中古住宅の選び方というと、家選びだと思っていませんか。
中古住宅を買う際には、よい家を買う、お得に買うということも大切ですが、リスクのある物件は買わないようにしたいものです。
その際の物件のチェックポイントをまとめてみました。中古住宅の選び方のコツをお知らせします。
中古住宅の選び方で大切なのは
家を探したいなと思ったら、以前なら、不動産サイトに行くのが主流でしたが、現代では、スマホやパソコンを使って家探しをするのが当たり前になりました。
情報はいつでもリアルタイムで、時には動画でも見られるようになり、大変便利になったのは間違いありません。
しかし、画像がすぐにみられるので、視覚の方にウエイトが多く依存しており、ともすると家選びの最も大切なところがなおざりにされる危険性がある気がします。
中古住宅は資産価値が大切
中古住宅の選び方というと、中古住宅の選び方は、住宅の良しあしを見極めることだと思ってはいませんか。
リフォームが必要か、まだまだ住めるか、長く住むとしてこのあとどのくらい持つか、そのようなところを気にされている方が多いと思うのです。
もちろん、家も大切なのですが、そればかりではありません。
なぜかというと、中古住宅の場合、「家」の資産価値を決めるのは、建物ではないからです。
中古住宅を買う上で一番大切なことを言えば、資産価値のない家は買ってはいけません。
買った後で売れない家、極端に値下がりが予想される家は、買ってはいけない物件です。
家の価値は、部屋の良さや単なる住み心地といったものでもありません。
ここが賃貸住宅の選び方と、中古住宅との大きな違いです。
中古住宅選びは土地選び
ですので、「中古住宅の選び方=家の選び方」ではありません。そのような考え方をしていると損をする危険性があります。
なぜならば、「家=建物」の価値は、20年経ったらほとんどゼロなのです。
中古住宅の価格が、新築に比べて安いのは、家の価格が安いからです。土地の値段は新築も中古も一緒なので、中古住宅の購入の際、「家=建物」にとらわれることは得策ではありません。
中古住宅の価格は、築年が古ければほとんど全部がその土地の値段だと思ってください。
家の価値は、新築の家の場合だけです。中古住宅の価値は、何よりも”土地”にあるため、土地の価格は、必ずチェックをしておいてください。
中古住宅選びのチェックポイント5つ
以下に、中古住宅購入の際のチェックポイントをあげます。
これは新築でも同じ、家購入の際のもっとも大切な点です。
- 土地の坪単価を調べて価格が適正かチェック
- ハザードマップで災害のリスクを知ろう
- 接道に持分なし私道などの問題はないか
- 周囲に所有者不明の土地や空き家がないか
- コンパクトシティ、立地適正化計画の範囲かどうか
これとは別に、建物の状態のチェックについては、インスペクションを受けておけば安心です。
インスペクションについては下の記事を
土地の坪単価を調べて建物の価格を割り出す
まずは、上記にあげたサイトを参考にして、土地の坪単価を調べます。
もちろん、内見の際、不動産店の営業員に聞いてもいいとは思いますが、不動産の検索サイトを見ている間に調べておく、比較をしておくのが得策です。
土地の坪単価がわかったら、全体の価格から差し引いて、その家の価格がどのくらいかということが推測できます。
これについては、実際に不動産店の担当者に確認するのがいいと思います。
ハザードマップで災害予想
近年、中古住宅を買う時に問題になったのが災害とその対策です。
地震の他にも浸水に対する事前の意識が重要です。
不動産店は「重要事項説明」の義務がありますが、浸水被害は底に含まれていないためです。
自分で調べるのが一番確実です。
中古住宅の周辺環境も見よう
さらに、中古住宅の家の周り、周辺環境も必ずチェックが必要です。
これは、たとえば、「駅まで何分、スーパー何分」というのは言うまでもありませんが、それ以上に、回りに空き地や空き家、所有者不明のところがないか等を見ることが必要です。
つまり、周辺の町全体という目で見てみるのがいいのです。
たとえば、買った家が築2年でも、隣が築60年の所有者不明の空き家であれば、問題が起きる可能性もあります。
家の良しあしや価格だけではなく、物件の情報には書かれていないところも注意してみてみましょう。
また、よく知らない町で家を買う時は、時間を変えて日照や周辺の状態を見ることも必要となります。
住宅の接道もチェック
もうひとつ、家を買う時に大切なのは、家だけではなくて道路です。
接道が私道ではないか、私道なら持分があるかどうかも、必ず聞いてください。
持分なし私道のみの接道の場合は、買うことはできてもローンが使えません。
また売る際にも売ることができないので注意が必要です。
土地を買うなら私道かどうか確認!通行権はあるが持分なしでトラブルに
「再建築不可物件」の中古住宅
他にも再建築不可物件というのがあり、リフォームはできても家の建て替えはできないという土地がこれに当たります。
ですが、再建築不可については、通常の物件と売買であれば必ず説明がありますので、まず心配はないと思います。
再建築不可物件が売れない!隣地取得,等価交換,34条の但し書きもチェック!
自治体の立地適正化計画のエリアをチェック
そしてもう一つ、広い意味でのチェックポイントとして、中古住宅のあるエリアが、自治体の立地適正化計画の範囲内か、外になるのかも調べておきましょう。
自治体によりますし、今すぐの問題ではありませんが、長期スパンで考えた時には、コンパクトシティに漏れると、地価が落ちたり、住民サービスが低下するなど問題が起きる可能性があります。
これについては、下の記事をお読みください。
コンパクトシティ構想の立地適正化計画で地価が上がる 空き家に補助金の可能性も
売れない中古住宅は買わない
中古住宅は、家そのもの、建物の欠点などはむしろ何とでもなります。
万が一家に問題があった場合は、更地にして売ればいいだけです。
しかし、持分なし私道や再建築不可物件の場合は、売るに売れません。
チェックをするべきは、あとからどんなにお金を払おうとも改善ができないような条件がないかということです。
土地には、そのような条件の悪い土地というのもあるということを、知識として知っていることが大切で、それが、家選びの一番大切なポイントといえると思います。
よい家を買う、お得に買うということももちろん大切なのですが、それ以前にリスクのある物件は絶対に買わないように注意していただきたいと思います。
以上、ざっとですが、家選びのポイントを書き出してみました。
中古住宅の家選びについては引き続き記していきたいと思います。