武蔵小杉のタワーマンション、浸水した原因は「内水氾濫」というものでした。
武蔵小杉は多摩川の氾濫がなくても、どうして浸水や冠水が起こったのか。
またマンションの停電や断水の原因と、復旧まで何ヶ月もかかる原因は何か。
今回の台風後にいわれるようになった「都市型水害」についての解説をまとめます。
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武蔵小杉のタワーマンションで停電と断水
武蔵小杉のタワーマンション2棟で、台風19号による浸水被害が起き、いずれのマンションも停電や断水が起きています。
停電となると各部屋のトイレも使用禁止となる他、エレベーターも使えないことになり、住民の方は停電と同時に、不便な生活を強いられることとなります。
このような災害は「都市型水害」と呼ばれるそうです。
「都市型水害」とは
「都市型水害」は、今回の武蔵小杉の台風被害によって知られるところになりました。
なぜ浸水によって停電や断水の被害が起きてしまうのか、都市型水害の恐ろしさ、 そしてその弱点について専門家の説明を掲載します。
なぜタワーマンションで浸水が
一番の疑問は、多摩川の氾濫のない場所で、なぜタワーマンションの浸水被害が起こったかということです。
また、建物ではなくても、JR横須賀線の武蔵小杉駅前も、多摩川から離れているのに、冠水の被害が起きています。
多摩川の一部では氾濫が起こり、その周辺の地域では甚大な水害の被害が起こったわけですが、それよりも西側のJR横須賀線の、武蔵小杉駅付近は多摩川からもかなり距離があり、しかもそこから近い範囲で川が氾濫しているわけではないのです。
なお、ハザードマップでみた場合には、一つのマンションは、浸水深が、3m~5m未満の地域、もう一つは、3メートル未満の地域となっています。
ただし、いずれも、周囲の他のマンションや建物が同様に影響を受けたわけではありません。
また、川と駅との間の地域は無事で、離れたところに浸水被害が起きているのが不思議です。
浸水の理由は「内水氾濫」
その理由を、川崎市の水道局によると「都市部ならではの排水機能が裏目に出た」内水氾濫というものだと、説明しました。
雨が降ると、道路に落ちた道が側溝に流れ込む、これが通常の排水の流れです。
今回の場合は川の水位が上昇していたので、排水溝にたまった雨水が定まった方向に流れることができなかった。
これが逆流するような形になり、側溝から水が出た、このような現象を内水氾濫と呼ぶそうです。
逆流した水の出口が、たまたま武蔵小杉だった可能性があるということです。
そのように、水道局の人が説明しているそうです。
今回は特に多摩川からの水も、排水管を通って出てきてしまったということなので、水量は更に多くなります。
そして、多摩川から近い方のエリアの側溝の排水溝から水が出て行ったのではないか、そのような見解が示されています。
土とアスファルトの違い
この際に土があれば、その月に水が染み込むことになりますが、アスファルトが一面土の上を覆っている都市部では、染み込むような場所がなく、地面の中を通る川のように、全て排水管を通って水が移動する、それが都市型水害の一つの特徴であるということです。
浸水とマンションの停電の関係
それではなぜ、浸水が起こるとマンションは停電をしてしまうのか。
これについては、住宅ジャーナリスト榊淳司さんは「タワーマンションの電気システムが関係」すると説明します。
地下に配電盤があってここに水が入った。 それによって配電盤が機能しなくなると停電となる
マンション管理会社の担当者も、地下3階の電気室に浸水したため停電したと説明しています。
配電盤の設備はマンションの地下に
一般的なマンションでも地下には部屋を作っても売りにくいため、配電盤などの施設が地下に置かれるのが一般的なのだそうです。
ここに水が入ったということになれば、タワーマンションに限らず、どこのマンションでも停電の被害は起こりうる災害です。
ただし
シャッターと止水板など 、水を止める何らかの施策や設備があれば、水の浸入止められたのかもしれないが、その点の対策が不十分であったのかもしれない
と榊さんが付け加えているそうです。
被害が起こった建物と、そうでないところになにかの違いがあったのか、これについては今後の調査が必要です。
エレベーターが止まる影響
停電によってタワーマンションのエレベーターは止まってしまいます。
その際の生活はどうなるのかというと、榊さんの事例では、東日本大震災の時に、住民の男性が子供二人と荷物を持って37階まで 階段を使って登ったという男性の例があるそうです。
37階と言うと、東京タワーのほぼ半分ぐらいの高さ、そこを登るのに、どのくらいかかったかというと、子供2人を連れていたためもあって1時間ぐらいかかったそうです。
下に降りるのは、それほどでなくても、やはり同様に時間はかかりますので、上り下りで数時間はかかるということになり、毎日通勤をするなどという場合は大きな困難が予想されます。
高齢者の場合は、まず住み続けるのは難しいでしょう。
水道が使えなくなる理由
高層階の建物の場合、水はモーターを回して上層階の各階に上げていくという仕組みになっています。
屋上にタンクがあるマンションも時折見かけますが、その場合でもいずれにしても電気でモーターを使って給水が行われています。
停電の際に水が出なくなるのは、そのようなわけですが、これは戸建てであっても水道の元である浄水場のモーターが停電によって止まれば水が出なくなることは、東日本大震災で経験済みです。
トイレは使えるが使用禁止に
トイレそのものは水が出ないだけで、物理的には排水をすることは可能です。
例えば上からペットボトルの水で、トイレを流すのはできることになりますが、トイレや風呂、台所などで流した水はいずれもマンションの下のタンクに溜まることになります。
溜まった水は、モーターを使ってマンションの外の排水管まで運ぶようになるため、停電になるとタンクがいっぱいになって逆流するということが起こります。
なので、停電時にはトイレの使用が制限されます。
修理にも時間がかかるタワーマンション
いずれの問題も、武蔵小杉だけ、タワーマンションだけということではありませんで、一般的なマンションでも起こる問題です。
しかしタワーマンションの場合、修理は他のマンションに比べると時間がかかるようです。
配電盤の清掃業者は
壊れてしまった配電盤が、それぞれがマンションでオリジナルのもの、その部品の平均納期が1か月半、急ぎということで融通したとしてもおよそ1ヶ月かかる
とその理由を説明しています。
タワーマンションの場合は戸数も多いため、どうしても設備が大掛かりになってしまいます。
災害時には修理も順番待ちに
さらにエレベーターについては、エレベーター自体が故障している可能性もあり、電気が通ったとしても故障がある場合にはその確認についても、災害時には公共の病院などが優先されるため、それでも日数がかかるとのことです。
これについては個人では工夫のしようがないだけに残念な問題です。
マンションを契約する際の注意点
それらを踏まえて、マンションを買う時に、停電などの被害に遭わないようにする気をつけたらいいことは、マンションの部屋の設備だけにとどまらず、購入前に見えない部分もしっかり確認することが大切だそうです。
買うまたは借りる前には、電気設備、生活排水設備がどこにあるのか、また配電盤の止水対策ができているのかどうか確認をするということです。
ただし、印西市の無電柱化などの例をみると、千葉県の台風被害で結果的に「無電柱化された街で良かった」というのはあっても、逆に購入前に無電柱化のメリットを考えた購入者はそれほどいないのではないかと思われます。
保険と同じであくまで、万が一のときに役立つかどうか、というものに関しては、そこにどれだけウエイトを置くかということは、難しい問題がありますが、いずれにしても、都市でもこのような災害が起こり得るということ、そして、地震だけではなく、台風とそれ以外の災害時にも起こるものとして、知識を深めておくことは必要なことと思われます。
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