空き家がどの地域でどれだけ増えるかの指標となるデータが空き家予備軍率というものです。
空き家予備軍は前回の土地調査で高齢化の割合から空き家の増加を予測するものです。
空き家率と空き家予備軍率の高いの高い自治体ランキングをお知らせします。
これらの地域に不要な空き家を持っている場合は、できるだけ早く売却をするのがおすすめです。
空き家予備軍とは
総務省の住宅・土地統計調査の最初の調査では(2013年)65歳以上の高齢者だけが住む戸建ては7%と発表されました。
2018年の最新の調査では、28.8%と増加しています。
それら高齢者の家の多くは 家主の死後も相続人が入居をせず、古い家屋は買い手がつかないこととあいまって、そのまま空き家となって大都市にあふれてくると予想されます。
現在高齢者の住んでいる家はそのまま「空き家予備軍」なのです。
そのような家は、あなたの周りにもないでしょうか。
高齢者だけが住んでいる家、それがすなわち「空き家予備軍」です。
空き家は地方では深刻化
大都市については、心配はこれからですが、地方においてはこれらは既に問題化しており、相続されたものの、空き家となっている家や実質的に放置されている家も少なくありません。
なぜそうなるのかというと、地方においては土地も空き家も全く売れないからです。
これまでは問題の空き家は、駅からかなりの距離がある農村地帯が中心でしたが、今は先は団塊世代の購入した郊外型の住宅団地に広まりつつあります。
大型住宅地では、各地で既にスポンジ化現象が始まっているのです。
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空き家予備軍は28.8%に増加
空き家の最新の調査は2018年の「住宅・土地統計調査」になりますが、それによると全国の持ち家は現在3280万2千戸、高齢者のみ世帯が住む戸建住宅が、829万戸で、これが空き家予備軍と呼ばれます。
空き家予備軍の割合、即ち空き家予備軍率は、28.8%となっています。
東京、大阪、名古屋の3大都市においては住宅密集地のため、その過半数が占められています。
2013年が前回の調査ですが、そこから見ると、720万戸から、5年間で109万戸が増加したことがわかっています。
これからは大都市の街中にも空き家が見られるようになりそうです。
空き家予備軍比率が高い自治体ランキング
空き家予備軍率が高い地域別自治体、最新の2018年の結果は以下の通りです。
各エリアの上位3位のみです。
北海道・東北
順位 | 市町村名 | 空き家戸数 | 空き家予備軍率 |
1位 | 室蘭市 | 9740戸 | 42% |
2位 | 旭川市 | 3万8120戸 | 41% |
3位 | 釧路市 | 1万7750戸 | 38% |
関東地方
順位 | 市町村名 | 空き家戸数 | 空き家予備軍率 |
1位 | 東京都台東区 | 7690戸 | 38% |
2位 | 桐生市 | 1万3510戸 | 36% |
3位 | 横浜市磯子区 | 9620戸 | 34% |
東海甲信越・北陸地方
1位 伊東市……9200戸 42%
2位 上田市……1万5470戸 34%
3位 名古屋市西区……7490戸 33%
近畿地方
1位 河内長野市……1万0800戸 37%
2位 寝屋川市……1万7500戸 34%
3位 吹田市……1万5920戸 34%
中国・四国地方
1位 岩国市……1万7110戸 41%
2位 三原市……1万1040戸 39%
2位 下関市……2万7230戸 39%
九州・沖縄地方
1位 北九州市小倉北区……8790戸 41%
2位 佐伯市……8820戸 40%
2位 鹿屋市……1万3120戸 40%
空き家予備軍率2013年
2013年時点では全国合わせての集計での5位までは下のようになっていました。
1.千葉県我孫子市……27.5% 1万1643戸
2.東京都町田市……27.3% 3万293戸
3.兵庫県川西市……26.4% 1万4472戸
4.東京都三鷹市……25.7% 1万475戸
5.東京都東久留米市……25.5% 7545戸
(戸建てと含マンション)
空き家が増える原因は何か
空き家は増えている原因の一つは、相続した人が既に親の実家とは別な持ち家を持っていることです。
それだけ豊かになったとは言えますが、管理する家が2つになってしまうというところが問題です。
それと、いわゆる「新築信仰」といわれる風潮です。
新しい団地が空き家を増やす
古びた郊外型住宅団地のすぐ隣に、新しい団地が造成され、次々に新築住宅が立ち続けている光景はいたるところで見ることができます。
買う方の人は高くても新しい団地の方を買うために、空き家が入れ替わることはありません。たいへんに不経済なことです。
これが繰り返されると、古い家は今住んでいる人がいなくなれば、必ず捨てられる運命にあるといえるのです。
空き家が増えるとどうなるか
空き家が増えると居住密度がさがります。
面積が広いのに人がこれだけしか住んでいないという、過疎の状態となります。
居住密度が下がる、すなわち人口が減少すると、これまで当たり前となっていた水道やゴミ収集などの行政サービスの効率が悪化します。
料金が高額になるのはまだいい方ですが、ゴミの収集の回数が減ったりします。また、病院や他の行政施設も減り便利が悪くなります。
またショッピングモールなど商業施設は撤退しますので、高齢者のいわゆる買い物難民も増えることになります。
空き家の相続への影響
空き家を相続しても売れないとなったら、相続放棄と相続未登記が増えます。
相続人当人にとってはよくても、結局自治体にとっても管理が手に余ることとなり、大きな問題となっています。
中古住宅の流通を良くする、新築住宅の機制を行う、リフォーム後の住宅も資産評価できるようにするなどの工夫が必要とも言われていますが、これは行政レベルでの話で実現には時間がかかりそうです。
空き家の相続の準備
これから空き家を相続する場合にはどのようなことに注意が必要かというと、とにかく、売る努力を自分でも考えることが第一です。
不動産屋も中古住宅販売のメリットが薄いので、空き家の売却を断るところも出てきます。
ネットの一括査定から引き受けてくれそうな不動産店を探したり、不動産買取も今なら売れます。
他には自力で、口コミのネット版である取引サイトなどを利用してみるのも良いでしょう。
空き家の相続放棄
最終的な手段としては、相続放棄も考えられますが、資産にならないからと安易に相続放棄をするのも考えものです。
皆が相続放棄をしていたら、結局自治体への負担が増えて、ますます住みにくい町になってしまいます。
できるだけ住んでほしい人を探して低価格でも譲ることが、相続人当人にとっても街にとってもいちばん良いことでしょう。
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