駅から遠い家は売れないという心配をよく聞きます。
最近の不動産売却の必須条件は「駅近」といわれていますが、駅から遠くてもまったく売れないということはありません。
駅からの距離が重視されるのは大都市での話で、地方と都会ではこの点違いがあります。
駅から遠い家の売れ行きと遠くても売れる売却のコツをお知らせします。
※空き家買取のおすすめNo.1を先に見る
>>【ワケガイ】
駅から遠い家は売れない?
相続した実家が、駅から約30分以上離れたところにあるので売れるか心配。駅から遠い家は売れないのだろうか。 |
お答え
地方では駅から遠いからといって、必ずしも売れないということはありません。
なぜなら駅に近い家は土地代が高いことが多いため、資金に余裕のある人しか買えないからです。
特に車社会の地方ほど、駅から遠くても買う人はいますので心配はいりません。
答えの根拠
私が売却した実家は、町まで25分、さらに駅まで徒歩なら35分近くかかるところで、バスも本数の少ないところでしたが、それでも売れましたので売却に大きな支障はありませんでした。
というのも、駅前に団地はありませんので、住宅地はどこも同じような条件ともいえます。
『戦う空き家術』を記した空き家の専門家中山聡さんは「どんな田舎の空き家も必ず売れる」と言っています。
下の記事です。
駅から遠い家でも必ず売るにはどうするのか、売り方のコツと合わせてお知らせします。
「駅から遠い」の基準
「駅から遠い家が売れない」という心配は当然です。
不動産のニュースを見ても、新築のマンションの広告を見ても、「駅近」が売りという物件は相当数あります。
しかし、そもそも、「駅から遠い」という場合の距離はどのくらいか、不動産の売買サイトを例に見てみましょう。
不動産の売買サイトでは、様々な条件を指定しながら希望する家を効率よく探せるようになっています。
駅から徒歩20分以上が目安
たとえば上のサイトだと条件の指定に駅までの距離の最長は「20分以内」となっています。
家を買いたいという人はこの欄をチェックしながら家を探しているのですね。
なので、駅に近いという場合は徒歩20分が一つの目安と考えられます。
それ以上になると、あとは「バスで何分」という表示になります。
駅からの距離の都市部と地方の違い
ただ、「駅からの距離」の表示は都市部と地方、地域によってもかなり差があります。
例えば、「住みたい街ランキング」人気の高いつくば市などは、駅からの距離で53分などと記されている家も普通にあります。
確かに駅からの距離は基準の一つではあるのですが、全部の町を駅という条件だけで同じように考えるのは、それほど意味がないかもしれません。
売却の際は心配するよりもまずは実際に査定を受けて価格を確認してみることをおすすめします。
ランキング1位 | 不動産売却のズバット |
対応エリア 全国 | |
|
完全無料
駅から遠い家が売れないとされる理由
駅から遠い家がなぜ売れにくいと言われるのか、不人気の理由も考えてみましょう。
たとえばよく言われるのは次のようなことです。
- 電車・バスでの通勤・通学に不便
- お店などの利便性が悪い
- 駅からの夜道で危険性が高い
- 売れない心配から購入されない
都会では電車網が発達しており、道路が混むこともあって車よりも電車で通勤するという人が地方よりも格段に多いです。
その場合、朝の忙しい時に駅まで25分となるとやはり遠い感じは否めません。
さらに、都会の場合は駅前にお店がたくさんあることが多いです。
外食をしたい時にもお店が多くあった方がよく、そういう利便性からも駅前や駅に近い方が人気が高くなります。
また、お店のある通りを離れると暗くなってしまうため、移動の際に徒歩で夜遅く帰るのは、女性や子どもほど心配があります。
そして、最後、家を売る時ばかりでなく、買う方にとっても、「この家を買ったら駅から遠いから売れにくいのではないか」と思われるので、購入をためらう人がいるということでした。
駅から遠い家 都会と地方の比較をまとめると
都会 | 地方 | |
駅から遠い時間の目安 | 20分 | 20分かそれ以上 |
通勤・通学に不便 | 電車通勤 | 車通勤が多い |
お店など | 駅前に集中 | 郊外のショッピングモール |
駅からの夜道 | 繁華街も郊外も危険 | 徒歩よりバス利用が多い |
購入との関連 | 駅前のマンション | 住宅地の戸建て |
駅から遠い家の価格相場を知る
駅から遠い家を売るときの価格については、日本全国で実際の売買例から見ることができます。
国交省の不動産サイトの「不動産取引価格情報検索」というものです。
公式サイトはこちら https://www.land.mlit.go.jp
地図上のどこで、度の家がいくらで売れたかがわかりますので、駅周辺とそれ以外をざっと比較するのに役立ちます。
このサイトの詳しい利用の仕方は下の記事に書いてあります。
あとは実際にお手持ちの不動産の査定を受けて見るのが一番です。
インターネットで手軽に調べられますし、最大6社の売り出し価格が買取額も含めて提示されますので、お好みの不動産会社、もしくは一番高いところを選んで、売却を依頼できます。
駅からの距離に関わらず、多少条件が悪くてもネ申に売却活動をしてくれそうな不動産会社を選びましょう。
駅から遠い家にもメリットがある
駅から遠い点のデメリットを先にあげてしまうと、駅から遠い家はいかにも売れないように思われてしまうかもしれませんがそればかりではありません。
逆に駅から遠い家にもメリットはあります。
駅から遠い家は価格が安い
家の条件というのはそもそも一つだけではありませんので、駅からの距離だけが近ければすべて満たされるわけではありませんね。
駅に近い家は当然のことに価格は高くなります。
家ではなくて土地の価格、坪単価が高くなるためです。
逆に、駅に近い家と比べて「駅から遠い分お得だ」と買い手に感じさせるようなバランスの取れた価格ならば問題ありません。
物件の立地は大切な条件ですが、買い手にとっては価格も同じように大切だからです。
駅からの距離は家の条件の一つ
駅からの距離にかかわらず、中古住宅の場合、家が新しい、家の質が良い、家が広い、お店や病院が近いなどなど、選ぶ時に基準となる条件は複数あります。
しかし、それらを全部満たした上に駅に近い家となったら、地方でも5~6千万円クラスの家となってしまうでしょう。
その方な家は、資金によほど余裕のある「お金持ち」でなければ買えません。
駅から5分の家の資産価値は高いとしても、最初から無理なことをすべての買い手が望むわけではないのです。
なので、「こうだったらいいな」というところと、価格との折り合いをつけながら最終的に家を選ぶこととなるのです。
地方は車での移動が多い
都会では電車網が発達しており、道路が混むこともあって、電車で通勤するという人は地方よりも多いです。
逆に地方は車通勤の割合が高く、主婦もセカンドカーを持っているところが多いため、駅からの距離をすべての人が気にするとは限りません。
要は、電車にほとんど乗らずに生活をしているのが普通です。
地方は駅前に店がないことも
また、地方都市は駅前にお店があるかどうかというとそうではないことが多いのです。
昔は駅前に銀座通りというものがあり、お店もそこに集中していましたが、今は店舗が集中してあるのはほとんどが駅まではなく郊外です。
駅前は地価が高く駐車場の土地が確保できないため、郊外の大型のショッピングモールの方が普通となっています。
そこへ行く人はバスで行くのかというと、まずほとんどが車での移動です。
地方では車は必須といわれているのは、そのような地理に理由があるのです。
駅から遠い家は土地が広い
駅から遠い家に関しては、土地の広さは大きなメリットです。
曽於に建てる家は、一つ一つの間取が大きくとれる利点もあります。
家族がいる人なら部屋数と広さも必須の条件の一つです。
駅近は面積が狭く隣家との距離も短いために、日照が得られないなどのデメリットもあります。
車必須の地方では、車庫が2台分、時には3台で求められるスペースが得られるのも、駅から遠い家の方です。
また庭があってガーデニングを楽しめる、隣との距離があって気兼ねが要らず、のびのび暮らせるなどもメリットと言えます。
これ等を考えると駅から遠い家が必ずしも売れないということはありません。
駅から遠い家の売却のコツ
駅から遠い家であっても売るコツは何かをまとめると、上記のメリットが大変参考になりますね。
駅から遠い家のアピールポイントをあえてあげると
- 価格が安い
- 土地が広い
- 間取が広い
- 緑が多い
- 閑静な住宅街
- 交通量が少なく混雑しない
あえて、アピールするというのなら上記のようなポイントをあげるのがいいと思います。
電車通勤をせず車を運転する人で、お得に中古住宅を買いたいという人が一人でもいれば売買は成り立ちます。
悪い条件ばかりを考えて心配せずに、まずは売りに出してみましょう。
その上で、売れないという時には価格が適正かを見直して、買い手が「お得」感を感じるような価格設定を考えることが大切です。
※地方の不動産に強いリビンマッチの査定は
駅から遠い家が売れない理由
もう一つお伝えしたいのは、駅から遠い家の一番の問題は、都会も地方も含めた郊外型住宅地、大型団地の問題です。
駅前から離れたところに、今から40年前になるその前後に、大型の分譲地がたくさんできたわけですが、その団地の家が売れないことが地方では問題となっていまうs。
そもそも今売りに出ている築30年以上の家というのは、地方ならほとんどが”郊外型住宅地”と呼ばれる地域の家になります。
そして、今現在は駅から遠い団地の築40年前後の家ならかろうじて売れる可能性はありますが、今後は一斉に空き家となって売れ残ると言われています。
駅から遠い団地は空き家予備軍
今から40年前の団地には、平均して駅から30分前後のところに数百から千の単位の住宅が集まる団地、ところによってはニュータウンと呼ばれる団地が開発され、新築が盛んに建てられました。
その頃は土地が高い上に金利が高かったので、駅の近くに家を建てるなどという発想はありませんでした。
要するに地方の場合は、これまで建てられる家は「駅から遠い」のが当たり前で、駅前にある家などというのは数は知れており、今売りに出ている家の大多数は郊外型住宅地にある家だといえます。
駅から遠い団地に空き家が増加
郊外型住宅団地の問題は、空き家が大変多くなっているということです。
なぜ空き家が多いのかというと、40年前に家を買った所有者が高齢化、そろそろ代替わりをすることになったが、そのあとに住むという人がいないためです。
そこで、空き家となる家を売りに出そうとしてもすぐに売れない、売れる家は建て替えたりリフォームをした家や、立地のよいところにある一部だけとなると、結局追いつかずに空き家の方がどんどん増えていくことになります。
そうなると、いくら良い家や建て替えた新築の家があったとしても、隣3軒両隣がすべて築40年以上の空き家となったら、誰も買わないということになってしまいます。
純粋な駅からの距離だけではなく、周辺の空き家状況と環境のためにますます売れないということになってしまうのです。
駅から遠い家は早く売却しよう
駅からの距離よりも、回りの家に老人ばかりが住んでいる、次の世代が住む様子がない、新築の建て替えや入れ替わりもない、そのようになってきたなと思ったら要注意です。
駅から遠い団地内に家を持っている方は、それらの周辺事情をチェックして、誰も住まない空き家になる予定の家があれば、値段のつくうちに早めに売却をする必要があります。
空き家同士の売却が競争に
回りよく見て、空き家増加の現象やそのような恐れがあるのなら、少しでも早く売り抜けることが必要です。
同じ条件の空き家が同地域にたくさんあるわけですから、いったん空き家が増加すると売却するのも競争となります。
売れ残りの一群の中に入ってしまえば、やがてどんなに値下げをしようが、そのような場所の家は今度は本当に売れなくなります。
売れない理由が本当に駅からの距離だけにあるのかどうかも考えてみましょう。
駅から遠い家の売却の方法
そしてどうしても売れないとなったら、早めに業者の買取も試す必要があります。
空き家で売れない駅から遠い団地の家は今、実はほとんどが業者の買取で売却されています。
駅から遠くてもリフォームすれば売れる
買取の目的はリフォームをしての販売ですが、これも一時期といわれています。
不動産業者にも「今は売れていますが」という言い方をする人がたくさんいました。
つまり、今を過ぎると空き家は売れないということです。
高齢化の家余りで家が売れなくなる
なぜかというと、団塊世代が次々に寿命を迎えるので「大相続時代が来る」と言われており、それとともに空き家が増加することがすでにわかっているからです。
今はまだ、多少売れなくなったという地域であっても、その土地に新築を建ててもらう、あるいはリフォームすれば、まだまだ売れるという時期はある程度続きます。
古い家のままの仲介では売れなくても、そのような工夫をすれば売れるので、一般には需要がなくても、業者にとっての需要はあるのです。
仲介で家が売れないという場合は、家に値段が付くうちに急いで売りましょう。
駅から遠い団地と地域は、タイミングを逸するとあとは有料の処分となるだけですので、早めに売却をすることが売却のコツといえます。
|