
土地が売れないというと自治体に寄贈や寄付をしたらどうかという意見を聞くことがあります。
あるいは「固定資産税を払わずにいると、土地が市の所有となるのではないか」という推測を述べる方もたいへん多くいます。
これらの真偽を確かめるため、市役所に行って寄付は可能なのか実際に聞いてきてみましたが、私の住んでいる市においては普通の住宅地の寄付を受け付けるということはしていないという返事でした。
他の自治体の例でも寄付を受け付けたという話は聞いたことがありません。
ただし、相続をして取得した土地については、国が引き取りをする相続土地国庫帰属制度に申請を行えば、条件に合う土地の引き取りが可能です。
土地の寄付と引き取りについて詳しく見ていきましょう。
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自治体への土地の寄付

自治体への土地の寄付を考えるとき、そもそも寄付とは何かを知る必要があります。
寄付とは「自分の財産を社会や特定の団体に無償で提供する行為」で、自治体への寄付は「地域や公共サービスを支えるためのお金や物品の提供」です。
自治体への寄付の定義
自治体への寄付とは、国や地方自治体に対して行う寄付のことで、寄付とは、個人や企業が自分の財産(お金・物品・土地など)を、社会のために無償で提供する行為のことを指します。
「見返りを求めずに渡す」ことが基本で、利益を得ることが目的ではなく、寄付先は、自治体、学校、NPO法人、災害支援団体など多岐に渡ります。
- 寄付の目的:地域の活性化、公共事業や福祉への支援、災害復興など
- 仕組み:寄付をすると、税金の控除が受けられる場合があります。また多くの場合、地域の特産品などの返礼品がもらえます。
- 特徴:自治体は寄付金を自由に使える場合と、使い道を指定できる場合があります(教育支援、環境保護、医療施設整備など)
自治体への土地の寄付の注意点
結論を言うと自治体はすべての土地を受け入れるわけではありません。
土地の立地や利用価値、管理コストなどを考慮して受け入れを判断します。
また、寄付手続きには、登記費用や司法書士費用が発生することがあります。土地の寄付は、自治体との協力が必要であり、手続きには時間と費用がかかることがあります。
適切に行えば、地域社会に貢献する有意義な方法となります。逆にいえば、貢献できる土地でなければ受け付けてもらえる可能性は低いでしょう。
市役所で土地の寄付を扱うのは何課?
実家のある市役所に行って土地を寄付するとしたらどの課で扱うのか聞きましたら、「管財課」というところだと窓口でおしえてもらえました。
それでその窓口に行ってまず私道の件と窮状を話し、寄付ということで取ってもらうことはできるのかどうかを聞いてみました。
すると、市役所の職員からやんわりと、
「(土地を)取る理由がない」
と返事されました。
市役所は土地の寄付は受けつけない
私の住まいの自治外の場合の結論を言うと、実家のある地域の市役所においては、自治体では土地の寄付は受け付けないということでした。
察するに管財課で土地を受け取るのは寄付ではなくて、「土地を取る」時に限るようです。
どういうことかというと固定資産税を支払わないで差し押さえをするならあり得るが、それ以外に市役所では土地を引き取るという事例がないということでした
そもそも、利用価値のない土地は市でも要らないわけで、そもそもがすぐ現金化できるという需要の高い土地なら市に寄付するまでもないでしょう。
要はどうしようもない土地だからと言って、市役所に行ってもらちが明かないことがそのときわかったのです。
市役所への寄付が可能な場合の手順
市役所、つまり自治体への土地の寄付は、いくつかの条件や手続きを踏む必要があります。
以下は、土地を自治体に寄付する際の一般的な手順と注意点です。
土地の寄付が可能か自治体への相談
まず、寄付を希望する自治体に連絡し、土地の寄付が可能かどうかを確認します。
自治体によっては、寄付を受け入れない場合もあります。
土地の評価と調査
自治体は寄付される土地の評価や調査を行います。
この際、土地の利用価値や将来的な計画に合致するかを判断します。
必要書類の準備
- 土地の登記簿謄本
- 土地の固定資産税評価証明書
- 土地の境界確認書など
- 寄付契約の締結
自治体との間で寄付契約を締結します。この際、契約書の内容をよく確認し、署名します。
登記手続き
寄付が決定した場合、土地の名義を自治体に変更するための登記手続きを行います。
この手続きは通常、司法書士などの専門家に依頼することが多いです。
寄付の完了
登記手続きが完了すれば、土地の寄付が正式に完了します。
国の土地引き取りは相続土地国庫帰属制度
いらない土地をどうしても国に引き取ってもらいたい時には、相続土地国庫帰属制度に申請をして、申請が通れば引き取ってもらうことは可能です。
ただし、これが行えるのは、相続によって取得した土地のみです。
さらに、無料での引き取りは行っておらず、費用が20万円からかかります。
そしてもう一つ注意しなければならないのは、土地の上にある建物と、それ以外の者はすべて解体、撤去が必要で、更地にしないと申請ができません。
家がある場合は解体費用が平均170万円かかるということになります。
※詳しくは下の記事に
相続土地国庫帰属制度とは
固定資産税を滞納した土地は寄贈できる?
他に一般に見かける意見では、「固定資産税を滞納したら、土地を市役所に取られる」というものがあります。
この真偽はどうなのかというと、もちろんこちらは間違いではありません。
まず、固定資産税を滞納すると、土地に対する滞納分の税金債務が発生します。
そして、次のような措置が行われます。
- 通知および督促:・・・通知や督促状が来る
- 強制執行手続き・・・土地が差し押さえになる。
- 土地の差し押さえのあと競売になり、売却代金から税金分が差し引かれる
ただし、こちらは寄付とは全く違った意味合いです。
土地を要らないから固定資産税を意図的に支払わないというのは、悪質な行為となりもちろんすすめられるものではありません。
空き家の寄付を受け付けている自治体一覧
土地ではなく、空き家の寄付に関しては、2026年時点で実際に制度化している自治体がいくつかあります。
| 自治体 | 制度・事業名 | 概要 | 公式ページ |
|---|---|---|---|
| 島根県 浜田市 | 特定空家等対策事業 | 認定→建物・土地の寄附申出→所有権移転→市が除却(解体)まで進める枠組み | 公式 |
| 兵庫県 尼崎市 | 空家等寄付受け事業 | 老朽空家と土地の寄付を受け入れ、市で処分(対象要件あり) | 公式 |
| 千葉県 野田市 | 特定空家等の寄附 | 特定空家等の寄附申出(必要書類・要件の定めあり) | 公式 |
| 大阪府 泉佐野市 | 特定空家等対策事業 | 一定条件で土地建物を寄付受け→市が除却→公益活用または売却等 | 公式 |
| 和歌山県 岩出市 | 空き家に関する新事業 (地域土地再生事業) |
市が事前調査→寄附可なら申込み→市が登記→市が除却→跡地は公共活用または売却 | 公式 |
| 福岡県 大牟田市 | まちなか老朽危険家屋除却促進寄付受け事業 | 中心市街地の対象エリアで、建物・土地を寄付受けし除却、利活用促進へ | 公式 |
| 山形県 鶴岡市 | 中心市街地居住促進事業 | 特定区域の老朽危険空き家(不良住宅)の寄附を受け、解体・整地し住宅用地供給へ | 公式 |
注意が必要なのは、ほとんどは普通に人が住める空き家ではなくて、特定空家や老朽危険空家などの非常に条件の悪い空き家だけが寄付の対象になっているということです。
「特定空き家」とは、放置すると倒壊や外壁の落下などの危険が高い、または衛生・景観を著しく損なうなど、周囲に悪影響を及ぼすおそれがある空き家として自治体に判断された建物のことです。
なかなかわかりにくいかもしれませんが、倒壊のおそれのある空き家ということですので、ほとんど壊れている空き家ということです。
逆に特定空き家に指定されてしまうとほとんどの自治体では、解体の指導や指示が出され、従わないと固定資産税の特例が受けらなくなったり、強制的に解体がを行われて解体費を負担することになるので、寄付どころではなくなります。
また、寄付を受け付けるとはいえ、事前審査があり、すべての空き家が自由に空き家の寄付が行えるわけではないことです。
抵当権がついている、共有名義になっている、相続が完了していないなどの空き家は、そのままでは寄付ができずに、権利関係を整理する必要があります。
詳しくは各自治体に問い合わせてご利用ください。
まとめ「市役所に土地の寄付」の結末
結局、私の実家の場合は、実家とその土地は買取で解決することができました。
市役所に寄付を断られた時はがっかりしましたが、売却をあきらめていた実家が、なんと買取で売却することができたのです。
実家が売れた今では固定資産税の支払いも、草取りの苦労もなくなり本当に安心しました。
私の時はまだ買取が今ほど一般化していない時でしたが、今では地方の土地はまず売却を試し、それで売れなければ業者に買い取ってもらう、または有料で引き取ってもらうのが一番良い方法です。
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