大手住宅会社積水ハウスに虚偽の土地の売却を装って55億円を詐取した地面師グループらによる詐欺事件で、最後の主犯格カミンスカス操容疑者が逮捕されたのが11日。
そのカミンスカス容疑者に、指示を送っていた一連の地面師事件の首謀者内田マイク容疑者と土井淑雄容疑者が起訴されました。
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積水ハウス地面師事件、首謀者を起訴
土地の所有者や、不動産業者にそれぞれなりすまし、嘘の土地売却を装った「地面師」グループが積水ハウスから売却代金を詐取したとされる事件で、東京地検は22日、無職内田マイク(65)、会社役員土井淑雄(63)の両容疑者を詐欺などの罪で起訴いました。
地検は認否を明らかにしていません。
起訴された首謀者は
今回起訴されたのは、2名、内田マイク容疑者と、土井淑雄容疑者です。
内田マイク容疑者は地面師の「ドン」
警視庁は、事件時、網走刑務所に収監されていた内田マイク容疑者が事件を計画した首謀者とみられています。
内田マイク容疑者は、近年の地面師事件のほとんどに関わっているとされ、関係者の間では知らない人はいない名うての地面師です。
地面師たちは数十人いるといわれて、カモになるそうな土地があると、その都度メンバーが集まって、土地の売却を装って代金を詐取していますが、それらの統括をしているといわれる人物です。
その前の地面師事件で逮捕され、網走刑務所内に居るところを、刑務所内から連絡役を通じて、カミンスカス容疑者他に指示を多くって計画を完遂したといわれています。
土井淑雄容疑者はだまし取った金の管理
一方、土井容疑者は口座を作り、積水ハウスからだまし取った55億円の口座への配分や送金など、詐取金の管理を担っていました。
地面師事件で、最も大切な役割は、最初の交渉の場面と、だまし取ったお金をどうするかです。
お金がそのままわかるところにあっては、詐欺に関わったことが明らかになってしまいます。
足がつかない口座に詐取金を隠し、事件が終わった後にそれを引き出すことで、騙したお金を確実にてにいれることができるわけです。
また、関与した地面師らへの報酬を分配するのも、下の人間ではできません。
土井淑雄容疑者もまた、首謀者格といって間違いないでしょう。
この事件では17人が逮捕されており、ここまでで起訴されたのは8人になりました。
カミンスカス操容疑者は「起訴されない」で帰国したが
一連の地面師事件で、フィリピンに逃亡。11日に最後に逮捕されたのがカミンスカス操容疑者です。
カミンスカス操容疑者はフィリピン出国後、日本の知人と電話で連絡を取っており、同じ地面師事件で逮捕された仲間が起訴されるかされないかの動向を見ていたといわれます。
そして、どうやら起訴はされないようだと踏んだので、自ら日本大使館に出頭、帰国の意思を伝えるということになりました。
起訴されないという予測が帰国の前提にあったわけですが、これでカミンスカス容疑者の予測は大きく外れたことになります。
カミンカス操容疑者実行の流れは
網走刑務所内の内田マイク容疑者と土井淑雄容疑者、両者から指示を受けて積水ハウス側と接触したカミンスカス操容疑者との事件の構図は下の通りです。
今後は、内田マイク容疑者、あるいは、土井容疑者からの指示があったということがわかれば、カミンスカス容疑者も同様に起訴されることになると思われます。
上のような構図が起訴と取り調べで立証できるかどうか。ここからが正念場となりそうです。
地面師事件をやさしく解説