晴海フラッグの売れ行き、抽選で71倍の住戸が話題となりました。ほぼ完売でありながら、実際は「微妙なところ」。
その後はコロナ禍で入居が1年延期となる事態に見舞われました、今後はどうなるのでしょうか。
晴海フラッグの売れ行きについて、情報を集めてみました。
スポンサーリンク
晴海フラッグの売れ行きが知りたい
目次
晴海フラッグは第一期が既に発売、抽選で71倍の住戸があるほど人気のマンションです。
売れ行きについては、ほぼ完売らしいのですが、まだまだ、一番最初の販売の第一期でのこと、さらにコロナ禍もあいまって決して楽観できる状況ではなさそうです。
晴海フラッグ概要
晴海フラッグというのは、湾岸にできる新しいエリアに建つタワーマンション2棟を含むマンション群の総称です。
大手11社が手掛けた、史上最大のプロジェクトといわれています。
- 正式名称 HARUMI FLAG
- 総開発面積 約13万4000平方メートル
- 建物戸数 24棟 商業施設を含む
・分譲 4145戸
・賃貸 1487戸 - 売主
三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、野村不動産株式会社、住友不動産株式会社、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、大和ハウス工業株式会社、住友商事株式会社、NTT都市開発株式会社、日鉄興和不動産株式会社、住商建物株式会社
晴海フラッグ第1期の販売状況
最初に発売になったのは、19年の夏、その時で最高倍率は71倍と報道されました。
販売されたのは、SEA VILLAGE(シービレッジ)とPARK VILLAGE(パークビレッジ)。
第1期販売戸数は、1次が600戸、2次340戸の計940戸でした。
申し込みがあったのは、893戸に対し2220件。
最高倍率は71倍、平均倍率は2.36倍とのことです。
晴海フラッグ第1期の分譲価格
■SEA VILLAGE
販売価格:7,550万円(2戸)~23,000万円(1戸)
最多販売価格帯:8,600万円台(15戸)
■PARK VILLAGE
販売価格:5,400万円(1戸)~13,240万円(1戸)
最多販売価格帯:6,400万円台(24戸)
各マンションの詳しい価格表は以下のサイトで見られますので、ご活用ください。
晴海フラッグ契約済みは894戸
晴海フラッグの第一期で契約済みの部屋は、894戸。
引き算では36戸が売れ残っている部屋ということになります。
倍率としては高くても、「申し込みのなかった部屋もある」(住宅評論家 櫻井幸雄さん)ということです。
抽選で高倍率となっても、せっかくの晴海フラッグ、眺めのいいところでなくては、買う意味がないということなのでしょう。
櫻井さんの言う通り、全部の部屋に希望者があったわけではないのです。
そして、第一期がそうなら、このあとの販売でも同様の”売れ残り”の予想ができるかもしれません。
晴海フラッグの実際の売れ行き
晴海フラッグの売れ行き、それも実際の売れ行きはどうなのかというと、不動産関係者の意見では
悪くはないが手放しで喜べる数字でもない
2.36倍くらいでは足りないということなのですが、それでは、どのくらい申し込みがあればよかったのか。
最終的に4145戸を売り切るには、4~5倍
という上記の倍率が求められるという予測があります。
単純に考えれば、全戸を売り切ると考えられる倍率5倍と比べて、2.36倍では半分以下ということになります。
というのは、これには不動産投資用の住居の購入が少なからず含まれていて、住まいの実需としての購入は、2倍を下回るということです。
晴海の人気がなくなったりの、コロナの影響で不動産投資が下火になれば、晴海フラッグは、抽選の必要すらなくなってしまうかもしれません。
晴海フラッグが売れ残る原因は
晴海フラッグが売れ残りとは言わないまでも、若干の不振がうかがわれる原因は、価格が高かったからだという見方があります。(週刊ダイヤモンド’20年2月9日号)
晴海フラッグの土地は、東京都から安く手に入れた土地であったので、その取引額に周辺住民が苦情を申し立てたくらいです。
選手村晴海フラッグマンション分譲11社 超過収益の半額を都に
晴海フラッグの坪単価302万円は高い
なので、実際のマンションの価格はもっと安くなる予定だと思われていたのですが、平均坪単価は302万円です。
周辺よりは2割は安いと言っても、6千万円台が主流となれば、手に入る人は限られてしまい、この価格の高さが売り上げの足を引っ張っているのは間違いありません。
晴海フラッグの価格が高い理由
それではなぜ、晴海フラッグは、売れ行きを落としてでも価格を高めの設定としたのか。
もし、晴海フラッグが極端に安いとなると、誰もが晴海を買いたいとなってしまいます。
結果、周辺のマンションが売れなくなってしまうということで、価格をあえて高くしたというのが一つ。
都内のマンションの売れ行き不振
もう一つは、おそらく、マンションが売れ残ることは、あらかじめ予想されていることなのではないかと思います。
今回の抽選を見ても、価格が高かろうが、71倍なのですから、価格がの高さだけがそう問題というのではありません。
良い部屋は高くても買う人がいる、そうでない部屋は売れ残るのも決まっている、その差分を相殺するために、高値に設定したということもあるのかもしれません。
あるいは、安めに設定したところで、全戸が売り切れるわけではない、必ず売れ残りは出るという想定なら、最初から高めにした方がいいわけです。
中古住宅の値段の設定と同じで、最初から安くしていたらその値段でしか売れなくなってしまいます。しかも、1戸2戸単位の話ではないのですから、何とか売れるぎりぎりのところでもあるらしいのです。
以前の記事でも書いたことですが、大手のデベロッパーは値引きはしないということで、それだけに売れ残りを維持するのはコストがかかります。
マンションの値引きをする販売会社 しない会社「住友不動産方式」とは
最初の宣伝効果で売れるだけ売るというのも、戦略であるのかもしれません。
そして、その最初の効果が、”五輪レガシー”。オリンピックとオリンピック関連のビジネスが華々しければそれだけ、晴海フラッグは勢いに乗って売れたはずです。
晴海フラッグ現在の販売状況
晴海フラッグは、上記の販売に続いて、SUN VILLAGE(サンビレッジ)とSEA VILLAGE(シービレッジ)の、それぞれ2期と1期を販売する予定でしたが、現在は、コロナの影響があって、販売は休止となっています。
オリンピックの延期に伴って、契約が決まったところも、入居が少なくても1年は延期となる見通しです。
しかも中止になるか、それより後になるかもはっきりしていない「不定」の状況ですので、既に決まっている契約者に対しても、普通では行われないキャンセルが可能になりました。
仮にオリンピックが中止になったら、この分の入居は逆にそれより早まる可能性もあるかもしれません。
これまでの契約者にとっては良い話ですが、五輪レガシーの「レガシー」の部分は削ぎ落されてしまいます。
入居がはっきりしない、予定していたレガシーのプレミア価値もない、しかもコロナの施設にするという話も出たことがある、となると、タワマンの浸水が起こった武蔵小杉と似ていて、何となくこれまでのような憧れは少なくなっています。
そして、五輪が華々しいのと売れ行きが比例するとすれば、これらの晴海フラッグにまつわる不確実性が、購入のモチベーションを損なう気がしないでもありません。
不動産は高い買い物ですので、榊淳司さんが「背伸び買い」とも言ったように予算とはまた別の問題で、晴海フラッグの社会的なプレミア価値の承認が購入者の意欲を後押ししている面があるでしょう。
しかし、五輪そのものに関する不測の事態が生じてしまった今、晴海フラッグの売れ行きはこの後はどうなるのか。
とりあえず五輪開催の動向を見ていくしかありませんが、これからについては、晴海フラッグに限らず、変化に対応する購入計画が必要です。
晴海フラッグの「割安物件」を紹介
また、沖さんは、自サイト 【住まいサーフィン】 で晴海フラッグどの部屋が相対的に安く、損しにくいかを「住戸比較レポート」にまとめた資料を作成。
入手した価格表から面積・階数・向き・角住戸・最上階などを考慮して、一般的な値づけをした場合との差分を計算して公開しています。
差分の大きなものが「割安」となるわけですが、それがどの部屋なのかが分かるそうです。
沖さんのサイト 【住まいサーフィン】 の会員となると見られますので、他のマンションの情報と併せてご活用ください。
住まいサーフィンへは下のリンクから