武蔵小杉の投資用タワーマンションを購入した人に、家賃を賃借人に返金するという通達があったことが伝えられました。
武蔵小杉のタワーマンションの2棟に、台風19号の被害で停電や断水が起きたためです。
マンションの復旧までの期間が長引けば、オーナーが負債を抱えたり、物件がやむなく売却される可能性もあります。
投資用マンションの災害リスクについてお知らせします。
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武蔵小杉で台風被害による冠水
史上最大規模ともいわれた台風19号が猛威を振るい、多摩川の一部が氾濫、稀に見る雨量の増加で、大量の雨水と多摩川に注ぐべき排水の一部が逆流したとみられる内水氾濫で、武蔵小杉の駅前エリアが冠水するという事態が発生しました。
排水溝を伝わってあふれた水もあり、武蔵小杉のタワーマンション11棟のうち2棟に浸水の被害が見られるところとなりました。
タワーマンション地下に浸水で停電
浸水だけならともかく、それによる停電と断水で、電気がつかないのはもちろん、水が出ない、エレベーターが動かない、トイレが使えないなどのマンション内の設備に大きな影響が出ました。
タワーマンションには、停電の際の非常用発電機が用意されているということですが、被害が出た2棟のうちの1棟では、その発電機が水につかってしまって使えなかったという情報もあります。
停電被害は、マンションに住んでいる人にとっては日々の生活に大きな支障をもたらします。
エレベーターが使えない高層階の方ほど生活が不可能になり、住民の多くは近くのホテルに部屋を借りて、修復が終わるまでの期間を滞在しているともニュースで伝えられました。
武蔵小杉の投資用マンションへの影響
住んでいる人の不便ももちろんですが、投資用のマンションをを購入し、賃貸マンション経営をしている人にとっては、災害の影響はさらに大きなものとなります。
そこに住んでいるのは自分自身ではなく賃借人なので、生活に支障があるわけではありませんが、即、金銭的な不利益が出るのは、賃借人ではなくて、これらの所有者である投資家です。
停電で住めない間のマンションの賃貸
投資用の購入とは言っても、実際に住もうと思ってたらマンションの部屋を買った人と値段は同じですので、その点でなんら区別があるわけではありません。
投資用にマンションを購入した人は、部屋に居住をする利益ではなく、部屋を人に貸して賃料を受け取るという利益のために、購入費用を出費しているわけです。
停電のあったマンション、つまりエレベーターも水もトイレも使えないという状態になれば、電気が復旧するまで住めないことになり、その状態では家賃は払えなくなってしまうでしょう。
停電時の家賃の返金で収入がゼロに
投資家オーナーはサブリースという仕組みで、管理会社を通して賃貸物件の運営を行っています。
武蔵小杉に停電のニュースが伝わって間もなく、オーナーに関しては、賃貸マンションの管理会社が、マンションの部屋を借りている人から受け取った賃料を借主に返金するという通告があったようです。
そうなると、オーナーの取り分がその分減ってしまうことになり、オーナーは賃料の利益から、かなりの割合をマンションの部屋のローンを当てているため、賃料が入らないと、ローンの支払いはその間は自分で負担しなければなりません。
電気がすぐに復旧したならともかく、 復旧まで数ヶ月もかかると言った場合は、その間はずっと賃料は入らない計算になります。
停電の復旧までの期間が問題
なお、今回、被害を受けたマンション2棟のうち、1棟は、1週間後には電気が復旧したという話が伝わっていますが、もう1棟の方は、今のところそのような情報は伝わってきておりません。
住民説明会の様子を伝えるニュース番組では、電気の復旧までは最短で1か月、長くて3か月との説明があったということですが、「めどが立たない」という表現を用いたメディアもありまして、住民の方はもとより、オーナーにとっては、大きな打撃となります。
すなわち、その間のマイナス分を、自分の資産の中から負担し続けるようになりますが、修復の期間が長引き、返済が難しくなった場合には、マンションそのものの売却が迫られるようになるでしょう。
災害は新たなマンション投資のリスク
サブリースの場合は、部屋を借りる人がいなかったとしても、毎月決まった賃料がオーナーに振り込まれる事になっていますので、今回のような返金のため賃料収入がないという事態は極めて稀なことで、マンション投資の新たなリスクともいえます。
もし武蔵小杉のタワーマンションに引き続き台風や大雨による浸水被害が心配される場合には、現在借りている人が移ってしまったり、借り手が減ってしまう可能性もあります。
また、投資用のマンションを保有している人がどのくらいいるのかがわかりませんが、返済が差し迫って急ぎで売却となれば、マンションが安く売りに出されることも考えられます。
これまでは、タワーマンションやマンションは、地震や地盤に関心が向けられていても、台風と大雨による浸水被害と、それによる長期の停電というリスクはあまり挙げられてきませんでした。
これからは、投資用マンションとは言えども、ハザードマップの確認など、災害時の影響をきちんとチェックする必要がありそうです。
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