私の売却体験

私道の持分取得で手数料を稼ごうとした不動産業者の困難【売却まで17】

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実家を売りに出したい、仲介を依頼しようかと考えて、その下見に来た中央不動産。

私の方は、見積もり金額を聞いて考え、結局、そこには仲介の契約はせずに断りました。

その時点で、接道が持分なし私道であるということは話してありました。もちろん、その場合は、持分を取得するのが望ましいのです。

しかし、中央不動産の社長は、私が依頼にしていないにもかかわらず、私ではなく、家の前の道路に面する他の3軒の家に私道の持分取得の話を持ちかけたのでした。

しかし、私道の持ち主との交渉が困難になった社長から、うちに再び電話が入ったのでした。

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私道の通行権と掘削権について

 

私はその時点で持分買取業者への売却が決まっており、しかもその業者に私道の件も依頼することになっていました。

私道の取得の場合、近所と同時にするのが望ましいわけです。例えば、私が一人で私道を買ったとする。すると、その私道は私の物になりますので、極端な話、他の人は通らないでください、ということもできます。それを通行権といいます。

そして、うちの場合は、その道路を通らないと家に入れない囲繞地に住むAさんはこの道路への通行権は奪われませんが、他の2軒は道路を使いたければ、私と交渉する他はなくなります。

その2軒の角地の家はいずれも、門と玄関は、交通量の多い市の道路の方ではなく、私道の側に面しています。

道路は単に通行するという用途以上に、道路にはインフラ設備、水道管やガス管が埋まっています。もし水道管が破損をしたりすると道路を掘り返さなければなりませんが、私道の権利を持っていない人はそれを掘り起こす権利を持っていないことになります。それが掘削権といわれるものです。

なので、どのみちこのような場合は、その道路を使う4軒が一緒に行うのが望ましいのです。

上の図の赤いところが、私の実家です。他の家は、条件は少し違いますが、全部の門と玄関が私道に面しているという状況でした。

私道の権利は隣近所と共有するべし

一方、道路を所有している、その団地を分譲した建設会社の方は、たとえば、誰かが一人に私道を売ってしまった場合は、上記の点で問題が起きやすくなります。

ましてや、土地を売った会社であって、それを40年後に今更私道などということは、それ自体があり得ない状況なのです。

あるいは、そうでなくても、私が一人で取得と登記をして、他の人がまた同じ登記をしていては、会社の方の人は、私道そのものの土地代は取らないと言っている以上、面倒が増えるだけです。なので、尚更、4軒一緒ということなのです。

ところが、中央不動産の社長は、それを私が言っているにも関わらず、私の話を聞き入れずに3軒に話をしてしまったのです。実際、私が依頼する話ならありがたいなのですが、結局バラバラになったとしたら、私道の権利は取得できません。

私道を使う4軒で話を合わせる困難

私の方はとにかく土地が売れさえすればいいので、たとえ費用がかかろうとも、所有者の会社と争うようなことは必要ないのですが、他の3軒の中には、所有者の会社に不満を持つ人がいて、弁護士を雇おうなどということになったら大変です。実際市役所ではそのように勧められたからです。

これから売る土地のために出費以上に時間がかけられない。だからとにかく、土地の価格が下がってもいいので、現況のまま業者に売ろうとしたら、上記のような展開になってしまったのです。

仕方がないので、買い取る方のパリス不動産に伝えました。家の中も見ないで、次の日には、50万で買い取ります。と言ってくるような社長は、そんな細かいことはいちいち気にもしないらしく、「家を買い取ってからでいいと思いますよ。そちらの不動産屋さんの連絡先を後で教えてくださいね」で済んでしまいました。

夫にも、「そういうのは業者同士で何とかするので、加わらない方がいい」と言われ、結局それについては、全部をパリスに任せることにできたのです。

私道をめぐるそれぞれの思惑と最後の電話

そしてその後どうなったかというと、売却が住んでから日が経ってやっとゆっくりできるようになり、家のことは忘れかけていたころ、中央不動産からまた電話が来ました。

「3軒だけでやる」と言い張っていたのに、私に「ななみさんも一緒にやりませんか」と下手に出てきたところを見ると、やはり所有者の鈴木建設に「4軒一緒でなくては譲らない」と釘を刺されたのでしょう。

最初からそういう約束で、実際土地の持ち主である私と、その関連不動産業者のパリスが電話を入れて、4軒一緒を承知しているのに、あとから聞き及んだ関係のない業者がうまい話だと連絡してきても、嫌な顔をしたに違いありません。

私道の所有者は大手ゼネコン 譲っても利益なし

実際、こういうのは、誰にとってもお金になる話ではないのです。喜ぶのは仕事をもらった司法書士だけなのです。

鈴木建設にしてみれば、ここは一度倒産したものの、大きな会社、ゼネコンなので、分譲時の責任はあるとはいえ、お金にならない道路の名義変更など、場合によっては取り合わなかったかもしれません。

担当の三田さんは自分で言いましたが、

「古い話で書類もなくなってしまっている。それで誰もやりたがらないので、最後に私のところへ回ってきたのです」 

三田さんは経理の人なのです。その最初の返事がくるまでに.2、3週間は待ったでしょうか。半分位は無理かと思っていたところ、返事が来て譲ってくれるとなった時はとてもありがたかったです。

私道の持分取得は必須

私はパリスに引き継いでも、持分を取得しないと、売却できない。他の家は、通行できない、掘削もできない。なので、登記費用は掛かっても必ずそうしなければいけないのです。

そして、鈴木建設の方も、譲れば費用はゼロでも、争った場合は訴訟になって費用が膨らみかねない。なので、面倒でも誰もがやらざるを得ない。

昨今の所有者不明土地もそうですが、するべき時にするべき人が、きちんと手続きをしないと、登記はたいへんなことになってしまいます。

今のところ4軒全部が揃いましたが、もし、どこかの家が空き家となっていたら、私道の持分取得に関しても、あるいは何か問題が起きていたかもしれません。

上の中央不動産の最後の電話には、私は「家を売ったのです」と返事をしました。もう父の土地がなくなった以上、私が加わる必要はなくなりました。

たぶん、パリスが中央不動産と話をして、4軒全部が40年目にして私道を晴れて共有することになったのだったかもしれません。

私自身は売却を終えた今、懐かしい実家に通じるその道を、二度と踏むことはないでしょう。

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