかはともかく、実情にあうよう、見直す必要がある」
と指摘しています。
まとめ
孤独死が増加しているといわれて始めたのは、ここ最近のことです。それまでも身寄りのない人がなくなることはありましたが、まれなケースでした。
またそのような場合でも、近所が助けてくれるというような社会の在り方も変わってきている今、再度法整備の見直しをして、孤独死に関する対応の仕方を統一していく必要があると思われます。
また、個人でも、ひとり暮らしをしている人は、自らの死の在り方についても考え、準備をしておくことも大切です。
誰にでも訪れることのある孤独死ですので、万が一の時のことを考えておくのは決して悪いことではないのです。
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