実家の相続と売却は人生で経験するライフイベントの一つです。
うまくいけば資産を増やすこともできますが、失敗すると逆に手持ちのお金を減らしたり、いらない苦労をすることにもなりかねません。
タレントの松本明子さんの例では、実家の維持費のトータルが1800万円かかったという例があります。
私自身は築40年の訳あり物件の実家を売るまでに10年がかかってしまいました。
空き家が増加して家が売れにくい時代に実家を売却するのには、それまでにはないコツが必要です。
この記事では業者目線ではなく実際に実家の売却を体験して売主目線で、大切な資産である実家を高く売るコツをお知らせしていきます。
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目次
実家の売却の方法
実家の売却のいちばんの要である不動産の売却は、基本的に仲介と買取の2つの方法のうちどちらかになります。
不動産売却の方法の一つ「仲介」での売却は、通常「家を売りに出す」という時の方法です。
不動産会社に依頼して家の広告やネットの売買サイトに掲載してもらい、欲しい人が見つかったら売買契約の上、代金を受け取る売却をします。
買取とは、実家を欲しい人ではなくて不動産業者に売る方法です、
どちらがいいのか、また、売却の方法を含めて、相続とのタイミングはどのようにするのがいいのかのチェックポイントは以下の4つです。
実家を売却する前のポイント
- 実家がある地域の不動産の流通性
- 実家のある地域の空き家率
- 実家の家屋の状態と土地の条件
- 相続に際して考えられる問題
実家がある地域
実家のある地域の不動産価格を決めるのは、土地の価格=地価です。
地価がどのくらいなのか、そして、その地域の不動産の売れ具合がどうかは大切なポイントです。
「空き家がまったくうれない」「思ったより価値がずっと低かった」ということが往々にしてあるからです。
不動産の価値と周辺状況は自分でははっきりとわからないことが多いです。
また、個別の不動産についてはやはり不動産業者によるの査定を受けて実際の価格を聞くのがいちばんです。
実家のある地域の空き家率
実家の周辺で空き家が目立ったり増加している様子があれば要注意です。
各県の平均空き家率も参考になります。
※空き家率は下の記事にまとめました。
全国の空き家率ランキング【都道府県別2023年】
同じ県でも空き家の多いエリアとそうでないところとでは格段の差がありますので注意が必要です。
空き家率の高いところ、不動産が売れにくい地域であるとわかったら、仲介での売却よりも、業者に空き家を買い取ってもらう業者買取で売却をするのがいちばん良い方法です。
実家の状態
中古住宅の売れ行きを決めるのは築年が新しいかどうかです。
実家の築年や補修が必要の有無、瑕疵と呼ばれる不動産の欠点はないか、土地の境界がはっきりしているかなどは不動産の価格に影響します。
築古の実家
築年の古い実家であっても、不動産が売れている地域であれば仲介の方法で売却できますが、一方、不動産が売れにくい地方や、駅から遠いなどの条件の悪い家は、買取で売却をするのがベストです。
地方に多い郊外型住宅団地の空き家は、売れない場合は業者買取で売却されていることがほとんどです。
実家が訳あり物件の場合
また、補修が必要だったり、雨漏りの跡がある、シロアリの被害があるなどの家は、仲介で売るのは難しい瑕疵物件となるため、やはり買取がおすすめです。
また実家の土地だけでなく、道路に問題がある再建築不可物件であることもあります。
道路の問題は視野に入っていないことも多いので、いざ売却となって問題化することがありまr酢。
不動産会社に査定を依頼する時に一緒にチェックしてもらうこともおすすめです。
相続の問題
そもそも売却の前に相続の手続きができないと実家は売れません。
実家を相続後に売却するのであれば、相続人がはっきりしていること、連絡が取れること、実家の売却に同意が取れることが必須項目です。
これらが難しい場合、たとえば音信不通の相続人がいたり、相続争いになっている場合などは、仲介での売却はできません。
その時は共有持分の売却なら売却ができますので、訳あり物件の買取業者に依頼してください。
また、事前に相続の問題が予想可能であれば生前に売却をすることもおすすめです。
実家の相続と売却のタイミング
実家の売却は、実際に相続が起こった後とは限りませんで、相続後に問題が起こりそうな場合は親が生きている間に売却をした方がいいことが多くあります。
また、地域の不動産の売れ行きが悪い場合や、親の施設入所などで空き家の期間が長くなると予想されるときも同様です。
生前の実家売却のメリット
生前に実家を売っておくと以下のようなメリットがあります。
- 不動産価値が低下しないうちに売れる
- 相続時の問題を回避できる
- 売却代金を介護費用に使える
親が現在住んでいる場合は、住んでいる場所をどうするかが問題となりますので、あらかじめ話し合いが必要です。
親が施設に入居した場合はその間も実家は空き家となりますが、空き家の期間が長いほど劣化が急速に進みますので、注意が必要です。
家が売れにくい地域の場合ほど、早めの売却が功を奏します。総じて生前の売却のメリットは大きいです。
実家の売却の方法
実家の売却の手順は、通常の不動産売却の手順と同じですが、まずは仲介と買取の違いをもう一度確認してみましょう。
買う人 | 価格比較 | 売却までの速さ | |
仲介 | 一般の購入希望者 | 相場や希望する価格 | 不定 |
買取 | 不動産会社 | 相場の7割 | 数日でも成約可 |
実家の仲介での売却
仲介とは、不動産の取引で、売主と買主の間に立って両者の契約を成立させることです。
不動産会社が担う役目としては、売却物件の販売活動(広告等)、契約条件の調整、契約書類の作成、重要事項説明、契約から引き渡しまでの事務手続きなどがあります。
仲介に適した実家
仲介での売却に適した空き家はおおむね下のような空き家です
- 不動産の売買が盛んな地域にある空き家
- 売却を終えるまで老朽化の心配のない空き家
実家の買取での売却
対して、買取は近年実家の売却に増加している売却の方法で、不動産会社が直接不動産を買い取りします。
買取率はほぼ100%に近く、1週間もあれば売却が終了、不動産会社が大きなところだと即日現金化も可能です。
問題あり物件でも対象となり、相手が不動産会社ですので売ったあとのトラブルの心配もありません。
買取のメリット
- 成約までが早い
- 確実に短期で現金化できる
- 問題あり物件でも売れる
- 条件が合えば成約率は高い
- 売った後のトラブルがない
業者買取に適した空き家
買取での売却に適した空き家はどのようなものかというと、下のようにまとめられます。
- 空き家が自分の居住地から遠く管理ができない
- 早く売って現金化がしたい
- 相続トラブルがあるため早く売りたい
- 空き家の所有者が高齢である
- 空き家の敷地が広く売りにくい
- 問題あり物件や事故物件、持分売却など
実家の売却の手順
家の売却の手順を確認してみましょう。まずは仲介での手順からです。
仲介の手順
- 実家を売却するための準備を行う
↓ - 不動産会社に査定を依頼する
↓ - 不動産会社と媒介契約を結ぶ
↓ - 売却活動のスタート
↓ - 内覧の対応をする
↓ - 購入希望者と条件の交渉を行う
↓ - 買主と売買契約を結ぶ
↓ - 決済・引き渡しを行う
↓ - 確定申告を行う
買取の手順
買取の手順を示します。
- 必要なら家売却の準備 荷物の移動など
↓ - 買取会社に査定または買い取りを依頼する
↓ - 買取会社による現地・物件の調査(不要な場合も)
↓ - 買取会社から買うという返答
↓ - 買主と売買契約を結ぶ
↓ - 決済(代金受け取り)と引き渡しを行う
↓ - 登記完了の確認
↓ - 確定申告を行う
項目を詳しく書くと長くなりますが、アルバリンク社の買取査定の手順について記します。
- ネットから査定依頼
- 12時間で価格をメールで返答
- 必要なら詳しい調査あり
- 契約と代金支払い・家の引き渡し
の3つだけで、売却は1週間もあれば終了します。
現地調査の立ち合いはなくてもできます。
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実家の買取の例
ちなみに私の実家の場合は、査定依頼の明後日、不動産会社の担当者は外から実家を見に行って私の立ち合いはなし、買い取るという返答をもらいました。
売買契約(書類の読み上げや捺印など)と代金決済は、私の自宅で行ったため、現地にも不動産会社の事務所にも一切行っていません。
必要な書類はすべて郵送でやりとりしましたので、負担は全くありませんでした。
仲介から買取に進める場合の手順
まずは査定を受けることがいちばん最初にするべきことで、その後は家や土地は価格が高く売れる順に 仲介→買取→譲渡 とすすめていきます。
「家を売る」という場合は、最終的にはそのどれかになりますが、最初からそのうちのどれかに決めるのではなくて、順番に試していくのがいいのです。
最初から売れないことがわかっている地域なら、仲介を飛ばして買取で売るのもおすすめですが、今は仲介も買取も同じ一括査定で価格を知ることができます。
仲介と買取の同時査定が可能
なので、「仲介⇒買取」と便宜上記してはいますが、仲介と買取は、インターネットの一括査定を活用して両方区別なく一度に行うことができます。
お手持ちのスマホやパソコンで依頼、査定の金額が納得できるものであれば、そのあとで本格的な現地調査を依頼して、売りに出すか、または業者買取を依頼します。
実家が売れないときは
実家をせっかく仲介で売りに出しても売れないとなると、売主にとっては大きな問題となり、ストレスが溜まってしまいます。
中にはそのまま何年も売りに出したままとなっている物件もありますが、ある日思い出したように売れるということはほとんどないと思われます。
そのため売り出し期間は、最短で3カ月が目安となっています。
売りに出したが売れなかったり、最初から売れないと予想できる実家はとにかく買取の査定を受けてみましょう。
査定はあくまで査定なので、査定を受けたからと言って、すぐに売らなくてはいけないというようなことはありません。
順番としては、買取の査定を先に行っておいて価格を聞いておき、その後でいったん売りに出してみて、売れなければ最終的に買取を依頼するということでもかまいません。
一方、実際売りに出した売れなかった、他の不動産店で断られた、家がある地域が不動産が売れにくい地域であるという場合は、すぐにでも買取で売却することがおすすめです。
実家の処分
仲介はもとより、買取でも売れない実家もあります。
農地を含む土地であったり、山林が一緒についている、土地の面積が広いなどという場合は、家ごと有料の引き取りを依頼することができます。
関連記事
土地の有料引き取りで処分
土地の引き取りには、国の引き取りである相続土地国家帰属法に申請するものと、民間の業者の引き取りがあり、そのどちらもが有料です。
引き取りの価格は、固定資産税の一定年数分、土地の面積などに応じて決められますが、国の引き取り価格が最低額20万円からなので、引き取りの業者も20万円からとしているところが多いです。
ただし、国の引き取りは、家屋の解体が必須なので平均の解体費用170万円の出費が必ずかかります。
民間の引き取りは、空き家を利用する時は解体費用はかかりません。いずれにしても更地にする必要がなく、現況のままの引き取りとなります。
関連記事
実家を無償譲渡で処分
お金をかけたくない、解体費用も支払えないという場合には、空き家や土地などの不動産全般を無償譲渡できるサイトもあります。
「いらない不動産をもらいたい人などいるのだろうか」と思われがちですが、原野・山林を含めて8割を超える高い成約率が特徴です。
写真と説明文をネットの掲示板に掲載するだけで、掲載は無料、手続きを依頼した時だけが有料で、全部自分で行うこともできますので、解体費などのお金をかけずに処分したい方におすすめです。
実家の売却の方法まとめ
実家の売却は自分で住まない限りは誰もが行う必要のある課題です。
不動産が売れている地域ならこれまで通りの売却の方法でも売れますが、売れない地域の場合は現在の不動産の状況に合わせた方法が必要となります。
売却の際は、仲介、買取のいずれも必ず不動産会社にアクセスする必要があります。
不動産の価格がわかりにくい場合は、複数の会社に査定を受けることで相場をつかむことができますので、無料査定を積極的に利用の上、実家の売却につなげてください。
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