実家を売却してしまうと後悔しないだろうか。
私も最初はそう思っていました。
しかし、売り終えた今では売却をもっと早くにしていればよかった、もし今でも売らずに持っていたらその方がどんなに後悔していただろうか、売って良かったと思います。
実家の売却のエピソードを体験からお知らせします。
実家の売却で後悔
実家を売却しなければならないとは思うのだけれども、売って後悔しないだろうか。実際売った人はどういう気持がしたのだろう。 |
お答え
実家はできれば残したいと誰もが思うものです。その時は、空き家に費用がこれほどまでに掛かるのかということを知らないためです。
実際、年数が経つにつれて、実家を売却して後悔するよりも、売らなかった後悔の方がはるかに大きくなります。
実家を10年所有してみて、費用的に維持はまず無理だということがわかり、売れた時にはすごく安心して肩の荷を下ろした気持ちになりました
結論を先に言うと、空き家は一日も早く売るべきです。
この記事では、家の維持にかかる費用を元に、空き家を売った方がいいという理由をお知らせします。
実家の売却した方がいいのか
実家が空き家になった時点で、売却をした方がいいのかなという考えは誰にでも浮かびます。
しかし、そこでやはり実家は売りたくない、それほど使いたいわけではないが家として残しておきたいと思うのは誰しもが経験する感情です。
実家の売却で後悔しない?
そうなると売却を、と思っても
「もし、ここで実家を売ってしまったら後悔はしないだろうか」
というのは、誰の胸にも湧いてくる疑問の一つです。
少しでも迷いがあるとなかなか売ろうという気にはなりません。
そもそも、古い田舎の家でそれほどお金になりそうもないなら、今それほどお金が必要なわけでもないし、残して置いて荷物置き場にしたり、時々遊びに行きたいと思うことでしょう。
そして、そのまま幾年かが過ぎていくというのが多くのパターンです。
実家が”そのまま保てる”の考えは誤り
そもそも、空き家になったばかりの実家は多少物が散らかっていることはあっても、それほど古びているわけではありません。
そのまま置いておいても、それほど変わらずにただ古くなるだけだろうと思うかもしれません。
しかし、空き家を所有したことのある人は、家というものがどのような経過をたどるのかがわかります。
その点にちょっと目を向けてみましょう。
実家を放置したら起こること
実家が空き家になって、そのまま放置をしたとするとどのようなことが起こるのでしょうか。
空き家に起こることをまとめると下のようになります。
- 実家は空き家になると老朽化が信じられないほど早まる
- 空き家は補修が必須だが補修費は高額
- 雨漏りが見つかったらすぐ補修が必要
- 隙間ができれば野生動物が住む
- 空き家でも火災保険・時に町内会費
- 草取りと庭木の剪定の費用
たぶん、初めて聞くと、それは大げさで自分の実家には当てはまらない、他人事だと思うことでしょう。
しかし、単純に言えば、空き家と住んでいる家とでは全く違います。
ちょっとでも手入れを怠れば、空き家はすぐに廃屋の様相をきたします。
そうならないためには、住んでいる家と同じくらい費用と手間をかけないと維持ができないということなのです。
※家が売れない場合のこちらの記事も
空き家になると老朽化が早まる
たいていの人は、空き家も今住んでいる家も古くなるスピードは同じだと思っていますがそうではありません。
知っている不動産の営業マンも、現在売りに出ている空き家と人が住んでいる家で売りに出ている家とでは「ちょっと違うんですよね」とその印象を語っています。
少なくても売りに出せる空き家はいい方です。
この時点で到底売りに出せない空き家もあります。それらは物件としては出てきませんで、たいてい家を解体して土地だけの販売となっているのです。
実家の空き家には通気がない
なぜ空き家になると老朽化が早まるのかというと、一つには日本の高温多湿の風土のためです。
人が住んでいる家は、必ず玄関から出入りし、窓も開け閉めをしています。
空き家になると空気の動きが全くなくなります。
また、空き家は防犯上から雨戸を閉じておくことも多いため、湿気がたまりやすくなります。
すると、木材は湿気を吸って住んでいる家よりもずっと速いスピードで駄目になりやすいのです。
住んでいない実家をリフォーム?
塗り壁の砂や漆喰は落ちやすくなり、クロスははがれて破れます。
家が廃屋になってぼろぼろになってしまうのは、とりたてて何かの原因があるわけではありません。
何もしないだけでも廃屋状態になってしまうのが空き家なのです。
そして繰り返し言いますが、人が住んでいる時にはそうなりませんが、空き家だとそうなるのです。
これを元々の状態に戻そうとすると、常にリフォームをしているような状態になります。
お金がかかるのは言うまでもありません。
実家に雨漏りが見つかったら
実家が多少古びている程度だと思って安心していると、ある日突然雨漏りが見つかることがあります。
これは本当に突然です。それほど古びているように思えなくても空き家となった実家、特に築40年前後の家は良い家か悪い家かはあまり関係なく、よほど手入れしていないと雨漏りが起きる可能性はあります。
もし雨漏りが見つかったら、そのままにしておくと天井も畳もすべて濡れてその部分は全部建材を取り換える必要があります。
そのためには雨漏りの原因を特定し、主に屋根などを補修する必要がありますが、雨漏りの原因はひじょうに見つかりにくいため高額の費用をかけてもなおらず、結局解体費をかけて解体することがほとんどです。
なお、雨漏りが起きた家はそのままでは売ることができません。
ある日突然、売り物にはならなくなりますので、あとは自分で使うか解体しか手立てがなくなります。
野生動物が住む
雨漏りで生まれた屋根や壁の隙間はもちろんのこと、補修の必要な外壁などを放っておくと、わずかな隙間から野生動物が住みつくことがあります。
そうなると、駆除の専門家を頼んだうえ、室内の清掃を依頼するようになります。
もちろん、原因となった家屋の補修も必要です。
実家がこのような状態になると、近所から苦情が来ることも少なくありません。
庭木の剪定と草取り
庭木の剪定と草取りは空き家に必須の手入れの一つです。
庭の全部がコンクリートでもない限りは、草取りは必ず必要です。
自分でできない時は最低でも年2回は業者に依頼することになります。
これは空き家を所有する限り続きます。
固定資産税の他に自治会費
実家の固定資産税を支払うのはもちろんですが、地域によっては自治会費を徴収されることがあります。
空き家であっても同じことで「家がある以上は地域に貢献してください」というのがその理由のようです。
この相談例は下の記事に記しています。
松本明子さんの実家の例
タレントの松本明子さんの実家の例を見てみましょう。
松本さんの実家は高知県の比較的利便性の良いところにありましたが、維持費用に自分の交通費を入れて、なんと1400万円以上がかかったというのです。
途中でやはりリフォームをされているということなので、それも大きかったのでしょう。
リフォームと言っても住むための費用ではないので、それだけ高額だとおそらく塗装なども行ったと思われます。
そして売ったときには空き家の価格は640万円、つまり760万円のマイナスが生じてしまったということでした。
住まない実家に費用をかけても全く無駄になってしまうことが、松本さんの例でよくわかると思います。
関連記事:
松本明子の高松市の実家が空き家バンクで640万円で売れた!
私の実家の例
母と離婚後に父が一人で住んでいた家に、15年後くらいに初めて訪ねた時は驚きました。
空き家ではありませんでしたが、一人暮らしの父は高齢で家屋の管理や手入れが全くできていませんでした。
その時はまだ築18年くらいでしたが、普段使わない西側の部屋はクロスが全部はがれてぶら下がっていました。
また、二重サッシになっていましたが2枚のガラスの間に結露が起きてガラスは全部水が入っており、サッシ枠が錆び、その湿気で柱にはシロアリが食べた後がありました。
私はその頃は知識が全くありませんでしたが、今ならば、シロアリが出た家は売却ができないことがすぐにわかったでしょう。
結局実家はそれでもいいというリフォームを前提とする買取業者に買い取ってもらうことができました。
持ち続けていなくて本当にラッキーだったと思っています。
空き家の買取業者ランキング 高く買い取る大手有名どころ4つをご紹介!
空き家を持ち続けるリスク
実家とはいえ、住まない家を一軒持ち続けるということは、決して簡単なことではないことがわかると思います。
家というのは一種の生き物と同じです。手間をかけて費用をかけなければだめになってしまい、売り物としては用をなさなくなると、逆に処分費用がかかることになってしまいます。
うちの実家ならあと数年は大丈夫だろうと思っても、何の保証もありません。
地方は人口減少で空き家が売れないことは既に問題化しています。
不動産は水もの、いつ売れなくなるか、価格が落ちるのかは誰もわかりません。
早めに売って大切な財産を現金化して保有することをおすすめします。
まずは査定を依頼の上、売却を検討してみてください。