共有持分の売却とその知識は、共有名義の不動産を売りたい時に役立ちます。
共有名義とは何か、共有名義の不動産の売却と、持分売却以外の解決方法や共有名義の不動産のトラブルについてまとめます。
共有持分の売却
不動産の共有持分とは、共有名義のその割合を表す言葉です。
もっと簡単に言うと、共有名義の不動産も、自分の権利分だけを売ることができます。
きょうだい3人で、親の土地を相続したとすると、その3人の共有名義となるわけですが、一人だけ売りたいという人がいたら、その3分の1だけを売ることができるということなのです。
もちろん、この時の3分の1は、土地を3つに分けるということではありません。あくまで権利の割合のことです。
たとえば今はやりのタワーマンション、50階建て100世帯が住んでいるという場合は100人でマンションの土地面積を割って使用するとしたら不可能です。
しかし、実質的には、その土地の面積を100人が共有で使用していることになり、その人たちの名前は皆登記に記されており権利も保障されています。
もし、その土地を売ることになった時には、その土地、10億で売れた場合には、100人の人が1000万円ずつ受け取ることができます。
上はあくまで一つの例ですが、共有持分もそれと同じように考えられます。
権利としては問題がなくても 100人の人が全員土地を売ることに同意するとは限りません。
話し合いがつくまでに何年もかかり話し合いがつかない場合も出てきます。
その時に、せっかく所有した土地が売れないというのはおかしな話です。
共有持分を持っている人であれば誰でもが自由に不動産を売買できるのです。
私が最初に共有持分の売却について教えてもらったのは、弁護士の先生からです。
共有持分の売却で実家を売った私の体験
私は、きょうだいで所有していた、実家の家土地を共有持分の売却で、9年目に手放し、土地代金の現金を受け取ることができました。
おそらく、共有持分の売却を知らなかったら、今でも空き家を所有し、やむなく固定資産税を支払い続けていたと思います。
その時の体験です。
兄弟間で、音信不通の人がいたり、話し合いがつかない、拒否されたという場合にも、持分売却は有効です。
相手には知らせず、会わずに売却が完了します。
非協力的な相続人と遺産分割協議や相続が進まない時の手立て4つ
もちろん、離婚後の財産分与で、不動産の分与の話し合いがつかない場合も、持分売却は最も早く現金で財産が受け取れる方法です。
不動産の価格が高い時は、裁判もおすすめですが、価格が安い場合、時間をかけたくない場合も、売却をお勧めします。
共有持分は、土地はもちろん、家、マンションにおいても、どれでも同じように売却できます。
ただし、離婚の際は、ローンの残っている物件や、預貯金など不動産以外の財産分与も同時に行うという場合には、注意が必要です。
その場合は、共有持分の業者にあらかじめそのように相談してみください。弁護士もいますので、応対してもらえます。
共有持分の売却を行った人の口コミはこちらにも掲載しています。
共有持分の口コミ「相場相当で売れた・離婚後の分与がすぐ決着」
共有持分の売却以外の解決方法
共有持分の売却以外の解決方法ももちろんあります。
ひとつが、共有持分の放棄、これは、最終的には相手の同意が必要です。
もう一つが、共有物分割請求、これが共有名義の不動産の裁判での名称です。
どちらも、解決方法ではあるのですが、上記はそもそも相手と話が成り立つ場合の手段であり、下は、土地に資産価値がある場合に限られます。
裁判では解決が困難な理由
私の場合は、裁判にしなかった理由のひとつは、相手が来るかどうかも分からなかったこと。その場合は結局解決が難しく競売となり、あらかじめ現金の準備も必要となります。競売で売れない場合もあるので、それでは何のための裁判かわかりません。
もう一つは、地方の物件で、弁護士費用を支払ってそれを上回る十分な売却益が出るかどうかが疑わしかったのです。
地方の土地は、値段は高くつけられても、結局売れないとタダ同然になってしまうので、裁判に費用はかけてもマイナスになってしまいます。
逆に、高額の土地や不動産の場合は、裁判の方をご検討ください。
共有持分の売却は業者買取のみ
共有持分の売却が、可能なことはわかりました。
では、誰が買い取ってくれるのか、売却の対象はというと、これは専門の業者になります。
業者は、持分という半端な形で不動産を買い取り、その後の交渉を経て、持分を相手に売って一つにするか、あるいは、残った持分を買い取って一つにするかします。
つまり、共有状態を解消、単有の状態にしてから、不動産を有効活用できる状態に戻すのです。
そのため、専門の業者しか、煩雑な手順をこなせません。
その上共有持分の売却には、司法書士が不可欠です。
共有持分の売却で相続登記に司法書士が不可欠な理由【売却まで12】
それと、万が一、土地の測量や、表題登記が必要となった時には、土地家屋調査士も欠かせません。
相続した実家空き家が家屋未登記!表題登記を自分ですることに【売却まで14】
なぜなら、持分の買取をうたっていても、これら必要な業種のスタッフと連携が取れない会社の場合は、いくら業者が買いたいと言っても、買取が進みません。
私の場合は、司法書士も自分で探し、さらに土地家屋調査士なしで、表題登記を自分で行うということになりました。
自分は買い取ってもらえるので、それでも一所懸命にそれらを行いまして、業者にも感謝していますが、普通の人ではとてもではない無理だと思います。
なので、共有持分の売却は、最初からスタッフの揃っている、大きな会社というより、人員の豊富な会社、そして、持分買取に慣れている、専門の会社をお勧めします。