空き家買取

住まない実家は相続してはいけない理由

2024年7月21日

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住まない実家は相続してはいけないと、とうとう言われるようになりました。

住まない実家というのは空き家ということですが、その理由はどういうところにあるのかをお知らせします。

住まない実家は相続してはいけない

 「住まない実家は相続するな」と言われているらしいけれども本当かな?もうすぐ実家を相続することになりそうなのだけれども、気が進まない。相続したくない場合はどうしたらいいのだろうか。

 

お答え

住まない実家は相続してはいけないというのは本当です。理由は使わない限りはデメリットしかないからで、そのうち最も大きなものは、税金や管理で思いのほか費用がかかるというところにあります。実家を売却しない限りは、コストはかかり続けます。

  答えの根拠

「住まない家」というのはすなわち空き家のことで、住まなくても家を維持するにはコストがかかります。

タレントの松本明子さんが、空き家の維持に1600万円をかけたというのは有名な話です。

そこまでではなくても、一般的に空き家のコストは年間55万円がかかると言われています。

私の実家は親族トラブルで売却ができず、10年間住んでいない家に固定資産税を支払いました。相続しなければよかったと何度も思いましたが、最終的に業者買取で手放すことができました。

これまでは実家の相続は当たり前のように行われてきましたが、以前なら実家に住む人、いわゆる跡取りがいたためです。

今の時代はそれとは違い、住む人がいない空き家の相続はけっして簡単に考えてはいけません。

この記事でわかること

・空き家の維持はこんなに大変!

・住まない空き家を相続しない方がいい理由

・相続しない場合にするべきこと

一つずつ解説していきますね。

 

住まない実家は相続してはいけない理由

日本全国で空き家が売れない問題が明らかになっています。

そして空き家の維持や売却に苦労した人から「住まない実家は相続してはだめ」という意見が聞かれるようになりました。

住まない実家を相続してはいけないとされる理由には、以下のようなものがあげられます。

  • 相続税の税額が増加する
  • 固定資産税の負担
  • 空き家の維持・管理の手間がかかる
  • 「特定空家等」に指定されると罰則が生じる
  • 解体費が高い上、更地で所有すると税金が上がる
  • 空き家で多発する相続人同士のトラブルも

一つずつ詳しく見ていきましょう。

相続税の税額が増加する

自分で住んでいない実家を相続した場合、「小規模宅地等の特例」、別名「家なき子特例」が受けられず、相続税の負担が大きくなる可能性があります。

​​小規模宅地等の特例とは実家の相続税計算で、土地の評価額を80%まで減額できる制度で、相続税の節税ができるというものです。

この特例を受ける条件は、相続人が被相続人と同居している、いわゆる「家なき子」であることです。

つまり、遠方にいて実家とは別に住んでいる子どもがそれとは別に実家を相続した場合は、土地の評価額が大きくなり相続税負担が増える可能性が高まってしまうのです。

この特例について詳しくは

関連記事:
小規模宅地などの特例とは 土地の相続対策で活用できること

固定資産税の負担がかかる

固定資産税は建物や土地の所有者に納税義務が発生するため、たとえ住んでいない実家でも、また、空き家であっても所有する限り、不動産の名義人となった方は税金を納めなくてはなりません。

最初はそれほどとは思わなくても、毎年のこととなるとトータルでは大きな負担となります。

関連記事:
相続した実家の固定資産税が大きな負担

空き家の維持費用がかかる

空き家や土地は定期的に見回りや修理をしていかなければ劣化するため、自分でできなければ空き家を管理するサービス会社などに委託して維持・管理を続けなければなりません。

これらの管理費用も実家を所有し続ける限り発生します。

もし、空き家を放置してしまうとダメージが大きくなり、結局解体に至ってしまうと、高額な解体費が必要となりさらに費用がかかります。

空き家の維持費用は大体除草費用や見回りサービスなどを含めて年間55万円と試算がなされています。

建物の維持管理費用は、住んでいる時にはそれほど感じないものですが、誰も済んでいない空き家を、ただそこに置いておくという維持だけのために費用をつぎこむということは、実務上はもとより気分的にも大きな負担となります。

関連記事:
空き家の維持費用は年間55万円 一覧表で試算を示します

実家が特定空き家に指定されたら

2015年に施行された空き家特措法、正しくは「空き家対策の推進に関する特別措置法」により、空き家の管理が不適切であるとみなされた空き家は、所有者にペナルティが課されるようになりました。

空き家の状態を表す段階で最も悪い問題のある空き家、すなわち「特定空家等」に指定されると、「住宅用地の特例措置」が受けられず固定資産税が最大6倍に増額されるほか、自治体からの「命令」に違反すれば50万円以下の過料が科されることになったのです。

空き家の解体も

特定空き家で最も困るのは解体を自治体がその権限で行えることになったという点です。

所有者の意志に関わらず危険とみなされた空き家は強制的に解体をされ、その際の空き家の解体費用は所有者に課されるという仕組みです。

特定空き家について詳しくは

関連記事:
空き家特別措置法とは

特定空き家に指定されたら固定資産税は6倍に!

更地で所有すると税金が上がる

空き家が老朽化すると、雨漏りをはじめ様々なトラブルが起こります。

空き家を実際に管理したことがないとわかりにくいのですが、住んでいるに比べて空き家の老朽化のスピードはたいへんに速く、ともすると起こるのが雨漏りです。

雨漏りが始まると天井や瓦を修復することが必要な場合が出てきますが、場合によっては百万単位の出費となりますが、住んでいない空き家に費用をかけるということは考えられません。

なので、そのレベルとなると同じ費用をかけるなら解体を選ぶ方が多いでしょう。

しかしそこでも問題があり、更地にした場合は住宅を建てることで税制優遇を受けられる「住宅用地の特例措置」の対象外となるため、固定資産税が6倍に上がってしまいます。

関連記事:
空き家を解体すると固定資産税が6倍に!

空き家があっても増税の例

近年ではこの特例措置の問題は複雑化しており、固定資産税の増額を避けるため、何としても空き家のままで維持しようという人が増えてきました。

それが町の美観を損ねるとして神戸市のように、空き家の税率を引き上げた例があり、これまでのように空き家があっても固定資産税が値上がりするという可能性も地域によっては考える必要があります。

関連記事:
空き家の固定資産税が3.5倍に 神戸市が特例廃止で空き家対策

空き家をめぐってトラブルに

空き家が費用を喰うということがやっとわかったので、相続人同士の意見で売ろうということになったものの、地方によっては売却を考えてもスムーズにいかない地域があります。

そうなると空き家の費用をだれが負担するのか、誰かひとりか共同で払うのが理想ですが、相続から日が経ってしまうと誰も費用の負担は嫌なものです。

特に解体費用は大きいので負担を持ちかけても、「既に兄貴の物だろう」とか「だから早く売れと言ったのに」と反論され、承諾が得られない場合が大半です。

普通は相続時に争うということがこれまでの相続トラブルでしたが、空き家があることできょうだいの仲が悪くなってしまうこともあります。

こんなことなら家は早く売ればよかった、家などよかったのにと思う人も少なくありません。

住まない実家でも相続した方がいいケース

住まない実家でも相続をした方がいいのは、都市部など地価が高いところです。

不動産の流通性のあるエリアなら、たとえ住まなかったとしても、空き家を解体後活用するという方法もちろんあります。

十分に売れる土地なら、何が何でも相続放棄をする必要はありません。

駐車場やコインランドリーはもちろん、アパートやマンションなどの投資も可能性がありますし、そのまま水回りのリフォームをして賃貸に出すなどの方法もあります。

土地活用は様々な方法がありますので、収益性の高いのはどれか、地域に適した活用法などはプロのプランニングの上で見積もりを取ることが必要です。

その土地でどのくらい収益が上がるのかということは、個人ではなかなかわかりません。十分な見積もりが必要なので早めに資料をもらいましょう。

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住まない実家の相続放棄

空き家を維持しようとすると、費用がかさむためデメリットしかないということがわかりました。

土地活用など望めないような田舎にある空き家の場合は相続を事前に避ける方法として、最初に考えられるのは、相続放棄です。

相続放棄が適した実家

相続放棄が必要なのは、負債がある、維持費が高い、相続トラブルの3つがある場合です。

負債がある場合

実家に負債があり、相続することでその負債が引き継がれる可能性がある場合、相続放棄を検討することがあります。

維持費が高い場合

実家の維持費や固定資産税などが支払い困難な場合、相続することで負担が増える可能性があるため、放棄することが選択肢となることがあります。

他の相続人との問題

兄弟姉妹などと相続を巡って問題が生じており、解決が難しい場合に放棄を検討することがあります。

「相続放棄」の形で土地を受け取らないということは法律上はできますが、実は空き家の相続放棄は簡単ではありません。

相続放棄のデメリット

一方、相続放棄の場合の注意点は、相続放棄をしてもその土地の管理義務は相続人に残ってしまうという点です。

なので、管理責任を免れるためには新たにその土地の管理を請け負う管理人を予納金を支払った上で選定してもらわなければなりません。

これは裁判所で行う法律的な手続きですので、もちろん手間がかかる上に費用も掛かります。

相続放棄の費用については下の記事に

関連記事:
相続放棄の費用と管理人設定時の予納金の金額 親族の負担になるケース

実家だけ相続しないは不可

もう一つ、相続放棄は実家だけを欲しくない場合でも、他の預貯金などの相続も併せて放棄することが決められています。

なので、他の遺産がある場合はまず相続放棄をするという人は実際には少ないようです。

いずれにしても、相続放棄はその他の財産を放棄しても、その空家や土地を放棄するメリットがそれに上回るという場合に限られると思います。

親の生前中に実家を売却する

相続しない方法のもう一つは、親が生前中に空き家を売却することです。

これだと相続後にしなければならないことがなくなります。

また、地方の家の場合は少しでも早く売る方が空き家を高く売却できます。

地域によっては、年々空き家が売れなくなっているところはひじょうに多いので、早めに売って親の介護費用に充ててもらうのも良いアイディアです。

空き家を生前に売った方がいいケース

空き家を生前に売った方がいいケースは次のような場合です。

・親が施設に入所して1年以上空き家となっている

・築年が古く老朽化が心配される実家

・地方にあって売れないことが予想される実家

・相続で問題が起きそうな実家

兄弟の誰もが今後住む予定のない実家

このうち、一番最後の「兄弟の誰もが今後住む予定のない実家」が、今回の話題の「住まない実家」ということになりますが、その他のケースがどれだけ当てはまるかもあわせて考える必要があります。

生前売却の注意点

生前に売却をするには、一体その家がどの程度の価格になるのかをきちんと調べておく必要があります。

また、所有者である親本人はもちろん、他の相続人ともあらかじめ互いの意思を確認しましょう。

実家の価格を自分で調べるには、路線価や取引情報検索がありますが、おすすめは実家のある同一地域の実際に売買の金額が記録されて閲覧できる取引情報検索です。

関連記事:
不動産取引価格情報検索とは 実際の取引額がわかる

まとめ

相続したくないと思っても他の財産があったりする限り、相続放棄は案外難しいものです。

実家はやはり財産、できるだけ売却で利益を上げるよう全力で準備していきましょう。


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なお、私が売却を査定してもらったのは、2社ともが東京都内の業者です。私の実家はそこから3県離れた北関東にありました。

離れていても全国対応してくれますので、地方の方もご相談してみてください。

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