老後に公営住宅に住むということは、不動産の資産価値が低下した現在では一つの選択です。
老後にそれまで住んでいた戸建やマンションを売って引っ越すことはたいへんですが、公営住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
実際の実家の両親の実例をもとに、公営住宅への転居のメリット・デメリットについて調べたことをお知らせします。
両親が老後に公営住宅を希望
マンション住まいの両親から、今のマンションを売って公営住宅に入ったらどうだろうという相談を受けました。
両親は現在80歳になったところです。
今のマンションは人口減少の著しい地方にあり、まもなく築30年になろうとしているところです。
資産価値は落ちているのには違いないのですが、田舎であるにもかかわらず、近くに工業団地があるため単身の入居者もかなりいます。
そのため、低価格ながらしばしば売買が行われており、最近も入居者があったというので、両親もマンションの売却について考えるようになったようなのです。
公営住宅を希望する理由
母がそのような希望を持つに至った理由は様々ですが、おおむね次のようなことのようです。
- マンションの管理費を年金で払う負担が大きい
- 郊外の家は運転をやめた高齢者は住めない
- 売れないマンションを相続させたくない
一つずつ考えていきましょう。
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1.マンションの管理費が老後の負担
母が不安に思うのはまずは、マンションの管理費の高さが一番でしょう。
原液ならともかく年金生活においては、月々の管理費と修繕積立金約3万円強を支払い続けることに不安を抱くようになっていました。
というのも、現在80代の両親はだいぶ前から年金暮らしをしているのですが二人とも自営業で、年金を全額納めていなかったので年金額がかなり低いのです。
二人で暮らしている間はともかく、管理費が支払い続けられるのかどうかが心配になったと言います。
年金額が少ないだけに、管理費を払ったら残りがそれだけ少なくなってしまいます。
公営住宅に移ったとしたら高額な管理費は不要ですので、管理費分だけでも家賃がおさまるのはいいところです。
2.郊外住まいは老後に不便
さらにマンションとはいっても母の住んでいるのは都市部ではなく、畑の中に立っているようなマンションですので、 車の運転ができなくなってからはどうするのかの問題があります。
実際生活するのに不便なところに住んでいると、交通費がかかります。
母は免許を返納してしまったようなので、父が運転をやめたら車には乗れません。
そして悪いことに公共交通であるバスは、だいぶ前から廃止になってしまっています。
車がないと生活できないところに、老後に住むというのは極めて不安なことですね。
3.売れないマンションの相続問題
もう一つは、そして自分たちが死んだ後の相続の心配です。
今はまだ、低価格ながら入居の動きはありますが、5年後や10年後になってからでは、マンションは築30年を超します。
地方のマンションはその頃に売れるかどうかも定かではありません。というより、売れないと考えた方がいいでしょう
母は「後に残る人に迷惑をかけたくない」ともいいますが、マンションが売れない場合は、相続をした私が固定資産税及び、毎月の管理費を支払う必要が出てきてしまいます。
そこで、マンションを売ってどこでもいいので引っ越したいが、80歳を過ぎて家を買うわけにはいかないので、公営住宅に入るのはどうかというのが、母の提案だったのです。
公営住宅に入るメリット
母が公営住宅がいいという理由は一つならずあります。
公営住宅には下のようなメリットが考えられます。
公営住宅は家賃が安い
一つはもちろん家賃が安いということ。
公営住宅は収入に応じて家賃が決まります。
両親は年金生活で年金額がわずかなので、その限りにおいては低所得者の部類に入ると思います。
UR賃貸住宅や公社賃貸住宅では、高齢者向け住宅などの物件によって一定の条件のもとで家賃補助を受けられる場合があります。
さらに、公営住宅では収入に応じた家賃設定になるので、収入が低ければ低いほど家賃負担も少なくなります。
高齢者でも部屋が契約できる
もう一つは民間のアパートだと高齢者が契約がしづらいということにあります。
大家さんの方は孤独死はできれば避けたいところですので断られるところが大半です。
単身の高齢者はきわめて借りにくいのが実情なのです。
相続の心配がない
もちろん、公営住宅は賃貸ですので相続の心配はありません。
固定資産税の負担も管理費もいらないし、死後は部屋は返せばよく、空き家となって後に残るということがないのは、相続する人にとってもたいへん安心なことです。
相続物件がいつまでたっても売れない、こんなことなら相続しなければよかったという嘆きは生まれないことになりますね。
公営住宅のメリットまとめ
再度公営住宅のメリットをまとめると下の通りです。
・家賃が安い…管理費や修繕費、固定資産税も不要
・高齢者でもOK…誰でもが借りられて制限なし
・使用後の住居が空き家にならず、売れない心配や相続の心配がない
その他にも、都市部の公営住宅には
・ご近所が親密で老人同士の交流が望める
・大型の団地だと周辺にお店や病院がある
などのメリットがあることもわかりました。
あくまで場所によるとは思いますが、このような条件の良いところが見つかれば理想的な住まいと言えますね。
公営住宅のデメリット
良いところが多くある公営住宅ですが、逆に公営住宅にデメリットはないのでしょうか。
こちらについても調べてみたら、下のようなデメリットがあることもわかりました。
公営住宅は築年が古い
公営住宅は古いものになると、昭和50年代に建築されたものもまだ残っています。
母は古いところでも構わないとはいいますが、今住んでいるところは古いとはいえマンションです。
見た目も住み心地も設備も劣るところが多数ありますが気にならないかが心配ですね。
また、あまりに古いところだと、住み始めてまもなく取り壊しになるような事があっては困りますので、その点は確認したほうがいいかもしれません。
エレベーターがないところも
公営住宅のもう一つの問題は、エレベーターが設置されているところが少ないということです。
しかも、多くの空き室は1階や2階などの低層階ではなくて、3階以上が多いことがわかりました。
これからの建物であれば、エレベーターが設置されるところが多いと思いますが、古い建物にはそれがないので、エレベーターの有無が高齢者が住むときの一つの障壁となっていると言えます 。
もちろん、場所によってはエレベーターがある比較的新しい建屋も選べますので、高齢母の場合は、多少家賃が高くても移動がスムーズにできるところを探すということになりそうです。
公営住宅は郊外が多い
自治体によっても違うかもしれませんが、母の市にある公営住宅は、どちらかというと土地が空いている郊外に多く見受けられます。
必ずしも目の前にお店や病院がある所ばかりではないので、周辺環境とバスの利便性を必ず確認する必要があります。
公営住宅の入居に関しては、いつでもどこでも希望するところに入れるというわけではなく、それなりに条件の良いところは競争率が高いのですぐに入れるというわけではありません。
逆に希望するところに入りたい時は、しばらく待つことも必要です。
持ち家を売った後すぐ入居できない
そして、もう一つ、持ち家を売って公営住宅に入りたいという場合は、引越しのタイミングがどうしてもずれが出ます。
公営住宅は持ち家がある人は入れないことになっているところが多いのですが、家を売ってすぐ引っ越しできるように、売却と入居のタイミングを考える必要がありそうです。
そもそも、老後の不動産の売買契約は、やはり子供が立ち会う必要があるでしょう。
公営住宅のデメリットの解決法
確かにデメリットもあるのですが、それについては事前に条件に合致するところを選ぶことで解決ができそうな気がします。
一例としては
・築年が古い・・・新しいところを選ぶ
・エレベーターがない・・・エレベーター付きの建屋を選ぶ
・不便なところにある・・・周辺を確認の上便利なところに入居希望を出す
・持ち家を売るタイミング・・・引き渡しを入居に合わせるなどして調整をする
これらについては、事前に該当の自治体に相談をしてみるのもいいと思います。
公営住宅の場所や築年は一覧で既にネットで見られますので、そこから確認をするのがいいでしょう。
まとめ
公営住宅のメリットは何と言っても家賃がやすいところ、また空き家などの相続の心配がないというところです。
一方で、デメリットもあるにはあるのですが、公営住宅はいろいろな場所にあるので、多少入居を待っても条件の合うところを探すことで、老後とはいえ快適な生活が送れる可能性もあります。
相続はもちろんですが、それ以前に両親が幸せに暮らしてくれることがいちばんです。
いずれにしても引っ越しができるうち、少しでも若いうちに行動を起こすことが大切です。
家の売買は認知症になってからではできません。
今のうちに持ち家の価格を調べておきましょう。
地方に強い第1位 イエウール |
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